尚月地先生の作品の廃墟少女。
廃墟と少女が織りなす、ほの暗く、どこか優しい物語。
風子はとある廃墟の工場に監禁された過去を持つ少女。
犯人は捕まらないまま数年の時が流れ
奇しくも再び同じ場所に監禁された風子。
おまけにその相手は親友である少女・百花で・・・。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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廃墟少女のあらすじは?
百花と風子の二人の少女は幼い頃からの友人同士で幼馴染。
百花は体が弱く入退院を繰り返しているようですがよく笑い
女の百花からみてもお人形のようにかわいい女の子でした。
しかし時折、凶暴なほど強い目をする娘でもありました。
クラスで噂になっている「廃墟事件」
風子はその事件の被害者の少女でした。
工場廃墟に5日間閉じ込められた少女
犯人は未だ見つかっていない・・・。
風子のあたりの強い態度も災いし多感な年ごろの
少女の集う学校で彼女は酷く浮いてしまっていました。
その中でも風子に臆することなく声をかけてくる少女
それが幼馴染の百花でした。
廃墟少女
彼女はクラスこそ違いましたが屈託なく風子に声をかけてきます。
しかし百花の事情も何だか複雑らしく彼女自身つい最近
退院したばかりなうえ実家が経営している店が
赤字続きでなんとかやりくりをしている状態だそうです。
唐突に風子へ今日うちへ泊りに来ないかと誘う百花。
その表情は彼女が幼い頃からよく目にしてきた
どこか凶暴さを孕んだものでした。
すぐに屈託なく笑い教室へ戻っていく百花に
一体なんだろうかと思いつつも放課後
約束通り彼女の家へと向かう風子。
しかしその道中、百花により後頭部を殴られた風子は
そのまま意識を失ってしまいます。
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廃墟少女のネタバレとその後の展開は?
目を覚ました風子がいた場所
そこは3年前に彼女が監禁されていた例の廃墟でした。
脚には鎖、目の前にはいつものように笑う百花・・・。
混乱する風子に彼女はここは3日後に取り壊される
3日以内に風子が3年前に落とした忘れ物がある場所を
見つけ出さなければ自分も風子もここで死ぬと告げます。
わけがわからず狼狽える風子に
百花は自分は本気だと彼女を殴りつけます。
風子は脱走を図るために廃墟の中を動き回りますが
そこを歩き回るうちに妙なフラッシュバックを覚え・・・
そう風子は監禁されていた数日間のことを
綺麗に忘れてしまっていたのです。
彼女の中にあるのはただ男に数日監禁されていた
気づいたら必死に逃げていたということだけ。
しかし廃墟のある場所にきた瞬間
3年前の自分と男のことが不鮮明ながらも蘇ります。
そこにいたのは抵抗する自分と身体を押さえつけてくる男
そして黒いワンピース姿の百花でした。
廃墟少女
しかしそれ以上のことは思い出せず風子はなぜ
自分に過去を思い出させたいのかと百花に問います。
百花は二人で迷宮を抜け出すためと答えをはぐらかしますが
風子は言葉の意味が理解できません。
それからも廃墟を歩き回るたび
風子の脳裏には様々な記憶がよみがえります。
仲間に殺される妹が病気で魔がさしたという男の言葉
男の後頭部を岩で殴打した百花の姿、男の死体は・・・。
思い出したくない。
次第にそう考えるようになる風子でしたが
百花はそれを許しません。
彼女たちの命の期限はもう翌日まで迫っていました。
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廃墟少女の感想は?
「艶漢」で知られる尚月地先生による
廃墟と少女をテーマにした幻想的な短編集。
表紙のイラストを見た瞬間、これは間違いなく
尚月地先生と思ったら案の定でした。
「艶漢」が好きな自分は迷わず購入。
耽美な雰囲気が作風に色濃く出る作家さんですが
「艶漢」はメインキャラクターが男ということで
作品全体がボーイズラブチックな雰囲気です。
しかし今回はタイトル通り全編を通して女の子がメインのストーリー。
どうなのかなと思って読み始めましたがこれはこれで楽しめました。
そして話はもちろんですがやはり
イラストの描き込み方が素晴らしいです。
カラーイラストはもちろんですがモノクロの漫画でさえも
永遠に眺めておけるような美しさがあります。
廃墟少女
廃墟がテーマということで尚月地先生の作風的に
ほの暗い雰囲気の話が入っているのかなと思い購入しました。
しかし実際に読んでみると読後感が悪い感じはなかったです。
不思議でどこか暖かいそんな雰囲気の話が多かったですかね。
表題作の廃墟少女は序盤はもしかして
これはホラーなのか?と思いややドキドキしましたが
読み終わってみるとなるほどなぁという感じでした。
すぐにもう一度読み返したくなるタイプの作品です。
短編集なのでこれ一冊で尚月地先生の
美しいイラストと世界観を堪能できます。
一つ一つの話は短いですがしっかりと綺麗にまとまっているので
是非お手に取ってほしい一冊です。
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