尚月地先生の作品の艶漢。
幻灯町という架空の町を舞台にノーフン傘職人・詩郎と
熱血巡査殿・光路郎の二人が謎を解いたり戦ったりご飯を食べたり。
妖艶で幻想的な裏町で起こる事件の数々に巻き込まれていく二人。
その真実を明らかにしていくことはできるのか・・・。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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艶漢のあらすじは?
山田光路郎はだらしないことや曲がったことが
大嫌いな典型的な熱血漢の青年です。
警察官巡査である彼は今日も最愛の妹
アグリと共に人助けに勤しんでいます。
しかしそんな彼の元へ飛び込んできたのは
ここ最近街で噂となっている花吹組による残虐な殺人事件でした。
一刻も早く事件を解決せんと彼が聞き込みのために
向かったのは見るからに怪しい傘屋。
そこで光路郎は息を呑むほど美しいながらもだらしなく
ふんどしが大嫌いな謎の美少年・詩郎と出会います。
服すらまともに一人で着れない彼を見兼ね
詩郎の世話を焼くようになる光路郎。
君のような奴は放っておけんと告げる光路郎の
まっすぐな態度と言葉に詩郎はいまどき珍しいお方だと
思いながらも彼のことを気にいっている様子です。
そんなある日、詩郎は街を騒がせていた
花吹組による一連の事件に巻き込まれることとなります。
![艶漢](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/SHI44460.jpg)
艶漢
偶然にもその場に居合わせた光路郎は詩郎を助けようと
剣を振るいますが多勢に無勢で徐々に圧されていきます。
自分には構うことないという詩郎の言葉にも
嫌だと叫び大人数の敵に立ち向かう光路郎。
彼を見ながらこんな人間がまだいたのかと
詩郎は笑い自分も光路郎に加勢するのでした。
貧弱で一見女のような詩郎ですが元暗器使いであり
その腕は一流であっというまに男たちを制圧します。
自分のことを詳しく聞かないのか疑わないのかという詩郎に
光路郎は迷いなく当たり前だと告げるのでした。
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艶漢のネタバレとその後の展開は?
その一件以降も相変わらず私生活は
だめだめな詩郎の世話を焼き続ける光路郎。
彼の妹のアグリも含め騒がしくも楽しい日々を送っていますが
街には相変わらずじわじわと狂気が蔓延っています。
ある日詩郎は傘売りの仕事の最中に空腹で倒れ双子の姉妹に助けられます。
菖蒲子と蓮見子の二人は双子ながらも全く似ていない姉妹で
菖蒲子は醜い自分の容姿をコンプレックスに感じています。
さらに彼女が恋をした男性はなぜか全員不可解な死を遂げてしまうのです。
自室にある彼らの私物。
菖蒲子は自分が犯人なのではないかと悩みますが
それらをやっていたのは蓮見子でした。
菖蒲子が彼女にコンプレックスを抱いていたのと同じように
蓮見子も自由に生きる彼女のことを幼い頃から嫌っていました。
しかし蓮見子が行ったことはあくまで
菖蒲子の部屋に被害者の私物を置いただけ。
真犯人は姉妹のどちらでもなく彼女たちの使用人である男だったのです。
![艶漢](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/SHI44460.jpg)
艶漢
その動機は菖蒲子が恋をすると人が変わったかのように
凶暴的な一面を露わにし自分をなじることでした。
自分は醜い振り向いてもらえるわけがないという
概念に駆られた彼女の感情は自分より下の
身分である使用人へと向けられていたのです。
狂気じみた菖蒲子の姿に自分たちはお互い自分の不幸ばかりに囚われ
本当の姿が見えてなかったことに気付く蓮見子。
まるで合わせ鏡みたいだと泣きながら
彼女は双子の妹の頬へと触れるのでした。
この話でも驚異的な身体能力を見せた詩郎
しかし拘束されていたこともありその際足にけがをしてしまいます。
病院は嫌いだと力ずくでそれを直す詩郎にそんな荒療治が
信用できるかと叫び光路郎は彼を病院に連れていきます。
おせっかいな光路郎と自由気ままで秘密に塗れた
詩郎の日常はまだまだ続いていくのでした。
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艶漢の感想は?
独特な世界観とキャラクターそして
美しいイラストが魅力の尚月地先生による作品。
なんと本作は尚月地先生の処女作なんですね。
つくり込まれた世界観やキャラクター設定
絵柄の美しさからとてもそうとは感じられませんでした。
架空の世界を舞台としていますが作品全体の雰囲気としては
日本の明治時代あたりを彷彿とさせる感じになっています。
艶やかで不思議な雰囲気を持つ詩郎と熱血漢の光路郎が
世話を焼いたり焼かれたりの関係を築きながら
街全体に蔓延る奇妙で猟奇的な事件を解決していくといった
パターンで物語は繰り広げられていきます。
![艶漢](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/SHI44460.jpg)
艶漢
基本的に最後は物理で解決する形にはなりますがミステリー的な要素もあり
毎回犯人は誰なのかとハラハラしながら楽しんで読むことができます。
ちなみにボーイズラブ作品としては定義されていないようですが
かなりそういった雰囲気は強いですので苦手な方は注意されてください。
詩郎がかなり女性的なので気にならない方は
気にならないかもしれませんが・・・。(笑)
街で起きる事件を解決していく中、徐々に詩郎の隠された過去や
その背景にあるものなどの秘密が明らかになっていきます。
艶やかで少し残酷な独特な世界観をぜひ味わってみてください。
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