「八雲立つ」などで知られる樹なつみ先生が描く
SFファンタジーの獣王星。
遥か未来、人類は地球から遠く離れた
バルカン星系に移住し独自の文化を築いていた。
そこで何不自由なく育った双子の兄弟・トールとラーイは
ある日、両親を殺されてしまい
死刑惑星とも呼ばれるキマエラに落とされてしまう。
そこは人間が生きていくにはあまりにも過酷な環境だった・・・。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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獣王星のあらすじは?
植物が鬱蒼と生い茂る山道を何者かに追われている
少年・ラーイが必死に逃げています。
走っても走っても出口は見えず追って来たその男に
とうとう追い詰められてしまいます。
ラーイの持っている食料は男に奪われそうになりますが
その瞬間、息を止めろとどこかから声が聞こえ気づくと
その男は何かに覆いかぶさられ窒息してしまいます。
ラーイを助けたのは彼の双子の兄・トールでした。
トールは男の荷物を持って逃げようと言いますがラーイは
自分自身が危険な目に遭っても人を殺すのは嫌だと言い張るのです。
しかし、やらなければこっちが殺される――
トールはこんな状況下でも甘えた事ばかり言っている
ラーイに苛立ちを募らせて・・・。
3週間前――。
獣王星
ふたりは地球から遠く離れたバルカン星系首都であり
最先端の設備に囲まれたコロニー
「ユノ」で何不自由ない生活を送っていました。
彼らの両親は政治家であり科学者のエリートで
11歳である彼らもエリートの道を着々と歩んでいたのです。
この時代、人間の平均寿命は次第に短くなっており
十代半ばで結婚はあたりまえ。
特に優秀なラーイは女子たちからの人気も高く
引っ込み思案なラーイのふりをして交際の申し出を
断っていたトールはこれが最後だからなと釘をさします。
そんなふたりにはそれぞれ大きな夢がありました。
ラーイは人間の寿命を研究するために地球へ行くこと
そしてトールはパイロットになること。
トールはいつか自分がパイロットになったら
ラーイを地球へ連れて行ってやると約束するのでした。
そんな彼らの身に起こった悲劇とは――・・・。
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獣王星のネタバレとその後の展開は?
エリートの家系に生まれ何不自由なく育った
双子の兄弟・トールとラーイ。
そんなふたりの日常はこのまま永遠に
続くと思われましたがこのあと悲劇が襲います。
いつものように他愛のない会話をしながら
自宅に戻ったふたりでしたがそこで見たのは
無残に殺された両親の姿だったのです。
トールたちも何者かに襲われたらしく
記憶が途切れ目が覚めると救命ポッドの中。
そこから聞こえる声によって死刑惑星と言われている
存在すら隠されたキマイラという場所に
自分たちが送られることを知るのです。
死刑制度がないバルカン星系では
キマイラに送られることこそが死を意味します。
ふたりの両親はバルカン星系の
トップ・オーディンの命令で殺されたというのです。
しかしキマイラでも生き残る術はある――
そこは獣だけが生き残れる星。
別名「獣王星」と呼ばれるその星で
生き残るには獣の王になるしかない・・・。
そしてキマイラへと降り立ったふたりの過酷な日々が始まりました。
キマイラは灼熱の昼と極寒の夜が繰り返し訪れるという環境で
肉食の植物が繁殖したジャングルのような場所でした。
そしてふたりは他にもキマイラで生き延びている人間と出会います。
獣王星
キマイラで生き残るにはまず人間が作った
輪(リング)と呼ばれるコミュニティに入ること。
茶輪、白輪、黄輪、黒輪と肌の色で分けられており
違う肌の者は入れないと言います。
リングに入れなければ夜の寒さに耐えられない・・・。
そのリングにはそれぞれを束ねる長(トップ)がいて
トップを補佐する役割のセカンド、サードがいるのです。
ふたりは知り合ったザギという少年からノウハウを学びつつ
生き残るために命がけのサバイバル生活を送ることになります。
このザギは後にトールの人生に大きく関わってくることになります。
トールは持ち前の高い適応力でこの過酷な
キマイラを生き抜いていきますが
ラーイはもともと臆病な性格で
度々トールの足を引っ張ることになってしまいます。
生き残りを賭けた戦いの中で出会うことになる
黄輪のセカンドの少女・ティズや
茶輪のサードらの助力もあって
トールは茶輪のトップに上り詰めていきます。
そしてキマイラのトップになれば
この星を出られることを知ったトールは
両親を殺したオーディンに会い
真実を知るために獣王になることを目指すのです。
しかしトールが戦っている中で逃走したラーイは
誤って足を滑らせ崖に転落し死んでしまいます。
そんな中でも懸命に生きるトールは
やがて少年期から青年期へと成長を遂げます。
白輪のカリムという美女やティズとの恋模様も加速する中
トールは驚異的な強さで獣王になるのです。
また何かとトールを見込んで助力するサードの正体や
トールの強さの秘密や生い立ちも明らかとなり
物語は驚愕のラストへ――・・・。
細かい内容はぜひ実際に読んで確かめてみてください!
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獣王星の感想は?
巻数は少ないのですがそれをはるかに超える
満足感を持った作品でした。
何といっても主人公のトールの成長ぶりには驚かされます。
当初は双子のトールとラーイが生き抜いていく
物語だと思ったのですが結局ラーイはキマイラの環境に
適応することができず命を落としてしまいます。
トールほどの適応力を見せないとキマイラでは
生き残っていけないということなんでしょうね。
獣王星
またキマイラの中でトールが出会う
様々なキャラクターも見どころです。
茶輪のサードをはじめヒロインであるティズ
当初トールたちを救うも後に敵対することになるザギなど
それぞれにドラマがあって面白いです。
特にサードに関してはトールと深い関わりがある人物なので
注目して読んでみてもらいたいと思います。
ただのサバイバルではない深く練られた設定と世界観
そしてストーリーは一読の価値ある作品です。
獣王にまで上り詰めようとする主人公・トールの
生い立ちも含め結末がどのようになるのか必見。
気になった方はぜひ読んでみて頂きたいと思います!
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