沖田×華(おきたばっか)先生の作品の蜃気楼家族。
信じられない事ですがこれはすべて事実です。
北陸のある町でアクの強い人々が巻き起こすとんでもない物語。
横暴な父、父から逃げたい母、問題満載の弟、男運の無いばっかちゃん。
家族って何でしょう?
蜃気楼のように儚く消えてしまうもの?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
サイト内より【蜃気楼家族】と検索。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
蜃気楼家族のあらすじは?
北陸の片田舎の駅前にある中華料理店
そこが主人公ばっかちゃんの家です。
仕事は真面目だけど横暴なところのある父親。
派手に見えておとなしい母親は可愛いもの好きな乙女。
潔癖症でイケメンだった弟は盗癖と虚言癖が発覚し
どんどん道を踏み外していってしまいます。
自営業の為に近所の主婦と遊べない母は
積立貯金の集金に訪れる女性と世間話をする事が
唯一の楽しみだったのですが実は実際は貯金されておらず
長期に渡って現金を横領されていた事が判ります。
それが原因で母は父にいびられ続け
次第に夫婦の間に溝ができていきます。
一度は別居するのですが結局はまた戻り
元の生活が戻ったかに見えましたがそれからも母は
しょっちゅう家出するようになっていました。
家出と言ってもごく近所の友達の家程度でしたが・・・。
ある日、いつものように家出の準備をしていると
母の財布からお金が抜かれ車のキーも隠されていて
遠くに出られないように父の母への束縛が始まりました。
その後、父の事業が失敗しそのツケは母に回って
母は寝る間もなく働く羽目になり
ついには体調を崩し入院に追い込まれたり。
やがて子供達も成長しばっかちゃんは
県外の病院へ就職が決まります。
マンションを借りて自立する事になり
そこに母を連れ出そうという事になるのですが
そこからがまた大変。
蜃気楼家族
疑り深い父をどうかわすか知恵を絞り挑み
なんとかマンションに辿りつきます。
しばらくは母もうつで寝込んでいたのですが
次第に落ち着きを取り戻して仕事に出るようになります。
離婚に応じない父の為に離婚調停も起こすのですが
父は毎回欠席するので断念。
父はついにばっかちゃんの勤める病院を突き止め
その後仕事帰りの母を見つけて道路で暴行しさらには
マンションにまで押しかけてマンションをメチャメチャに・・・。
再び母親に酷い暴行を加えるのですが夫婦であった為に
夫婦喧嘩とみなされていずれも厳重注意のみで終わってしまいます。
当時はストーカー規制法もできたばかりであまり機能しておらず
DVについても今ほど法の整備がされていなかった時代でした。
最後には手切れ金としてばっかちゃんの全財産を要求してくる父。
子供の頃からコツコツ貯めてきた通帳を
渡すばっかちゃんの中で何かが壊れました。
「家族なんてどうでもいい。」
ばっかちゃんは男性にも恵まれず付き合う男は全て問題アリ。
一生懸命に生きているのに何故か
理不尽な目にばかり合うばっかちゃんなのでした。
弟は多額の借金を作って家族の前から姿を消し
仕事が決まらなくて困っていた時に助けてくれた社長は
実はホモでセクハラを受け続ける羽目になります。
2度逃亡を図りホームレスになって食うや食わずの状態に
なったりしながらも3度目になんとか成功し自由を手に入れるのですが
社長の影に常に怯える生活を余儀なくされます。
母、父、弟、ばっかちゃんとそれぞれの人生を
軸にしながら物語は展開していきます。
サイト内より【蜃気楼家族】と検索。
蜃気楼家族のネタバレとその後の展開は?
2巻の終わりに納められた創作作品「ヒロ君の長い夜」。
ばっかちゃんの実家のお店で実際にアルバイトとして働いていた
ヒロ君をモデルに書かれた創作作品です。
ヒロ君が小学生の時、お父さんは交通事故で亡くなってしまいます。
親戚は「何かあったら頼ってきなさい。」と言ってくれますが
ヒロくんはお父さんの代わりに僕が頑張るんだと決心します。
そして家事やアルバイトに励んでいると
「ヒロくんはしっかりしてるね。偉いね」
と褒めてくれるのでした。
それが嬉しくてヒロ君はますます頑張ります
頑張ればお母さんも喜んでくれると思って。
いつの頃からかお母さんはお酒を飲み始め
お酒が無いと怒るようになりました。
お母さんは居酒屋で暴れて出禁になってしまい
その時に初めてアル中は病気である事を知るのでした。
入院させて治療を受けるにはお金が要るので
ヒロ君は初めて親戚に入院費の援助を頼みますが
どこに行ってもやんわり断られてしまいます。
結局「しっかりしてるね」という褒め言葉の裏側には
しっかりしてるんだから問題を持ちこまないでね
という事だったのだと思うのでした。
蜃気楼家族
家に帰るとお母さんが寝ていて目を覚ますとまた暴れる
いつ終わるともしれない今の生活にヒロ君は疲れ切っていました。
「お母さん、おやすみ」
お母さんの顔に酒瓶を振り降ろすとお母さんは動かなくなりました。
全てが終わったときヒロ君はどこか冷静で何も感じないのは疲れているせい
ちょっと休んで明日になったら考えようと目を閉じ夢を見ました。
そこは子供の頃に両親と行った遊園地。
ヒロ君はまだ小さくてお父さんもお母さんも若くて
仲良しで優しかった日々でした。
お母さんが生きていたことが嬉しくて
お母さんに抱きつく小さなヒロ君。
「お酒飲んで良いからずっと一緒にいてね。」
お母さんはいつもここにいるじゃないさみしんぼさんと微笑みます。
幸せな夢の中でヒロ君はそっと涙を流すのでした。
窓の外は雪が降り始めていました。
サイト内より【蜃気楼家族】と検索。
蜃気楼家族の感想は?
アクの強い両親と周辺の人々でこんな人間しかいないのか?と
疑いたくなるような環境の中で物語は展開していきます。
驚く事にこれは全て実話でしかも実名を使っているそうです。
そのため単行本が出版された当初、両親から絶縁宣言されたそう。
そりゃそうでしょうね。
「蜃気楼家族」というタイトルを見て魚津の話だから
名物の蜃気楼を持って来たのかと思いましたが
物語が進むにつれて家族が次第に崩壊していき蜃気楼の如く
儚く消えてしまうという意味合いもあるのかな?と感じました。
蜃気楼家族
内容としては下ネタ、犯罪ギリギリ更にははっきり犯罪と
思えるものもありろくでもない人間の多いこと。
地元民にしてみたら魚津を誤解されそうで嫌でしょうけどでも面白い。
確かにとんでもない性格だったりぶっとんだ行動をとったりする
彼らではありますが人間ってこうまで落ちて行くものか。
執念で母を追いかける父のストーカーぶりや
弟の人生転落ぶりなどは本当にぞっとします。
息つく暇もなく次々に彼らに降りかかる災難やら運命に
ページをめくる手が止まりません。
今後の一家の運命は如何に――。
サイト内より【蜃気楼家族】と検索。