岸辺の唄のネタバレと感想に結末!試し読みやあらすじもあり


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今市子先生の作品の岸辺の唄。

 

人間と鬼人が暮らす世界・・・
その世界では水は非常に貴重なものでした。

 

様々な運命に翻弄されながらも生きる人々・・・
人間が鬼人を恐れる一方、共存しあう町もありました。

 

人間と鬼人、それぞれの思惑が交錯し
幾重にも重なる物語を紡ぎあげていく――。

 

水をめぐる人々を描いた珠玉のオリエンタル・ファンタジー。

 

 

ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。

 

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岸辺の唄のあらすじは?

 

人間と鬼人が暮らす世界の物語。

 

とある山あいの村では半年間も干ばつが続きあと二月続けば
人も獣もすべて死に絶えるというお告げがありました。

 

それを回避するためには水乞いの儀式を行わなければならず
領主の末娘を河伯のもとへ遣わせなければならないのです。

 

孤児のスリジャは領主の養女にされ結婚する領主の末娘の
身代わりとして水乞いの儀式に挑むことに・・・。

 

儀式にはいくつか決まりごとがあり
一つは儀式用の沓を眠る時以外に脱いではいけない。

 

二つ目は河伯の住む翠湖まで馬にも船にも乗らず
必ず沓を履いた足で一歩一歩大地を踏んでいかねばなりません。

 

スリジャと共に行くのは儀式を執り行う
年老いた方士と伴の男が数人。

 

そして道案内役として滅んだ四泉の人間であるエン。

 

しかし方士も水乞いの儀式について書物での知識しか知りませんでした。

 

岸辺の唄
岸辺の唄

 

それでも村の期待を一身に背負って12歳のスリジャは山を三つ
砂漠を二つ越えた先の河伯のいる翠湖まで
戻ることができない旅に出ることになったのでした。

 

旅の途中、砂漠を越えた先の村に立ち寄ったときのこと。

 

村人が言うには自分たちの町の井戸は
今まで一度も涸れたことがない。

 

そして水乞いの儀式も昔の人間の迷信であり
危険なことはやめて町に留まってはどうかと・・・。

 

方士はすでに歩く事は限界でありスリジャにも
一緒に町に留まらないかと訊きますが
そのとき外で子供の泣き声がします。

 

方士が外に出ると井戸の近くに縄で縛られた子供の姿が――。

 

そして井戸に水を入れていたのは鬼人。

 

その鬼神に方士は殺されてしまいますが息絶える前
スリジャにエンには気をつけろと言い残すのです。

 

そう、この町の人間は鬼人にいけにえを差し出して
水を貰っていたのでした――・・・。

 

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岸辺の唄のネタバレとその後の展開は?

 

方士が亡くなり儀式が行えなくなってしまい
伴の男たちは町に残る決心をします。

 

しかしスリジャは水乞いの役目があるので
自分は翠湖へ行くと言いエンも一緒に行くと・・・。

 

それを聞いた男の一人がエンは信用がならず
儀式のために生贄をささげるならここで殺せばいいと
スリジャを殺そうとするのでした。

 

それを止めようとして男を返り討ちにしたエン。

 

目の前で人が殺されたことに動揺したスリジャは
その場から逃げ出してしまうのでした。

 

草原の中へ逃げ込んだスリジャが見つけたのは
鬼人にいけにえにされそうになっていた小さな男の子。

 

彼女は男の子にスオンと名付け
一緒に翠湖に連れていくとエンに宣言。

 

エンとスリジャはスオンを巡って対立しますが
それでもスオンを伴い二人は再び旅路についたのでした。

 

岸辺の唄
岸辺の唄

 

途中の関所で通行証がないためスオンが足止めされかけますが
それを助けたのは関所の町に住む鬼人の老人。

 

その姿は今まで見てきた恐ろしい鬼人の姿とは違っていて
鬼人の老夫婦に見送られ三人は再び翠湖へ出発。

 

実はエンは水乞いの儀式を見たことがあったのです。

 

儀式を行ったのは彼の姉。

 

大事な人を助けて欲しいという強い願いがあれば
河伯はその思いを受け取ると彼は言います。

 

エンの故郷、四泉の近くでスリジャたちとエンは別れることに。

 

エンは滅んだ故郷の場所で彼の姉・リーアの最期を
老人から聞くことになりますが彼の視線の先にはリーアの姿が・・・。

 

リーアは約束どおりにエンが帰ってきてくれたことに満足し
彼に別れを告げました。

 

一方、エンと別れたスリジャとスオンは翠湖へ到着していましたが
そのとき現れたのは領主の命でやってきた男たち・・・。

 

男たちはスリジャを殺し生贄として河伯に捧げようとしますが
戻ってきたエンに阻まれてしまうのでした。

 

エンを助けたいと強く願うスリジャに答えたのはスオンで
なんとスオンは河伯だったのです。

 

スリジャの願いが聞き届けられ彼女の故郷へ水が流れ始め
その流れはスリジャが残した足跡に沿っていました。

 

儀式を果たしたスリジャとエンは村に戻ることはなく
二人は河伯へ身を捧げたとも遠い岸辺のどこかで
幸せに暮らしているとも伝えられるのでした・・・。

 

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岸辺の唄の感想は?

 

今市子先生の代表作『百鬼夜行抄』とも幾分違ったテイストの作品。

 

しかし根底にあるテイストは同じなので
百鬼夜行抄ファンの方は楽しめるのではないでしょうか。

 

河伯というキャラから分かるとおり舞台のイメージは中国です。

 

河伯は中国神話に出てくる黄河の神様で
ちなみに河童の語源とも言われています。

 

岸辺の唄
岸辺の唄

 

連作集なので実は何年もかけて描かれている作品で
個人的にはシリーズをまとめ読みすることをお勧めします。

 

もちろんシリーズのどこから読んでも大丈夫です。

 

この作品の良い点はきれいごとだけではなく
厳しさも描かれている点。

 

夢と魔法ときらきらした世界を求める方は苦手かもしれませんが
生きる力強さと凛とした美しさを味わいたい方はぜひ読んでみてください。

 

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