安武わたる先生の作品の娘を売る街~昭和の赤線・吉原~。
結納を済ませ半年後には祝言をあげることが決まっていた加恵。
しかし不始末の儀によって父親が切腹して亡くなり
家禄没収、家屋敷は召し上げられ断絶・・・。
加恵は吉原に売られてしまうのですが
父親の死はハメられたものだということがわかり――・・・。
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娘を売る街 昭和の赤線・吉原のあらすじは?
女郎にすることはコレ以外ないと無理やりさせられ
なぜ私が吉原の女郎にと思いながら父親に助けを呼ぶ女性――・・・。
彼女は片倉加恵という旗本二千石 普請奉行
片倉清エ門の娘。
結納が済み半年後には五百石の佐々木家の次男坊と
祝言をあげることが決まっておりました。
佐々木家の次男坊を愛おしく思ったりはしていませんでしたが
式をあげたらそう思えるのかと思ったりもしていたのです。
そんな加恵の父である清エ門は勤めでいろいろあり
ふさいでいたのですがこの日は元気そうで
加恵も安心していました。
しかしこの日の清エ門の言葉が加恵には
まるで遺言のように思ってしまったのです。
「幸せにのう加恵」
後日、清エ門は不始末の儀によって切腹を申し付けられ
亡くなってしまったのです。
清エ門は賄賂ばかりかお上の金子まで着服し
同じ普請奉行の松坂の訴えで明るみに出たと・・・。
家禄没収、家屋敷は召し上げられ断絶
とばっちりを恐れいいなづけの佐々木家も
親類縁者も必死で我関セズ・・・。
父親が亡くなったことなどから加恵は放心状態で
そんな加恵に札差はうちのお店に借金があったと
松坂の言う通りにしろと言い出し
口を押さえられ無理やり犯されたのです。
悪い夢がずっと続いていると思う加恵・・・。
娘を売る街~昭和の赤線・吉原~
札差はいっそこのまま松坂のお妾にと言いますが
見せしめは必要だと
加恵を裏通りの小見世に売ったのでした。
この悪夢はいつ覚めるのかと亡き父に助けを求めながら
客を取らされる加恵・・・。
加恵は美女で名高く上玉なため小見世の者も
上玉なのに妙だと言う始末。
ワケありの身だからなるべく悪いところで
使ってくれと言われたようです。
しかも加恵は「こそで」という名で売られたようで・・・。
小見世の食事は加恵には耐えられないものでした。
そこの女郎たちは白いご飯が食べられるだけで
ありがたいと言いますがすえているため
加恵は吐き出してしまいます。
また加恵は若くて美しいため一見の客はつきますが
呆けているため2度目が続かないのです。
それでも味見をしてみたいという客もいて
それが他の女郎の客だったために
客を取ったと殴られたりも・・・。
悪夢が覚めず今までの生活に戻りたい加恵は
死ねばきっとあっちに戻れると首を吊ろうと――・・・。
しかしそこに通りかかった者の話を聞いてしまったのです。
清エ門はハメられたということを・・・。
本当の悪事は松坂でそれを暴こうとした清エ門が
返り討ちにあったのでした。
そう、加恵を無理やり犯した男――・・・。
周りも薄々気付いているようですが松坂の権勢に怯え
見ざる言わざると決め込んでいるようで・・・。
死のうと思った間際に真実を知ってしまった加恵。
果たして加恵はどうするのでしょうか・・・。
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娘を売る街 昭和の赤線・吉原のネタバレとその後の展開は?
父の死の真相を知ってしまった加恵。
それと同時に悪夢ではなくここが真実だと知り
加恵は目が覚めて思い知ったのです。
あれこそがもう夢なのだと・・・。
そして加恵は楼主さまにお願いがあると
自分を一番えらい花魁にしてほしいと言い出したのです。
ここで死なない・・・死んでたまるか
父の私の恨みを晴らすまで――。
どうすれば敵を討てるかわからない加恵ですが
まずここで生き延びなければ・・・
生き延びて力を付けなければと懸命に客を取ります。
そして川岸の小見世にいた下っ端女郎が反籬(中見世)の
部屋持ちに出世したと噂になったのでした。
また女郎たちの信心を集める九郎助稲荷へのお参りは
毎日欠かしたことがありません。
そして思うのです。
いつになったら仇が討てるのだろうかと・・・。
娘を売る街~昭和の赤線・吉原~
そんなとき一匹の野良犬が加恵に襲い掛かってきました。
寸でのところで1人の若者が代わりに噛まれ
加恵を助けたのでした。
加恵は若者を自分の部屋に連れて行き
犬に噛まれた着物をくつろぎ
そしてお礼にと若者を誘ったのでした。
若者は友人に吉原に連れてこられたものの
白粉の匂いが苦手な上に女が嫌いだったのですが
加恵は別だと思うのです。
そしてまた来ると約束し別れる2人でしたが
その若者があの松坂の息子だと知るのでした。
若者の名は松坂勇之進。
勇之進が松坂の息子と知り動揺する加恵でしたが
松坂の息子を落とすことに決めたのです。
そして勇之進は加恵を身請けすると言い出しました。
楼主は身請け直前に鞍替えさせて
値をつり上げようとしますが
加恵は独り身のうちに妾を置いてはと言いますが
勇之進はこう言うのでした。
「妾ではないわしの妻にだ」
勇之進は妾としてではなく妻として
加恵を迎え入れようとしたのです。
しかし三千石の旗本のご嫡男が吉原の女郎を妻になど
親が許すわけがありません。
しかもその女郎は自分が陥れた男の娘で
無理やり犯し吉原に売った女・・・。
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娘を売る街 昭和の赤線・吉原の気になる結末は?
勇之進が妾ではなく妻として身請けしたいと
そう言ってくれたことが嬉しかったのか
加恵は初めて客を取らされた時より
辛くなるのでした。
そして加恵に1人のお武家様がお客としてやってきました。
頭巾をかぶって顔を隠していましたが
頭巾をかぶったままではお酒も飲めないと
取るように勧めるとこう言われるのです。
「女は怖いのうここまで化けるとは」
頭巾を取ったお武家様はなんと松坂だったのです。
松坂は自慢の息子が女郎にたぶらかされ
調べてみると加恵だと知りとんだい意趣返しだと
やってきたのでした。
いつか必ず現れると思っていた松坂が目の前に現れ
加恵はしまってあった刀を取り出し
父の仇打ちをしようとしますが押さえられてしまい
首を絞められ殺されそうに・・・。
客の遊びが過ぎて女郎が死ぬことは珍しくないと
兼ねさえ払えば女郎の命など買えると殺そうとしたそのとき――。
後ろから勇之進が現れ松坂の首に刀を――・・・。
娘を売る街~昭和の赤線・吉原~
勇之進は父親が加恵のところに向かったと聞いて追いかけ
加恵を殺そうとしている父親を止めようとしただけでしたが
殺してしまったのでした。
騒ぎに駆けつけた見世の者に見つかり勇之進は逃げますが
九郎助の前で切腹して果てたのです。
女郎を取り合って父子が斬り合ったと噂は吉原中を巡り
もみ消しも叶わず不行跡のカドで松坂家はお取りつぶし・・・。
そんな取り合いになったと噂になった加恵はというと
たいそうな評判になったため大見世が三顧の礼で迎えられ
またみごと父の仇討ちを果たしたのでした。
そして加恵は花魁道中を歩きながら思うのです。
勇之進は何も知らずに逝ってしまい
それが良かったのか悪かったのか・・・。
しかし女郎は客を騙すのが務め。
ましてここは吉原で騙し騙され真実のない
妓にも客にも地獄と・・・。
そして自分はみごと女郎になったと涙するのでした・・・。
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娘を売る街 昭和の赤線・吉原の感想は?
ストーリーな女たちの作品である本作。
時代もので借金で吉原に売られるのはよく聞く話。
ただ加恵の場合は父親がハメられ自分は吉原に売られ
しかもワケありの身だから
なるべく悪いところで使ってと小見世に・・・。
最初は現実を受け入れられない感じで
客を取らされている毎日でしたが
父親の死の真実を知り目が覚めました。
それからの加恵は生き延びるために懸命に客を取り
そして中見世で部屋持ちになるまで出世。
娘を売る街~昭和の赤線・吉原~
いつかは仇を討つと頑張っていて
そこに現れた仇の息子である勇之進。
父親とは違いとても好青年といった感じで
妾としてではなく妻として加恵を
身請けしたいとまで言い出しました。
女郎は騙すのが務めと加恵は言っていましたが
それでも本心は勇之進のことを
思っていたのではと思ってしまいます。
加恵の願いは仇討ちなので勇之進とのハッピーエンドは
絶対になかったと思いますがそれでも
勇之進と幸せになって欲しかったと思ってしまいます。
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