小西明日翔先生の作品の春の呪い。
大切な妹が死んで残されたのは姉と妹の婚約者だった男。
その男と姉は付き合うことになり
妹の心を奪った男と彼女は何を思うのか?
妹が遺した言葉を呪いのように感じながらも
その声を忘れたくないと思う姉。
死んだ妹を軸に姉と妹婚約者の男が紡ぐ物語・・・。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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春の呪いのあらすじは?
19歳で妹の春は死に夏美にとっては大事な妹でした。
その妹が付き合っていた男性・冬吾と夏美は付き合うことになり
その人は春が本当に好きだった男性・・・。
全ては夏美たち姉妹が高校生だった時から始まります。
立花家に訪れた一人の女性。
その女性の目的は自分の息子と立花家の姉妹との見合いで
つまり、姉妹のどちらかを・・・。
立花家は元は財をなした名家ただったのですが
現在は見る影もなく一般の中流家庭そのもの。
対する柊家は有名な相馬グループを支える
分家の一つであり本物のお金持ち。
その柊家が没落した立花家と縁組する目的は血筋のためで
はっきり言えば出来の良い妹の春が目的だったのです。
春の呪い
その見合いで春と冬吾は婚約者として
付き合い始めることになりました。
夏美たちは春と冬吾が一緒に行った場所へ出かけ
目的地は千代田区・旧相馬庭園。
相馬家は冬吾の家・柊家の本家であり
現在は庭園を一般公開しているのです。
そこに冬吾は春が18歳のときに訪れていました。
春が楽しそうにしていたと語る冬吾ですが
それを聞いた夏美は凍りつく・・・。
それは妹がどれだけ冬吾を好いていたかを知っていたから。
そして彼は春から家族旅行で北海道へ行ったとき
ここと似た場所を訪れて楽しかったと聞かされたと・・・。
その旅行について夏美が覚えていたのは
ラベンダーのソフトクリームと
両親が離婚する前に最後に行った旅行だったこと。
コケモモのソフトクリームは春が買ってもらったけど
食べきれなくて自分が代わりに食べたこと。
そんな思い出を冬吾に話します。
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春の呪いのネタバレとその後の展開は?
春の葬儀の後、冬吾は妹が死んだのなら
その姉と付き合ってみてはどうかという話になったと
淡々と夏美に告げました。
それを告げられたとき血も涙もない鬼畜生だと思いつつも
夏美は春と二人で行った場所に自分を連れていくこと
という条件を付けて交際を承諾します。
夏美にとって家族と言えるのは妹の春だけ。
自分たちの実の母親は夏美が小学5年生のときに
家を出て行ってしまいその母親に似ていた夏美は
父親にあまり好かれていないことに気づいていました。
彼女は父親に好かれようと努力していましたが
新しい母親が出来たことで心が折れてしまうのです。
夏美はいつか姉妹二人で暮らそうという春との約束を支えに
生きてきたのですがその約束は叶わなかったのです。
それは冬吾が現れ春を奪っていってしまったから・・・。
夏美は冬吾を殺してやりたいとさえ思うのですが
しかし死んだのは春でした。
彼女が最期の瞬間に呼んだのは姉の名前ではなく冬吾の名前で
それは夏美以外の人間は誰も知らないのです。
春の呪い
冬吾と付き合い始めたその日から夏美は
春への罪悪感で眠れなくなっていました。
3秒に1回は死んでしまおうかと思うほどに弱っていて
妹への罪悪感と会いたさで降りている遮断機内へ入ろうとする夏美。
それを止めたのは彼女の様子がおかしいことに気づいて
追ってきた冬吾だったのです。
夏美は彼に罪悪感とかないのかと問いかけます。
できれば何か思っていてほしかった夏美でしたが
冬吾の返答はというと・・・。
「・・・春には・・・申し訳ないと思っている」
夏美は妹が冬吾に向けていたような視線を冬吾が自分に対して
向けていることに薄々気がつき始めていました。
しかしその彼女の脳裡には妹の最期の言葉が
焼き付いて離れなかったのです。
それは、まさに呪いのようでもあり――・・・。
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春の呪いの感想は?
タイトルに呪いという文字が入っていますが
ホラー系でも恨み節いっぱいのドロドロ系でもありません。
かといって純粋な恋愛ものともいえない複雑な作品で
物語の始まりからしてヘビーな展開。
そして死んだ妹の婚約者と付き合うことになった姉の罪悪感。
その婚約者は感情があまり見えず
何を考えているのかよく分からない。
春の呪い
死んだはずの妹を軸に展開される
不思議な三角関係がメインと言えます。
さらにここにそれぞれの家族との関係も加わってきます。
表のメインテーマが三角関係ならば裏のテーマは
支配からの脱却と言えるかもしれません。
全2巻と短いですが読後はいろいろと
考えさせられる作品であることは間違いなしです。
作者はこの作品が初連載ということですが
これからの動向をチェックしたい
実力派であることは間違いないでしょう。
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