柏木ハルコ先生の作品の鬼虫。
文明が支配する以前の世界。
土着宗教を信仰し原始的な生活が根付いている世界
そこに住む住人は素朴であり女は強い。
ありふれた夫婦として生活をしていたトラゴとククリ
そしてそんな土地に流れ着いた文明と女を象徴するマナメ。
その存在が素朴なトラゴたち島民の生活を狂わせていく!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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鬼虫のあらすじは?
断崖絶壁の孤島で暮らす素朴な人々。
その島にいつから人が住み着いたのは分からないのですが
いずれのころからかその島は「鬼島」と呼ばれていました。
時は平安の中期ごろ――・・・。
しかし文明と遮断されていたその島は
女性でも上裸で過ごし土着宗教を信仰します。
その島で生まれ育った女の子のトラゴと男の子のククリ。
2人は幼いころから一緒に遊ぶ中であり
そんな仲間の一人にタナという年上の女の子がいいました。
あるとき3人が海で遊んでいると
村人の船が海に浮かんでいるのを見つけます。
見つかったら怒られることが分かっていながらも
船で遊び始めたトラゴとタナ。
海に流されないように岩に縄を括り付けておいたのですが
ククリが不注意でその縄をほどいてしまいます。
そして船と一緒に消えてしまったタナ。
その思い出は2人の心に深い影を
落とし続けるものとなっていたのでした。
鬼虫
時は流れトラゴとククリは夫婦となります。
あるとき海岸に人が流れ着いているところを
島の子どもたちが発見し
偶然トラゴがその場所を通りがかるのです。
そこに倒れていた女性は昔、海流された
タナ姉にそっくりでしたが
しかしトラゴよりは若い女性でした。
タナ姉が帰ってきたような気持ちで心が満たされたトラゴは
その女性をククリと住む家に連れて帰るのです。
しかし意識を取り戻したその女性はトラゴの家に火をつけて
島から脱出しようとしていました。
荒れ狂う海に飛び込もうとするところを助けたトラゴ。
ようやく心を開いたその女性の名前をマナメ。
しかし鬼島では以前漂流者が感染症を落ち込んだ経緯があり
巫女として君臨しているクウロウ伯母からは
マナメを捨ててくるようにと言われていました。
伯母の言葉は絶対でしたが姉の面影が残る
マナメを捨ててくることはできません・・・。
周りに内緒で彼女をかくまうことを決めたトラゴだったのですが
その選択が島の運命を左右する大きな決断となるのでした。
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鬼虫のネタバレとその後の展開は?
島の厄災となると予言されたマナメは文明と女をもたらす存在。
マナメが現れたときと時期を同じくして島では
突然それまでの規模とは比較できないくらいの
地震に見舞われたり不作に襲われたり
火山噴火の予兆が現れるなどの厄災が続きます。
その原因がもしかしたら自分がかくまっている
マナメの出現なのではないかと葛藤するトラゴ。
あるときマナメはクウロウ伯母の息子
モモエにその存在が見つかってしまう。
マナメのことを不吉な存在として
警戒していたモモエだったのですが
都の女性が持つ艶美な魅力に取りつかれいつしか
マナメの言いなりとなってしまったモモエ。
そして島の男衆は次々とマナメの
その色香にほだされていき
島の反対側に治外法権を謳った村を
独自で作り住むようになるのです。
夫をとられてしまった女たちが
その状況に黙っていられるはずがありません。
しかし一機団結したその村では
思いもよらない光景が広がっていました。
鬼虫
それは食料も十分に備給されずマナメという
一人の女を争うという無理のある形での
共同体に対する不満を抱えた男たちの殺し合いでした。
ククリも同じように連れていかれてしまったトラゴは
そこでようやくマナメを自分の手で殺す決意を固めます。
そしてようやくトラゴは自分の手で
自分が招いた災いを終わらせることができたのです。
その頃の鬼島は厄災が続いており生き残るためには
島を捨てる選択肢が必要とされていました。
しかし船の都合ですべての人が逃げるわけにはいきません。
島に残ることを決めたトラゴだったのですが
クウロウ伯母が身代わりとなりトラゴを逃がします。
月日は流れて5年後――・・・。
島に戻ったトラゴたちが見た光景は
想像もつかないものとなっていました。
果たしてその島でトラゴが見たものは?
そしてマナメは本当に島の厄災だったのか?
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鬼虫の感想は?
文明と色気を武器にした女と素朴な生活の中で
守られたい女の島を巻き込んだ戦い。
狡猾なマナメと素朴なトラゴ。
力はトラゴの方が強くても
戦略ではとてもマナメにかなわないトラゴ。
原始的な社会を描いたとはいえその攻防の様子はすさまじく
周りの島民を巻き込んでいく様は
鳥肌が立つような感覚を覚えました。
鬼虫
生活を豊かにするけれど心まではそうはいかない文明は
扱い次第でどのような結果にもつながりかねないことを
はっきりと見せつけられたような作品です。
もしかしたらマナメが来なくても天変地異のために
結果として島を捨てなくてはならなかったかもしれません。
しかしマナメの登場が天変地異に対する印象を
より怖いものに変えていく様があり
まるで私たちの現代の生活の一部を
表しているかのようなお話でした。
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