北原雅紀先生・原作、森田崇先生・漫画の作品の
ジキルとハイドと裁判員。
新米の裁判官・辺見直留は一つの案件に入れ込みがちで
処理が遅いことで知られていました。
それが彼のいいところでもあり欠点でもあるものの
裁判官として希望に燃えている直留。
しかしある日を境に彼は奇妙な力を手に入れてしまいます。
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ジキルとハイドと裁判員のあらすじは?
新米の裁判官・辺見直留。
気が利き雑用でも率先して動く優しさを持った青年でしたが
一つの案件に入れ込みがちで処理が遅いことでも知られていました。
先輩である薬師寺のカバーもありながら
彼のように毎日立派な裁判官になるべく頑張っている直留。
しかし世の中ではある一つの制度が
施行されようとしていました。
それは裁判員制度の導入。
初めての試みは裁判員たちはもちろん
直留をはじめとした裁判官たちも戸惑い
探り探りの中行っていました。
幸いにも直留が初めて担うことになった事件は
犯人は無実を主張しているものの凶器から指紋も出ているうえ
目撃証言もあるという単純なものでした。
しかし直留はある一点に関してだけ違和感を抱いていました。
ジキルとハイドと裁判員
それは無実を主張している割には
どうにも犯人の供述が淡々としていること。
あきらめにも似たまるで有罪になっても
仕方がないというような雰囲気の被告が気になる直留。
そんな彼の耳に突然こんな声が聞こえてきます。
「お前トントンが憑いていないね?」
直後謎の激痛に苛まれ意識を失った直留。
目を覚ますと彼の左鎖骨のあたりには
言語を喋る謎の化け物のようなもの・・・
ハイドが寄生していました。
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ジキルとハイドと裁判員のネタバレとその後の展開は?
直留にはトントンが憑いていないから
自分が寄生したのだというハイド。
翌日、法廷で直留がハイドによって見せられたそれ・・・
トントンは人間の一生の行動の記録係であり
人間にはみんな生まれながらに憑いているものだと言います。
しかしそれが憑いていないという直留。
ハイドはたまに存在するそういった人間に取りつき
それまでの人生の記録を聴取してから
トントンに引き継ぐ役割を持っているのだと言います。
トントンの好物であるグゥという飴玉と引き換えに
他人のトントンから記録を
引き出すことができるようになった直留。
そこで彼は現在担当している事件の被告が
実は無罪だということを知ってしまいます。
彼は自身の婚約者が犯人なのではないかと勘づき
自らがかわりに罪をかぶろうとしていたのです。
ジキルとハイドと裁判員
トントンは嘘をつけない。
つまり間違いなく被告は無罪・・・
しかしその証言を覆すことは
あまりにも直留にとっては分が悪いものでした。
既に被告は有罪という方向で話はまとまっていたからです。
このままでは自分たちの手で冤罪を生んでしまう
しかしそんなことはさせないと
直留の孤独な戦いが始まることになります。
結果的にハイドの力と被告の審理を揺さぶることで
その裁判はなんとか無罪にすることができた直留。
しかし彼の裁判官としてはあるまじきやり方に
周囲は不信感を抱き始めます。
トントンから情報が引き出せる以上
自分は間違った判断はしていないと確信している直留。
しかしそれを周囲に証明することはあまりにも難しいことでした。
彼の本当の闘いはまだ始まったばかりに過ぎないのです。
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ジキルとハイドと裁判員の感想は?
裁判員制度を題材にした作品ということで
珍しさもあり手に取ってみた本作。
不思議な能力ありきで話が進んでいくので
ちょっと予想していた作風とは異なりましたが
それが気にならないくらい
内容が濃密で非常に楽しく読むことができました。
内容としては突然現れた人ならざる者の力を借り
自身の正義を貫いていくという物語なので
ちょっとデスノートに近いでしょうか?
ファンタジー的な要素が強い作品ですが
同時に裁判員制度という現代の私たちにも訪れるかもしれない
リアルな一面についてもしっかりと触れています。
ジキルとハイドと裁判員
直留は真実がわかるのでどうにか裁判を
正しい方面に導こうとしますが
もし彼の力がなかったら?
もし真実が全く異なるものだったら?
裁判員制度の恐ろしさや問題点といったことも
深く切り込んで描いています。
全5巻と比較的短めにまとまっていますが
もう少し続きを読んでみたかったかもしれません。
正義のためにひた走る直留。
しかし徐々に正義のために
手段を選ばないようになってきて・・・。
そんな彼が最後にどういった結末を迎えるのか
是非実際に読んで確かめてみてください。
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