アキヤマ香先生の作品の長閑の庭。
性格も見た目も全体的に暗いことから「シュバルツさん」と呼ばれ
大学内でやや浮いた存在である大学院生の元子。
そんな彼女が想いを寄せるのはなんとドイツ文学教授の榊で・・・。
年の差41歳、これは恋なのか、嗜好なのか・・・。
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長閑の庭のあらすじは?
性格も見た目も全体的に暗いことからドイツ語で黒を意味する
「シュバルツさん」と呼ばれている大学院生の元子。
辺りともうまく溶け込めないことから
大学内でもやや浮いた存在である彼女。
本当はかわいいものが好きな普通の女の子ですが
長年しっかりしているとか大人っぽいと言われ続けてきたため
すっかりそれが沁みついてしまっているのです。
そんな彼女ですが現在淡く思いを寄せている相手がいます。
それはドイツ文学教授の榊・・・
ただし彼は今年で64歳になる初老の人物で
元子との年の差は41才もありました。
自分でもこんな思いを抱くのはおかしいのかと悩みますが
大学の外で彼と会う機会があったり
そこで少し普段とは違う榊の姿をみたことで
ますます惹かれていくようになります。
長閑の庭
しかしひょんなことから元子は告げるつもりはなかった
自身の秘めた思いを榊にぶつけてしまいます。
そんな元子の告白ともとれる突然の言葉に対し榊は
ただ優しく君のそれは恋ではないと諭すように告げます。
やはり自分の想いはおかしいものだったのか・・・
逃げるように家へと帰った元子でしたが
結局榊のことを諦めることはできません。
元子のまっすぐな想いを受け榊はもう彼女の想いを
否定することはしませんでした。
ただ一言、好きにしたまえと告げただけでしたが
元子にとってはそれだけで十分でした。
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長閑の庭のネタバレとその後の展開は?
君のそれは恋ではないと言われ元子自身それを
真っ向から否定することはできませんでした。
しかしそう断言されてしまうのも違う気がして
結局彼女の中で答えは出ないままです。
研究生の田中も榊のことは人間として好きだと言っており
さらに祖父のことを彷彿とさせる彼の言動から
自分もそうなのかと元子は考えます。
さらに彼女は田中から地味で堅物にしているのは祖父に
悪い魔法にかけられているだけなのではないかと
榊と祖父を重ねてみているのではないかと指摘します。
認めてくれた優しい人、傍にいたいだけ・・・
榊の言ったそれは恋ではないという言葉と
自分の想いに元子はぐるぐるとループに陥ります。
その後色々な葛藤がありながらも元子はなんだかんだ前向きに
自分自身や抱く想いに向き合っていこうとします。
長閑の庭
黒一色の身形から女の子らしい洋服を買ってみたり
そのために自ら友達と出かけてみたり・・・
その中で少しずつ自分のことを認めてくれる榊や
友人の樹里の言葉に元子は嬉しい気持ちでいっぱいに。
しかしそういった喜びもあれば
彼女の心をかき乱すような問題も起こります。
何と榊の元妻が突如大学へ戻ってくるのです。
太陽のように明るく美しい女性である元妻の朝霧
その存在に元子の心は黒い淀みを見せます。
それは彼女に善い魔法がかかると同時に
心に必然的に生まれることになる嫉妬という感情でした。
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長閑の庭の感想は?
23歳と64歳という物凄い年の差の恋愛を描いた作品。
ただ不純な想いや下心、ミーハー的な心ではなく
きちんと相手に対してまっすぐに向き合おうとする
不器用な女の子の恋を描いていると言った感じです。
二人の年齢差がすごいのでつい最初は
そちらに気を取られがちになるんですが
どちらかといえば元子の自分探し
そして成長物語のような雰囲気が強い気がします。
まっすぐで純真な彼女ですがそれゆえに
傷つくことや悩むことも多く
しかし榊との出会いでそれを乗り越えて
成長していこうと頑張る姿がいじらしいです。
長閑の庭
キャラクター自体はあまり多くないですが
どのキャラクターも個性的で
元子とは別の意味で人間らしい人々が集まっています。
その辺りの登場人物と元子との関わり
また彼らが何を思っているかということも
併せて読みとっていくと面白いかもしれません。
榊と元子の関係自体は仕方がないとはいえ
これでもかというくらいスローペースに進んでいきます。
徐々に良い方向には進んでいますが二人の年齢差を考えると
果たしてそれは本当に良い事なのか・・・。
現在は4巻ということで非常に今後の展開も気になる作品です。
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