アキヤマ香先生の作品の長閑の庭。
恋を知らない大学院生の元子が心動かされたのは
祖父に近い年齢の教授でした。
生まれて初めて味わったこの気持ちは
嗜好なのでしょうか・・・
それとも恋愛なのでしょうか・・・。
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長閑の庭のあらすじは?
ドイツ語を専攻している大学院生の元子のあだ名はシュバルツ。
ドイツ語で”黒”を表すその言葉が示すように
彼女のまとう洋服は全身黒でかつ地味なものでした。
スカートを履くことはなく身にまとうものは
いつもシンプルで飾りっ気のない洋服ばかり。
ドイツ語と日本語の翻訳家を目指している彼女だったのですが
人とのコミュニケーションは苦手でした。
そんなつもりはなくても
周りから嫌煙されてしまうことが多い元子。
そして元子自身も人と関わり愛を持つことよりも
彼女のことを傷つけることなく
優しく彼女の言葉に耳を傾けてくれる
書物と過ごす時間の方が心地よく温かい時間となっていました。
同じ大学院生の樹里は元子とは対照的な存在でした。
見た目も華やかで人懐っこい性格。
それでいて誰にでも優しく元子のような暗い性格の人間にも
分け隔てなく接してくれます。
唯一とも呼べる友人・樹里は
憧れのような存在でもありました。
そんな彼女に1人しつこく絡んでくる大学院生の田中がいました。
まるで彼女のことを傷つけるようなことばかりを言葉にして
敢えて元子に絡んでくる田中のことが元子は苦手。
そしてまた今日も田中が元子に対して
よからぬ噂話を立てていることを樹里から聞かされます。
その噂とは元子がドイツ語の教授
榊を好きなのではないかというもの。
64歳の教授に対する恋心などあるはずもないと
そう一蹴する樹里だったのですが
その噂の存在が元子の心の奥底をざらりと撫でていく・・・。
長閑の庭
そんな年上の教授のことが好きになるはずがない。
しかし元子は教授とのあるエピソードが気になっていました。
それは以前ゼミの飲み会にやや強引に参加させられたときのこと。
人と関わることが苦手な元子は居場所を見いだすことができず
その場に馴染むことができないでいました。
そんな彼女に声を掛けてくれたのが榊教授だったのです。
人と上手く関わることができないことを気に病む元子に対して
榊教授はこう言葉を投げかけます。
「あなたの日本語は美しい」
日頃のレポートの中で彼女が大切に紡ぎあげてきた言葉を
教授が覚えていてくれました。
その一言がまるで彼女の心を溶かしてくれるかのように
元子にとっては温かいものとなっていたのです。
それ以来、教授に対して特別な思いを抱くようになった元子。
しかし、それはまだ元子にとっても
どのような気持ちなのかが分からないものでした。
自分の心を氷解してくれた
あの言葉をくれた教授に対する感謝なのだろうか。
それとも憧れなのだろうか?
それとも、まさか、恋??
そんな中あるとき田中に頼まれて
教授の家に届けものをすることになった元子。
そこで教授から噂についての話が出ると
思わず元子はその噂が真実であることを告げてしまい・・・。
すると教授から帰ってきたのは思いもかけない言葉で――・・・!
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長閑の庭のネタバレとその後の展開は?
キミの感情は嗜好だよ。
言葉少なく元子に返した教授の表情は
とても穏やかなものでした。
孫ほどの年齢が離れた元子の気持ちを聞いた教授でしが
それは恋ではなく年齢が離れている人に対して抱く
憧れのような感情であったり
興味に近い感情であることを伝える教授。
その言葉を受け元子はさらに
自分の気持ちが分からなくなります。
そんな2人の距離を近づけてくれたのは
一羽の迷子のヒナでした。
巣から落ちてしまった鳥のヒナを前に
右往左往している教授と出会い
研究室で一緒に鳥の世話をすることになった2人。
ぎこちないやり取りの中で
それでも教授の前にいると
自然と呼吸ができることに気が付く元子。
しかし2人の距離はなかなか近くならない。
長閑の庭
そんな元子の前に現れたのは
美しく才能あふれる榊教授の元妻でした。
引力の強い彼女に触れそれまで経験したことのない
嫉妬というどす黒い感情に苛まれる元子。
受け止めきれない自分の感情に折り合いをつけるために
彼女は今一度自分の心の中を見つめ直すことに。
そんな不器用な元子のことを
温かい視線で見つめ続ける存在いました。
彼女に意地悪ばかりしていると思っていた田中は
実は彼女のことを密かに思い続けていたのです。
そんな田中の思いに気が付いていたのが
彼のことを思い続けていた樹里でした。
そして女同士の関係に亀裂が入りかけてしまう・・・。
複雑な関係など経験したこともない元子は
大切な樹里との関係が悪くなっていることには気が付くものの
その理由には全く思い至らなかったのでした。
そんな中で必死にもがき続ける元子。
断られても嗜好だと言われても
それでもやっぱり教授のことが気になります。
これは、やっぱり恋なんだ。
自分の気持ちに確信が持てた元子は
改めて教授に思いを伝えることに――・・・。
また同じように失恋を味わうことになると
そう思っていた元子だったのですが
今度は教授が自分の気持ちに応えてくれることに。
こうして始まった初々しい交際。
しかし別れは突然やって来ることになります――・・・。
納得のいく理由を告げられることもなく
突然、別れを切り出されてしまった元子。
その背景には教授の切なすぎる事情と
元子を大切に思う理由が隠されていたのでした!
その全てが明らかとなったとき
元子が大切な決断をすることに――・・・。
そして見えてきた2人の未来とは?
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長閑の庭の感想は?
これは恋なのか、それとも嗜好なのか。
直感的なはずの恋愛に言葉を当てはめてしまうと
自分でも一体自分の気持ちが恋なのか
嗜好なのか分からなくなってしまう・・・。
それでも自分の気持ちを丁寧に見つめ
その気持ちに素直であり続けた元子はすごいと思いました。
長閑の庭
元妻の出現を乗り越えながらも
優しい時間を大切にし続けた2人。
そしてようやく結ばれた2人だったのに
最後には悲し過ぎる結末が待っていました。
最後の最後のシーンで何もかも受け入れたような
元子の表情がとても印象的な本作。
幸せになって欲しいです。
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