内海八重先生の作品の白骨化した死体をめぐる罪と罰『骨が腐るまで』。
幼い頃に人を殺し洞窟に埋めた5人の
少年少女が脅迫者に追い詰められる物語。
原作者である内海八重先生はミステリーやサスペンスをこよなく愛し
以前は「八海薫」名義で『新海綴りの読解録』などを執筆されていました。
また1巻には10頁以上にも及ぶ書下ろしが収録され
コミックスでしか読めない
“はじめて”のエピソードが収録され話題となりました。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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骨が腐るまでのあらすじ!洞窟の奥に埋めた5人の“秘密”
主人公の中村信太郎は一見さえない感じの地味な高校2年生です。
そんな彼には4人の幼馴染がいました。
生徒会長でイケメンな神崎明、才色兼備でクールな豊島椿
現在は黒髪眼鏡の真面目な出で立ちながらも
中学時代に“凶犬”として名が知れた元不良の二枚堂竜
そして周囲の学校にまでファンがいる美少女の長瀬遥。
しかし信太郎と彼らには誰にも知られてはならない
「秘密」があったのです。
今から5年前の夏、裏山の奥にある洞窟の奥に埋められた
当時11歳だった彼ら5人が犯した“罪”。
それは人を殺しその死体を埋めた“大罪”だったのです。
彼らは互いの友情を裏切らずこの罪を忘れない為にと
毎年の夏休みに洞窟に集まりとある「儀式」を行っていました。
こうして迎えた5年目の夏。
16歳となった信太郎たちが洞窟を掘り返すと
そこに埋めた死体が“白骨化”していた事に安堵するのです。
![骨が腐るまで](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/R6100017514061.jpg)
骨が腐るまで
ところがある日、その白骨死体が何者かに奪われてしまいます。
その後は姿の見えない脅迫者により
どんどんと追い詰められて行く信太郎たち。
電話が鳴り脅迫者の指示に従うしかない5人は疲弊して行くのです。
人を殺した罪と姿を見せない脅迫者による罰。
更には罪を隠すために再び罪を重ねてしまう悪循環とで
こうして彼らの地獄が始まって行くのでした。
推理や心理戦も巧みに組み込まれた
新世代のクライム・サスペンス。
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骨が腐るまでのネタバレ!罪の正体と彼らに科せられた重過ぎた罰
洞窟の奥に埋められた白骨死体。
つまり5年前の夏休みに彼ら5人の子供達が殺した人物の正体は誰でない
この秘密の中心人物となった信太郎の実の父親だったのです。
実は信太郎の父親は信太郎へと虐待を繰り返しており
4人の幼馴染らはその事を大変心配していました。
ですが自分を救ってくれた信太郎をヒーローと位置付けていた明は
信太郎の父親のようなクズは殺すべきだと仲間に持ちかけます。
その際の言い争いで止めに入った遥は左肩に傷を負うのですが
秘密を守るため保健室に行かず傷は5年経った今も残ってしまうのです。
こうして子供達だけで父親を殺すと死体を洞窟に埋め
互いに“秘密”を守るためにと誓約書を書きます。
それからは毎年夏休みになると
5人は“この場所”へと赴くようになるのでした。
![骨が腐るまで](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/R6100017514061.jpg)
骨が腐るまで
ところが5年もの間隠していた白骨死体が
何者かにより奪われてしまうのです。
姿の見えない相手から何度も脅迫を受け死体の解体や全裸の強要など
無理難題を押し付けられてしまう信太郎たち。
そんな日々の中、脅迫者の指示により
2度目の解体を行っていた信太郎の元に
竜から衝撃的な電話が入ります。
その電話の内容とは・・・。
残された彼らに新たなる悲劇と惨劇が襲い来るのでした。
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骨が腐るまでの感想!秘密の共有と姿の見えない脅迫者
生徒会長や元ヤンなど個性的な4人の幼馴染と比べると
信太郎は地味で無個性な奴だと学校では思われています。
ですが彼は「仲間」を守るためなら迷わず相手を“殺す”。
そんな確たる強い意志と判断力を持つ人物でした。
だからこそ信太郎に対して明は幼い頃から憧れており
美少女の遥も淡い恋心を抱きます。
しかし信太郎と明の恋人である椿とは
互いに「幼馴染」では割り切れない感情を持ち合っており
そんな二人に気付く遥に実は竜も思いを寄せていたのです。
![骨が腐るまで](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/R6100017514061.jpg)
骨が腐るまで
こうして殺人を犯した“秘密”の上に成り立つ彼らの関係は
微妙且つ今にも脆く崩れ落ちそうなほどに繊細なものでした。
そんな彼らの秘密が「何者」かに暴かれ
脅迫を受ける事で再びおかしな結束を見せ始めるんです。
これらは高校生のごく当たり前な「日常」場面の後に
突然死体を「解体」させられる「非日常」へと以降する際
読んでいる私たちに不可解で異常で
不気味な感情さえ呼び起こさせてしまうでしょう。
多くの謎と罪と理不尽とを
幾つも積み重ねたような物語『骨が腐るまで』。
予想も出来ない展開のこの上質なミステリー・サスペンスを
是非とも息を呑みながら読み進めて下さい。
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