池辺かつみ先生の作品の夜見の国から〜残虐村奇譚。
兵隊になることを夢見る青年・睦男はある日狂気を覚える・・・。
実際にあった「津山事件」が元になっているこの物語。
なぜ睦男は殺人犯となってしまったのか・・・?
リアルに描かれる残虐さと、恐怖を体感しませんか?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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夜見の国から〜残虐村奇譚〜のあらすじは?
出兵する男を見送ろうと走っている者がいました。
そう、これが主人公の睦男。
急いで追いかけましたが見送ることはできませんでした。
睦男は婆様と2人暮らしで男手が足らず
学校にも通えなかった睦男でしたが
婆様のためにも兵隊になろうとしていました。
婆様はもちろんそんなことはやめてくれと止めますが睦男は
「儂もお国のために立派な兵隊になるんじゃ!」
そう意気込んでいたのでした。
ある夜、睦男を善平爺が訪ねてきます。
善平爺は睦男に「集会所で待っとるから来い」と言うのです。
夜見の国から~残虐村奇譚~
睦男は不思議に思いながらも善平爺の後について集会所に向かい
集会所の中を覗くと中には裸の尼さんらしき人がいました。
善平爺は睦男の筆下ろしを手伝おうと言うのです。
「いや、しかし・・・」
戸惑う睦男はその後・・・?
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夜見の国から〜残虐村奇譚〜のネタバレとその後の展開は?
善平爺についていった睦男は筆下ろしを手伝うと言われ
戸惑うのですが村の習わしだからと行為に及んだのでした。
尼さんと身体をかさねながら睦男は感じました。
尼さんの中から自分がこの時生まれたような気がしたと・・・。
尼さんとの筆下ろしが終わり1か月が経った頃
尼さんは謎の死をとげてしまいます。
そして睦男の生活は以前とは変わっていったのでした。
筆下ろしが終わったと同時に睦男は男となったのです。
男になるのを待っていた村の女達は老若男女など関係なく
はたまた夫がいる者までもが睦男を誘惑するようになったのです。
そして睦男はそれを拒まずに受け入れ続けたのでした・・・。
夜見の国から~残虐村奇譚~
しかし、そんな睦男にも抱けない女が1人だけいました。
それは、睦男が好意を寄せている幼馴染のみな子です。
ある日、睦男は兵隊になる為に身体検査を受けることになりますが
結果は身体検査の結果不合格。
なぜなら睦男は肺病にかかっていたのです。
睦男が肺病にかかっているという噂は瞬く間に村中に知れ渡っていき
村人の睦男に対する態度はすっかり変わってしまいます。
この出来事が睦男の村人へ対する恨みの始まりでした。
そんな毎日が続いたある日、愛人の局部を切り取るという
「阿部定事件」のニュースを新聞で見つけこの事件に睦男は親近感を覚えました。
そして「儂も大きなことをやってやるんだ」と意気込むのでした。
そんな睦男がついに行動を起こし・・・?!
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夜見の国から〜残虐村奇譚〜の感想は?
この物語は実際にあった「津山事件」という太平洋戦争の最中に起きた
日本最大の連続殺人事件が題材となっているフィクションです。
約2時間半というわずかな時間で33人もの人を殺した
都井睦雄がこの作品の都居睦男です。
実際の事件を知ることによってよりこの事件の残虐さや
睦男の気持ちの変化が伝わりリアルに感じることが出来るかと思います。
善平爺によって男となった睦男に対する村人の反応は
睦男にとって不思議でありまた誇らしくもあったでしょう。
なにせ男としての威厳を感じることができたのですから。
ところが睦男が肺病のため兵隊になれないと知った途端
村人の反応はガラッと変わってしまいます。
兵隊になれないとわかったことで睦男自身も大変苦しんでいたというのに・・・。
夜見の国から~残虐村奇譚~
睦男にすり寄っていたはずの女達もすぐに態度を変え戸惑ってしまう睦男。
村人の仕打ちはあんまりで睦男はこの態度に恨みを持ってしまいます。
そう、これが狂気の始まり。
睦男の心情が伝わってくるかのようなリアルな描写と
漢字とカタカナで書かれる文章は読みにくいですが
それがより怖さを引き立てているように感じます。
津山事件を知っている人も知らない人も
怖い話やエグい話が好きな人にとっては楽しめる内容です。
そしてそれと同時に戦争していた時期のことを
考えさせられるような物語であると思います。
ぜひ読んでみてください。
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