萩尾望都先生のポーの一族の続編のポーの一族~春の夢~。
ドイツから来た兄弟は何故かドイツを嫌っていました。
いつもイラついているブランカの心の中にあるものとは?
シューベルトの曲が流れる中で語られる物語とは?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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ポーの一族 春の夢のあらすじは?
イギリスのウェールズ地方にエドガーとアランがやってきました。
体調のすぐれないアランの為にシューベルトのレコードをかけた途端
家に飛び込んできた小さな男の子がいました。
「ここ、僕の家?」とドイツ語で叫びながら。
彼の名はノア。
ノアは姉・ブランカと二人で両親と離れ
叔父ダン・オットマーの元に身を寄せていました。
ノアを迎えに来たブランカはエドガーにお礼を言いますが
シューベルトのレコードをかけていた事を知ると怒りを露わにします。
二人はドイツから来たのですが当時、ドイツはイギリスと戦争をしていました。
ノアとブランカは敵性国民として村人からうとまれていた事もあり
ブランカはノアがドイツ語を喋ったりドイツの歌を歌う事とを禁じていたのです。
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月刊flowers 7月号
ある日、エドガーがシューベルトのレコードをかけているとブランカがやってきて
「シューベルトのレコードをかけないで」と抗議をしました。
かねてからブランカの態度を不自然に思っていたエドガーは
実はこの歌はブランカ達のママが歌っていた歌なのではないかと言い当てます。
だからノアは「ここ、僕の家?」と聞いたのだと。
エドガーに誘われるように一緒に歌いだしたブランカの目には
いつの間にか涙が浮かんでいました。
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ポーの一族 春の夢のネタバレとその後の展開は?
歌い終えるとブランカは心のタガが外れたように今までの事を語り始めました。
ブランカの一家はドイツで楽器制作と修理の工房をやっており
ママはチェロの奏者だった事もあっていつも賑やかに歌に包まれ
使用人もいて裕福な生活を送っていたのです。
しかしある日突然、突撃隊によって家は襲われ楽器も家も工房も壊されたのだと。
父親はユダヤ人でした。
その夜はユダヤ人だというだけで多くの家が襲われていました。
正直に働いていれば良い事があると信じてきたものが
あっという間に打ち砕かれてビアンカは大きなショックを受けます。
親しかった街の人も友達も先生も目をそらして背を向けました。
今までの事はウソだったの?と涙しながらドイツを離れた一家は
オランダで今後の事を話し合いブランカ達は両親と離れて
病気がちな叔父の元に行く事になったのでした。
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駅まで迎えに来てくれた叔父や叔母はブランカ達を
とても可愛がってくれましたが両親からの手紙も途絶え
ブランカは知らない土地で弟を守っていかなければと
精いっぱい頑張ってきたのでした。
そしてこんな目に遭わせた「ドイツを許せないし、大嫌いだ」と言い切ります。
話し終えてブランカは不思議な気持ちに襲われます。
自分より年下に見えるエドガーに今まで誰にも見せなかった自分を
見せてしまった事に戸惑っていました。
そしてドキドキする胸の高鳴りは恋かもしれないと顔を赤らめるのでした。
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ポーの一族 春の夢の感想は?
40年の歳月を経て再び動き出したエドガーとアランの物語。
絵柄ははっきり言ってかなり違ってきています。
これが40年の重みでしょうか。
体つきがリアルになっていて少女漫画特有のすらっとした長い脚や
身体の線が周囲の風景に融け込むような印象は無くなっています。
人物の印象にも変化が見られます。
特にアランはちょっと老けたような印象がありますが
エドガーは凛々しさが増した気がします。
年下に見えるエドガーに心を開き始めたブランカが可愛いです。
エドガーがブランカを見つめる目がまた優しく虚勢を張っているブランカに
「泣いていいのに」というエドガーの表情がまた良いのです。
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今回、残念ながらアランの出番はほとんどありません。
序盤で体調が悪く寝てばかりいるアランが
後篇の伏線として生きて来るのかは不明です。
今回の物語はドイツからやって来た兄弟の
これからの運命がメインになる事でしょう。
病気がちな叔父ダンが亡くなる事があれば
ビアンカ兄弟のこれからの立場もどうなるか。
二人は両親に無事会えるのでしょうか?
元々「ポーの一族」はエドガー達が様々な人間達の人生に少しずつ関わりながら
去っていく物語なのでこれも今までのセオリー通りといえます。
続編は今冬登場予定だそう。待ち遠しいですね。
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