不死の体となった主人公があまたの強敵たちと戦う
奇想天外な物語『無限の住人』。
この作品は沙村広明先生が描く時代劇マンガ。
なぞの老婆により血仙蟲(けっせんちゅう)を
体に埋め込まれた男・万次(卍/まんじ)と両親を殺され
復讐を誓う少女・凛との壮絶な戦いが描かれています。
作中にて登場する多くの敵は奇抜で異様な技や姿を持ち
その戦い方も奇想天外でド肝を抜くものばかりです。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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無限の住人のあらすじ!無限の時間を戦い続ける不死の男・卍
主人公の卍(まんじ)こと万次とは顔にいくつもの刀傷と
不死の体を持つ隻眼(左目のみ)の浪人くずれの剣士です。
卍も元は同心の身分でしたが上司である旗本の
不正を見過ごせず斬殺しお尋ね者となってしまいます。
さらにはその追っ手100余人をも斬り倒したことで
「百人斬り」の異名でも呼ばれるようになったのです。
その後なぞの老婆・八百比丘尼により血仙蟲(けっせんちゅう)を
体内に入れられたことで卍は不死の体を手に入れるのでした。
無限の住人
ある日のこと卍は浅野凜という名の少女に用心棒を頼まれます。
実は凜は無天一流統主である父を持つ道場の一人娘でした。
ところが両親は剣客集団である逸刀流の統主・天津影久や
その部下らにより殺されひとり生き残り復讐を願う
凜自身も命を狙われたいたのです。
道場の娘である凜でしたがその剣術の腕前は
素人に毛が生えた程度のもの。
それでも自身で考え改良した技「殺人黄金蟲」などを繰り出しますが
天津らにとっては凜の技など赤子の手をひねるよりも簡単なものでした。
ところがそんな凜を見かねるように卍が
「用心棒」として味方についてくれるのです。
不死の剣士・卍は例え片腕を失おうと心臓を貫かれようと
何度殺されようとも生き返り切り落とされた四肢は
血仙蟲により接合され再び戦い多くの敵を倒してゆきます。
こうして凜の要請で用心棒となった卍は逸刀流による
刺客との壮絶な戦いに身を投じることになるのでした。
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無限の住人のネタバレ!壮絶な剣檄と凄惨な物語
逸刀流たちの襲撃により凜は目の前で父親を殺され
母親は剣客たちにさらわれてしまいます。
万に一つの希望を胸に凜は母親の無事を祈っていました。
そんな凜へといつ頃からか恋文が届くようになります。
その差出人とは凜の父親を斬殺し母親をさらった
逸刀流が剣客の一人・黒衣鯖人。
ある日のこと凜は恋文の呼び出しに応え一人おもむきます。
凜が対峙した黒衣は兜を被っておりその口調は大変丁寧ではありましたが
マントの下の両肩が異様なほど盛り上がった奇妙な大男でもありました。
無限の住人
彼は持論として女性への究極の愛は死であると語ると
凜の目の前で自身の巨漢を覆っていたマントを外します。
するとあらわれた両肩にはそれぞれ黒衣の妻の
そして凜のさらわれた母親の頭部が剥製にされ
縫い付けられていたのです。
凜の母親はさらわれた後に逸刀流の者どもになぶりものにされており
それを見かねた黒衣がひとおもいに殺し
そして妻と同様に自身の肩に剥製として縫い付けた。
つまりこれこそが自分流の愛であり次は凜を殺して
その頭部も自分の型に縫いつけようとしていたのです。
その非道さ残忍さに怒りをたぎらせる凜でしたが力及ばず
絶望の淵に陥ってしまいます。
ですが卍が不死であることを知らない黒衣は逆に倒され
凜は命を救われると同時に母親の仇を討つことも叶うのでした。
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無限の住人の感想!荒唐無稽な剣客時代劇
この作品をはじめて目にした時にその“漫画”らしからぬ
作画に驚かれる方もいるのではないでしょうか。
近年のデジタルペイントとは一線を画すがような
まるでうす墨で描く水墨画のような画面。
さらにそれは沙村先生のすぐれた画力に裏打ちされ
文化庁メディア芸術においては高い評価を受けたほどです。
また作中では恐ろしい敵、残虐なシーンなど
数多く描かれていますがだからこそ人の生き方や思いが
突出し私たちへと語りかけてもいるように思われます。
無限の住人
幼い頃より剣術にすぐれていた乙橘槇絵は
その才ゆえに居場所を失い遊女として生きていました。
彼女はいくつもの思いを抱えながら天津に助力し
不死である卍に圧倒的な強さを見せ付けます。
ですが身をていして卍をかばう凜の姿に凶刃を止め
その後は出奔していましたが
再び天津のために刃を振るうこととなるのです。
天津と槇絵そして主人公である卍と凜
この2組の男女が紡ぎだす愛や思いなども
激しい剣戟と共に見所のひとつともいえるのではないでしょうか。
高い画力と骨太なストーリーだからこそ
荒唐無稽な剣戟が映え見事な娯楽作品となった『無限の住人』。
みなさんも卍と凜の戦いをのぞいてみませんか。
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