新川直司先生の若き音楽家たちの物語『四月は君の嘘』。
天才ピアニストであった主人公の少年と彼をピアノへと
連れ戻そうとする情熱的なバイオリニストの少女。
この2人を中心に据えながら音楽への真摯な姿勢を貫く
若者たちの青春群像劇として描かれています。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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ピアノの音が聞こえなくなった少年とバイオリニストの少女
主人公のピアニスト・有馬公生は幼い頃より
母親の厳しい指導のもとレッスンを受けいくつもの
有名ピアノコンクールで優勝をしてきました。
ですが神童だ天才と称えられるその陰で
機械のように正確な彼の演奏はヒューマンメトロノームや
母親の操り人形とも揶揄されていたのです。
ところが11歳の時もとから病を患っていた母親の死をきっかけに
なぜか自分のピアノの音だけが聞こえなくなったために
いつしかコンクールからも遠のいてしまうのでした。
それから3年経った4月の春。
14歳となった公生は私立墨谷中学校の3年生へと進級しますが
いまだコンクールどころかピアノと向き合うことさえ出来ずにいました。
![四月は君の嘘](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/KD814460.jpg)
四月は君の嘘
そんなある日のこと隣の家に住む幼なじみ・澤部椿の紹介により
満開の桜が咲く公園で同い年のヴァイオリニスト・宮園かをりと知り合います。
コンサートでかをりのヴァイオリンを聞いた公生は彼女の持つ
圧倒的で情熱的な音楽に魅了されいままでモノトーンだと思っていた
自分の世界がカラフルに色づき出すのに気付くでした。
こうして公生はかをりにより強引に引っ張り出され椿や周囲の人々による
後押しやそして彼を待っていたライバルたちの存在により
再び“演奏者”としてピアノと向き合うようになるのです。
若い演奏者たちによる音楽への情熱やそして不器用なほどに
拙い恋心や切ない思いさえ描かれた作品がこの『四月は君の嘘』なのです。
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四月は君の嘘ネタバレ!かをりの嘘と椿の嘘
公生を再び音楽へと導いたかをりでしたが実は彼女は
難病を患っており徐々にそれは進行しておりついには
ヴァイオリンを弾くための弓さえ握れぬほどになるのでした。
演奏者としてどころか自身の命さえ危ぶまれていた
かをりは公生へと“嘘”吐き続けます。
もう一度2人で一緒にヴァイオリンとピアノで演奏をしよう
そして公生ではなくその友人の男の子が自分は好きなのだと。
同じように幼なじみの椿も自分の気持ちと
公生とに“嘘”を吐き続けてしまいました。
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四月は君の嘘
公生は弟みたいな存在だ第一自分が好きなのは
かつて憧れていた先輩で今はその先輩に告白され
交際しているのだから公生は関係ないのだと。
ですが“音楽”という共通の絆で繋がった公生と
かをり2人の姿に椿は段々と焦り出すとともに
自分の本当の気持ちにさえ気付いてしまいます。
そしてかをりはといえば最後の最後に今まで隠していた
自分の本当の気持ちを手紙に認めると
色鮮やかな思い出とともに公生へと遺すのでした。
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四月は君の嘘の感想!コンサートの緊張感や音さえ漫画で表現した名作
この『四月は君の嘘』は3つの主題を抱いた作品だと思います。
1つは公生たち中学生の純粋で一途な恋
もう1つは音楽に魅せられ全力で挑む若者たち
最後の1つは見えなかった思いはいつか相手に届く
そんなやさしく透明な物語なのです。
自分の思いが母親に届かなかったのだと嘆く公生でしたが
ピアノの世界に戻ることで多くの人々に支えられ
トラウマを乗り越えた先に本当の母親の“思い”を知ることが出来ました。
さらには幼なじみの椿の思いそして自身のかをりへの思いも
公生はその成長とともに少しづつ受け入れていくのです。
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四月は君の嘘
見えないでいたものが少しづつ形を変えながら見えてくる。
モノトーンだと思っていた公生の世界がかをりの存在により
カラフルに変わってゆくこととそれは同じ出来事なのかもしれません。
そして作中では目に見えないはずの“音”やコンサート会場の“ざわめき”さえ
白と黒のモノトーンで描かれた画面からカラフルな音として聞こえくるようで
読んでいる私たちをグイグイと物語の世界に引きずり込んでもくれるのです。
カラフルな音楽に彩られた公生たちの青春を
みなさんも一緒に演奏してみませんか。
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