西岸良平先生の作品の鎌倉ものがたり。
鎌倉に住む一色和正は背が高くハンサムなミステリー作家。
そんな彼は一回りも年下の妻・亜紀子と共に
謎と怪異に満ちた古都・鎌倉で発生する妖怪や化け物などにまつわる
様々な怪異や事件を解明して行くのです。
長編名作『三丁目の夕日』の作者である西願良平先生が手掛ける
もう一つの人気長編シリーズ作品。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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鎌倉ものがたりのあらすじ!霊的現象に満ちたミステリアスな街・鎌倉
鎌倉在住の一色正和は背が高くハンサムなミステリー作家。
彼は若い頃に剣道をたしなんでいたため腕っ節も強く
ミステリー小説家であるため警察でも手に負えない
難事件を幾つも解決してきたほどでした。
30代前半でありハンサムな一色でしたが
和装を愛用し電話はいまだに黒電話
PCも使わず紙と万年筆で原稿を書くスタイルの
いわば“おじさん”っぽい人物。
鎌倉ものがたり
そんな彼の傍には自分より一回りも年下な小柄で可愛い妻
亜紀子がいつでも寄り添い微笑むのでした。
鎌倉を舞台に四季折々の自然や祭行事。
そして妖怪や化物などの怪異とともに
いくつもの不思議な事件や出来事を解き明かす
ハートウォーミングな物語。
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鎌倉ものがたりのネタバレ!複雑な家庭環境の一色と鎌倉ルパン
一色の祖父・信夫は著名な民俗学者であったため
その息子であった父親の宏太郎は
周囲から期待された大学教授でした。
しかしこれと言った成果を残せないでいた父親は
高名な祖父の影に隠れるような存在とされ
さらには夭折した自身の美しい妻の後を追うように
踏み切り事故で謎の死を遂げるのでした。
多くの人々は偉大な祖父、そして妻を亡くしたことが原因とし
一色の父親は“自殺”をしたのだと周囲から囁かれ
無口だった父親との関わりが薄かった一色自身も
子供心にそうではないかと思っていたのです。
ところが事実は違っていました。
実は一色の父親・宏太郎は“湖南独伊留”のPNを用いて
知る人ぞ知るとされていた
鎌倉の幻想作家として有名な人物だったのです。
鎌倉ものがたり
父の小説には母を髣髴とさせる美しい女性が登場するなど
幼い頃に一色が憂いていた両親の関係は大変良好であり
父親は自身の妻である一色の母親を愛していたのでした。
家族の繋がりに対する一色の希薄性に関しては
以前より心理学研究所所長・零久田汎仁丸により指摘されており
妻・亜紀子も夫が自分と子どもを作らないのは
そのせいかと大変気にかけていました。
ですが前述した両親の真実が解明され
一色の中に渦巻いていた長年の疑問
そして亜紀子と子どもを作らなかった理由が
彼女の幼さによるところであったことを告げるのです。
ところでこんな一色をライバル視する人物がいました。
その人物の名は“鎌倉ルパン”。
主に鎌倉市内を中心に高給貴金属店や
美術館などを部下と共に襲う怪盗集団です。
自身の仕事は一色さえいなければ成功すると考え
様々な企てで一色を監禁したり
喫茶店を開くなどして妨害を試みますが
そのどれもが失敗に終わってしまいます。
怪盗といっても基本人を傷つけたり殺めたりなどはせずに
あくまで警察や一色を出し抜き
盗みを成功させることに重きを置いているようです。
そしてそんな鎌倉ルパンだからこそ一色をライバルとし
一色もルパンを捕らえ盗みのトリックを見破るのは
自分だけだと自負するのでした。
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鎌倉ものがたりの感想!妖怪や化け物に幽霊そして犯罪者とミステリー
本作は『三丁目の夕日』のようなノスタルジックなだけではなく
荒唐無稽でちょっと不思議なミステリーを主軸とした作品です。
またミステリーであるため殺人や犯罪など
大変荒んだ内容がたびたび登場しますが
作中で描かれた犯罪者、そして妖怪や化け物らの
物悲しくも切ない思いも描かれているのです。
鎌倉ものがたり
そこには人間と共にこの世のモノとは
異質な存在が共存し邂逅と哀愁
そしてほっこりとしたやさしさや
楽しさも盛り込まれています。
実は作者である西岸先生は本作以外にも
こうした荒唐無稽なものや
SFちっくな作品を幾つも手掛けており
『鎌倉ものがたり』はそうした著者の
集大成とも呼べるシリーズ作品なのです。
河童やたぬきが普通に刑事として活躍し
思わずクスリとしたり
じんわりもさせられるそんな本作を読んで
鎌倉の新たな魅力を見つけてみませんか?
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