黒い羊は嗤わない~悪意の欠片のネタバレや結末に犯人は?感想や無料試し読みもあり


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坂口みく先生の作品の黒い羊は嗤わない~悪意の欠片。

 

連続殺人鬼の兄を持つ犬養美月は
つねにその闇を抱えて生きてきました。

 

いわれのない非難や暴力、弱みにつけ込む性的虐待・・・。

 

彼女の周りにはつねに悪意がつきまとい
どこへ行っても居場所なんてありませんでした。

 

兄は本当に殺人鬼なのか、それとも――・・・?

 

彼女が記憶を取り戻したとき
悲し気な兄の瞳が事実を語り出します。

 

 

ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。

 

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黒い羊は嗤わない~悪意の欠片のあらすじは?

 

15年前、ある家で起こった悲劇がすべてのはじまりでした。

 

息子による両親の殺害。

 

逃走して行方不明になってしまった彼は
ほかにも女性3人を殺した疑いがあり
連続殺人鬼として指名手配されることに。

 

被害者の娘であり加害者の妹でもある
犬養美月は事件後、親戚中を
たらい回しにされながらなんとか生きてきました。

 

“殺人鬼の妹”――。

 

いわれのない暴言や暴力を浴びせられ
イジメ、強姦などに苦しむ美月には
居場所なんてどこにもないのでした。

 

幸いにも最後の引き取り手である叔母の紗子と
兄の友人である辻康太の手助けもあって
なんとか自立をした美月。

 

母の旧姓『影山』を名乗るようになっても
兄・犬養竜一の名は引き剥がすことはできません。

 

そして独立して数年後
美月はある定食屋で働いていました。

 

親切な定食屋一家のおかげでようやく
平穏な日々を手に入れたように思える彼女。

 

しかし夜になると黒い夢が彼女の心を蝕みます。

 

月光に照らされた血まみれの両親と
凶器を握りしめて佇む兄の姿。

 

心がかき乱される夜には
いくら羊を数えたところで眠りにつけるはずもなく――
彼女は背負わされた罪にひとり涙を流すのです。

 

そして今またひっそりと息を殺すように生きる
美月のもとに不穏な影が訪れようとしていました。

 

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コミックシーモア

 

黒い羊は嗤わない~悪意の欠片のネタバレとその後の展開は?

 

いつも笑顔で働き者の美月は
定食屋の家族にも常連客にも評判でした。

 

そんな彼女は秋山という商社マンに見初められ
熱心にアプローチされます。

 

若いんだからもっと遊ばなきゃと
定食屋の女将さんに言われるものの
美月は誘われた映画もドタキャンしてしまうのです。

 

これまで好青年を装っていた秋山ですが
プライドを傷つけられて本性を露わにします。

 

帰り道で待ち伏せして半ば強引に部屋に上がり込むと
好きだと言う言葉を押し付けて
美月を乱暴に自分のものにしようとしたのです。

 

抵抗する美月に脅迫めいた言葉で大人しくさせると
悦に入った表情で思いを遂げようとする秋山。

 

しかしすんでのところで康太に助けられて事なきを得ます。

 

その場では康太の弁護士という肩書にひるんだ秋山ですが
怒りはおさまるはずがありません。

 

どうにかしてふたりに復讐をしてやろうと企て
康太の経歴をチェックしている途中で美月の兄の事件を知り
定食屋に嫌がらせをはじめます。

 

はじめこそは美月に罪はないとして
庇ってくれていた定食屋の家族。

 

ですが客足が途絶えさらに自分の娘が
イジメに合っているのを知ると態度が一変。

 

美月を見つめる彼らの目はこれまで彼女に
散々向けられてきた視線と同じでした。

 

定食屋を出たあとは康太の紹介でスナックに勤めだしますが
ここでも同様に嫌がらせがはじまります。

 

それでも他人に関心の薄いこの業界にいたほうが
親切にしてくれた人たちが自分のせいで
悪意を向けるようになる切なさに比べたら
ずいぶんと気が楽なのでした。

 

このスナックで美月は思いがけない出会いを果たします。

 

贔屓だと思っていた客が実は兄の事件を
新しく担当することになった刑事で
再捜査されることになった事件のために
美月の動向を窺っていたのです。

 

その男、石嶺晃司は事件の鍵は
美月が握っているのだと言います。

 

彼女が失ってしまった事件当夜の記憶の中に
真実が隠されているのだと――。

 

事件が15年経って再捜査されることになったのには
ある理由がありました。

 

かつて美月を強姦した親戚の男と
クラスでのイジメを黙認していた担任が相次いで変死していて
その事件現場に兄の竜一の姿があったというのです。

 

兄が生きていたのだと知り美月はあの夜見た
兄の悲しげな瞳を思い出します。

 

世間から殺人鬼だと呼ばれている兄――
けれども美月には兄に人殺しができるなんて
信じられませんでした。

 

それは叔母の紗子も同じようで
優しくて傷つきやすい子である竜一が
家族を殺すはずないと。

 

その少し前、美月に嫌がらせをしていた秋山が
駅のホームから転落死する事件がありました。

 

美月はやはり兄の犯行なのかと疑う一方
どうしても信じられない気持ちもあり・・・。

 

事件当時の記憶を取り戻すことで
真実を知りたいと強く思うようになります。

 

あの夜になにが起こったのか。

 

両親を殺したのが兄でないなら真犯人はどこにいるのか
もし本当に兄が殺人犯なら
どうして両親を殺さなくてはならなかったのか。

 

とにかく本当のことが知りたい一心で
美月は石嶺とともに実家を訪れることにします。

 

ところが記憶を紐解こうとする美月のまわりで
ますます不穏な気配が色濃くなっていきます。

 

秋山の死亡現場や容態を急変させた叔母の病室で
美月の姿があったという証言。

 

さらにその魔の手は彼女に忍び寄りつつありました。

 

そんなことも知らず美月は解けかけている記憶を
もう一度辿るために再び実家を訪れることにします。

 

ゆっくりと蘇ってくる記憶・・・
あの夜だれかに名前を呼ばれて両親の寝室に行くと
刃物を持った兄いて――・・・
振り返った兄は悲しげな瞳をしていました。

 

でもその視線は美月には向けられていなかったのです。

 

美月の後ろに立つ誰かを
悲しげな瞳でじっと見つめていた――・・・。

 

そのことに気づいた瞬間、美月はだれかに
口を塞がれて気を失ってしまいました。

 

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黒い羊は嗤わない~悪意の欠片の感想は?

 

殺人犯の妹の壮絶な人生を描いた黒い羊は嗤わない~悪意の欠片。

 

犯罪者の家族はその罪を赤の他人に
断罪されるのは現実にもあることです。

 

さらにこの主人公の美月は両親を殺されているので
その罪をひとりで背負わされてしまっています。

 

しかも無実の罪を――・・・。

 

兄が起こしたとされる事件が
本当は冤罪だと世間に知れ渡ったとき
彼女を虐げて心ない言葉を浴びせた人たちは
どんな気持ちでそのニュースを見るのでしょうか?

 

後悔の念に苛まれるのか仕方のないことだったと
自分を正当化するのか――・・・?

 

過去の傷は癒えないかもしれませんが
兄の無念を晴らすことができた美月には
明るい未来が待っています。

 

彼女のすべてを知って受け入れてくれたパートナーと
大切な娘との暮らしを
彼女はだれよりも慈しむことができるでしょう。

 

みなさんも黒い羊は嗤わない~悪意の欠片を
楽しんでみてくださいね。

 

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