山中ヒコ先生の作品の死にたがりと雲雀。
江戸の下町の長屋に住む少女、雲雀。
家にいつかない父親を持つ彼女は
ある日荒れ寺に寺子屋を開いた一人の浪人
朽木と出会い心を通わせていきます。
しかし父親が罪を犯してしまい
自身の父を助けるために雲雀はある行動をとります。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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死にたがりと雲雀のあらすじは?
江戸の下町の長屋に住む少女、雲雀。
家にいつかない父親を持つ彼女は幼いながらも
家事全般を請け負うしっかりとした子であり
また腕っぷしが立つため長屋の子供たちの
ガキ大将的な存在でもありました。
そんな彼女たちが暮らす村の近くに
ある日やってきた謎の浪人・朽木。
学習塾である寺子屋を開くその男を最初は訝しむ彼女達でしたが
文字を習ったりするうちにどんどん打ち解けていきます。
しかし町では横町に住む老人が空き巣の被害に遭い
挙句殺されたという不穏な話で持ちきりです。
死にたがりと雲雀
おまけにそのタイミングがちょうど朽木が
移り住んできたことだったこともあり
彼は町民たちから疑われることになります。
彼の無実を証明しようと物置小屋に侵入する雲雀。
しかし彼女はそこで彼の持ち物と思わしき
刀を目にしてしまいます。
そのことを黙っていようとする雲雀でしたが
実は自分の父親こそ盗みと人殺しをした
張本人であることに彼女は勘付いてしまいます。
そうして咄嗟に父を守るために朽木が刀を持っていた
朽木が押し込みの犯人だと発言してしまい・・・。
結局あっさりとその嘘は看破され父を庇おうとした
雲雀は真冬の川へと落とされてしまいます。
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死にたがりと雲雀のネタバレとその後の展開は?
人殺しの子、助けたって割に合わない・・・
そういって誰もが雲雀を見捨てる中
身を挺して彼女を助けてくれたのは
罪をなすりつけようとした朽木でした。
雲雀は自分の寺子屋の子・・・理由はただそれだけです。
父を失い一人になった雲雀を自分の大事な寺子だという朽木。
しかし彼となにやら因縁のある模様の細目という男は朽木を
「死にたがりの糞、お前など侍ではない」と手厳しく糾弾します。
人殺しの子だと言われ中々引き取り手がいない雲雀でしたが
元々の健気さと器量の良さが相まって
彼女を引き取ろうとする人も現れます。
しかし彼女は朽木の元へいくことを選びました。
死にたがりと雲雀
一度は父のために売ろうとした相手のため
そんなことを言う資格がないことは雲雀が一番わかっていました。
しかしそれでも雲雀は朽木の元に置いてほしかったのです。
ご飯を作る度、寺を掃除する度
大袈裟なほど喜んでくれる朽木。
それはかつて母を亡くし消沈していた父親のために
色々なことを覚え彼を楽させようとしていた名残でした。
ずっと宙に浮いたままだった父への思いやりを
朽木が手繰り寄せてくれることが
雲雀は嬉しくて仕方がないのです。
雲雀にとって朽木は父や母と同じくらいに
大切な人へと変化していっていました。
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死にたがりと雲雀の感想は?
時代ものでなおかつ序盤で小さな女の子が
ひとりぼっちになってしまうという設定上
タイトルも相まって暗いお話かな・・・
とビクビクしながら読み始めました。
しかし読みにくさはなく普段時代ものはあまり読まない
私でも面白く最後まで読むことができました。
山中ヒコ先生の作品は「王子様と灰色の日々」などを読んだことがあり
どの作品も物凄く救いがないというわけではないんですが
ほの暗く胸が締め付けられるような人間模様が描かれています。
死にたがりと雲雀
それは本作でも同様であり1巻の幼い雲雀が
父を思い悩みながらもついた嘘や
長屋の人々や朽木の温かさに目頭が熱くなりました。
そして読み進めていくと朽木にもいろいろな事情があり
さらに一見すると嫌なキャラクターにも見える細目にも
暗く重い過去がありそれを背負ったうえで
今を生きているということがわかってきます。
そういった背景が描かれるため暖かいながらも
胸が締め付けられる展開も多々あります。
しかしそれ以上に心が温かくなる優しいストーリーとなっていて
5巻で完結しますのでその手軽さも含めおすすめとなっています。
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