三部けい先生の作品の僕だけがいない街。
問題を解決するまで何度も時間を遡る
『再上映-リバイバル-』という能力を持つ藤沼悟。
彼は小学生のときに起こった連続誘拐殺人事件の
真犯人に母親を殺され
さらには無実の罪を着せられてしまいます。
未来を変えるために小学5年生にリバイバルした悟は
事件を阻止し真犯人を突き止めようと奔走するのですが
狡猾な相手によって殺されそうに・・・。
幸いにも一命を取り留めたもの植物状態になってしまった悟。
彼が長い眠りから目覚めたとき失われたストーリーは
ふたたび動き出そうとしていました――・・・。
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僕だけがいない街の前回からのあらすじは?
藤沼悟は小学生のときに起こった連続誘拐殺人事件の真犯人によって
母親を殺されさらにはその罪を着せられそうになっていました。
無念を晴らすために願った再上映-リバイバル-で
小学生時代に遡った悟。
そこはまだ事件が起こる前の日常――
悟はクラスメイトたちが殺害されるのを防ぎ
真犯人を見つけるために奔走を始めます。
1度目のリバイバルでは思わぬ展開によって
雛月加代と中西彩が殺されてしまい
さらには現実世界に戻った悟も母親殺しの犯人として
逮捕されることになってしまいます。
そして起こった2度目のリバイバルで再び小学生に遡った悟。
今度こそは失敗しないという決意を胸に
雛月加代を真犯人の手から守り切り
彼女の母親による虐待からも保護することに成功します。
僕だけがいない街
2人目の被害者である中西彩の未来も変えた悟は
あとは真犯人を見つけるだけのところまできていました。
ところが狡猾な相手に嵌められて今度は悟自身が
ターゲットとなってしまったのです。
ずっと探していた真犯人は八代学――悟の担任教師であり
たびたび相談に乗ってもらっていた信頼していた相手だったのです。
2人きりの車内ですべてを打ち明けられた悟は
八代の手によって殺されそうになります。
幸いにも一命を取り留めた彼でしたが植物状態になってしまい
15年もの時を眠って過ごすことに。
そしてようやく目覚めのときが訪れたのですが――
長すぎる空白の時間は悟から自由に動く体と
彼の生きた日々の記憶を奪ってしまったのでした。
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僕だけがいない街の最新刊のネタバレとその後の展開は?
植物状態から奇跡の生還を果たした悟でしたが
代償は大きく彼はリハビリに励んだり旧友たちと再会したりして
失った時間を取り戻そうとしていました。
悟が記憶している最後の時間は笛を失くして母とケンカした朝。
その後の記憶はまったくなく断片的にしか思い出せないのです。
ところが15年も眠っていたはずなのに
修学旅行のときのエピソードがスラスラ口に出たり
習った覚えのない画力や難しい漢字が書けたりすることに
違和感を覚えていきます。
失った記憶の中に大事な真実が隠されている――・・・。
ケンヤがまとめた空白の時間に関するファイルを読み
さらに確信を深めた悟は記憶を取り戻す鍵が
どこかにあるはずだと思います。
そんな矢先、彼は病院の庭でアイリと再会します。
本当なら知らないはずのアイリを見た瞬間
彼女のことを知っていると直感が走り――
アイリから語られる夢の話によって悟の中に失った日々が
怒涛のように押し寄せるのでした。
1度目の人生でアイリと過ごした時間
そしてヒロミや加代のいない学生時代。
衝撃の大きさからか悟は倒れ込み
再び約1年もの眠りにつくことに。
その中で自分には2通りの思い出が存在していて
みんなとは別々の人生を歩んできた記憶が
確かにあるのを知るのです。
僕だけがいない街
まどろむような眠りから目覚めた悟は
バラバラの記憶のピースを繋ぐことができるのは
おそらくアイリの存在だと思います。
「僕だけがいない街」の始まりは
きっとあの娘がいた時間にこそあるのだと――。
悟が植物状態になってからも独自に真犯人を追っていた
友人のケンヤは悟の母の友人である澤田のもとで弁護士になり
15年間真相を追及していました。
犯人の目星はついているものの
証拠が掴めず決定打に欠ける状況。
悟が目覚めた今、彼の記憶を呼び覚ますことが
一番の近道だと考えていました。
悟自身も自分の失った記憶の中に真犯人がいるはずだと考え
おそらく鍵を握っているであろうアイリに会いに行くことを決めます。
ところが寸前にアイリが大切な存在であり
彼女を事件に巻き込んでしまったことを思い出して
接触をはかるのをやめることに・・・。
そんな折、さざんかの集いという
イベントが行われることを知り
悟は病院で親しくなった久美という少女とともに
参加することにします。
15年植物状態になっていた少年として
有名な悟のことは当然真犯人も知っているはずで
大勢の人の前に出ることはリスクが高いことだと認識したうえ
悟は真犯人を誘い出すことで
すべてに決着をつけようと決意していました。
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僕だけがいない街の気になる結末は?
実はアイリとの再会を諦めた日
悟はすべてを思い出していたのです。
真犯人は担任教師の八代学であるということ
そして彼は現在では市議会議員の
西園まなぶと名前を変えているということを・・・。
さざんかの集いは八代が企画したイベントであり
きっとなにかを仕掛けてくるはずであると――。
ケンヤの予想では八代は久美をターゲットにしつつ
悟を殺人犯に仕立て上げようとしているのではないかというもの。
悟とケンヤはそれを逆手に取って
久美を守りながら八代の罪を暴くつもりでした。
順調に進んでいた計画でしたがケンヤが見守っていたはずの
久美が少し目を離した隙にいなくなってしまいます。
久美の行方を捜しながら悟は八代の
本当の目的に思いを巡らせます。
彼が本当にターゲットにしていたのは悟自身であり
久美はあくまで囮に過ぎなかったのです。
それはあの事件の日、クラスメイトの美里を囮に
悟を誘い出したのをなぞらえるように――・・・。
吊り橋のうえで対峙する2人。
悟が植物状態になってしまってから
生きる意味を見失ってしまった八代にとって悟の目覚めは
このうえない喜びであり幸福そのものでした。
同時に彼が抑制していた欲望を
ふつふつと湧き上がらせる存在でもあり・・・。
今度こそきちんと悟を手に掛けるべく罠を準備していた八代は
予想よりも早く自分のもとに辿り着いた悟に驚いていました。
いつもいつも悟は想像を超えた結果をもたらすのです。
それが本当に不思議でならないのだと言う八代に対して
悟は自分の人生は小学5年生を3回も繰り返していて
今は2回目の2005年を生きているのだと告白します。
僕だけがいない街
ケンヤでさえ信じなかったその言葉を
八代はあっさりと信じるのでした。
「そうだろうさ・・・世界中で唯一人、僕だけが信じられる話だ」
自分の予想をことごとく打ち破る悟の行動は
そう思うほうが合点いくのだと笑って。
八代は自身と悟の死を持って
すべてを終わりにしようとしていました。
善悪は自分の物差しで決めるべきものであり
他人に判断されるのは好まないのだと――。
しかし悟は確固とした瞳で八代を見据えて言うのです。
「そのどれも、先生の手には入らない」
炎に飲まれ始めた八代の体を抱きかかえるように
悟は橋から川へと身を投じます。
待機していたケンヤと澤田によって
船へ引き上げられる悟と八代。
こうして八代の罪はすべて白日の下にさらされたのです。
八代の犯した罪の半分以上は時効を迎えていましたが
無実の罪を着せられた人たちにとっては
かえがえない真実が返ってきました。
その後、悟は1度目の人生では果たせなかった
漫画家としての成功をおさめます。
眠りについた15年間のない世界の記憶は徐々に薄れつつあり
あれ以来再上映-リバイバル-は起こっていませんでした。
悟はこれが正しい未来だということだろうと思います。
“僕”だけがいない街、その空白の時間は
かけがえのない人たちが埋めてくれていたのです。
真っ白な雪が降る中、思い出にふける悟の前に
1人の女性が駆け寄ってきます。
「一緒に、雪宿りしてもいいですか?」
もう接点を持たないはずの大切な人
アイリは笑いかけてそう尋ねたのでした。
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僕だけがいない街の感想は?
伏線がいくつも張られているので
読み返すたびに見えてくるものがあります。
僕たちがいない街は手に取るたびに何度も
新しいものを気付かせてくれる不思議な作品です。
あのとき、ああしていれば・・・時間を巻き戻せれば・・・。
きっと誰しも過去の失敗を悔やんで失われた時間を
遡りたいと願ったことがあるのではないでしょうか。
悟はそれを叶える力を持っていますが
彼自身にもその力をコントロールすることはできません。
リバイバルといえば聞こえはいいですが
強制的に繰り返される過去は
悪夢のようなものかもしれません。
救えなかったときの無力さや成功しても
自身の大切なものを失ってしまうのですから。
それでも前に進み続けられる悟は
芯に確たるものを持つ強い人間かもしれませんね。
僕だけがいない街
物語の後半で目覚めた悟を見守ってきた
母の回想シーンが差し込まれています。
我が子の生を信じてきた母の気持ちが
読み取れるモノローグなのですが
あるシーンを挟んでいつの間にか八代の
モノローグへとすり替わっているのです。
初めて読んだときはどこからどこまでが
彼らの言葉なのかわからずに混乱してしまいました。
あまりにも鮮やかな切り替えだったので
ゾクッとしたのを覚えています。
私が母の心境を思って胸を震わせながら読んでいたはずのものが
実は八代の心を吐露したものだなんて・・・。
僕だけがいない街は全9巻ですが
本編としては8巻で完結となっています。
9巻は悟が眠っている間の空白の時間がメインになっていて
あの事件以降、みんながどのように
それぞれの人生を生きてきたかが描かれている
補完の意味合いが強いサイドストーリーなのです。
そして新しく始まる物語のプロローグも収められています。
僕だけがいない街を読んだことのないあなたも
マンガや映画までチェックしているあなたも
ドラマ化の前にぜひ手に取ってみてくださいね。
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