中学生の危うい精神状態を描いた『惡の華』は
押見修造先生による青春サイコロジカル漫画です。
主人公の中学生男子が引き起こした小さな過ちから
彼に係わる2人の女生徒たちと共に己の感情や
常識といった類の精神の葛藤や崩壊が描かれています。
2011年には「このマンガがすごい!」のオトコ部門でランクインを果たし
アニメ化により多くの若い読者層からも支持を受けた作品です。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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惡の華のあらすじ!日常が壊れた瞬間
物語の主人公である春日高男は中学2年生の一見はごく普通の少年です。
彼の趣味は父親の影響か読書であり特にボードレール著作
『悪の華』がお気に入りでもありました。
ですがテストの成績は芳しくなく自身の内面と
社会との隔たりに不満を溜め込んでもいるのです。
さらに内向的かつ潔癖症なうえ自意識過剰な性格も相まって
クラスからの評判は決して良い方ではありません。
そんな春日でしたがクラスのアイドルである美少女・佐伯奈々子に対し
以前から密かな恋心を抱いていました。
![惡の華](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/KD717760.jpg)
惡の華
ところがある日のこと誰も居ない放課後の教室で偶然や
出来心とが相まって彼は奈々子の体操着を盗んでしまいます。
しかし運悪くその現場をクラスの嫌われ者である
女子の中村佐和に目撃されてしまうのです。
こうしてその日を境に春日は自分へと繰り返される中村の異常な命令や
罵りの言葉に甘んじて受けなけるようになるのでした。
思春期のただなかに有る少年少女たちの世間と自分との
存在の隔たりや閉塞感に対する苛立ちとそれを瓦解するための
異常な行為や背徳が余すことなく詰め込まれた作品です。
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惡の華のネタバレ!後戻りの出来ない過ちの渦中
憧れである奈々子の体操着を盗んでしまった春日はそれをネタに
教師にさえ辛らつな言葉をぶつけた佐和により脅迫を受けるようになります。
それは金銭や肉体的苦痛を伴う行為ではなく精神的な圧迫や
自身の内面に眠る部分を暴かれるつまりは自我の危うい部分を
露呈しなくてはならない「破滅行為」だったのです。
例えば盗んだ奈々子の女子用体操着を男子である春日は
佐和の前で着用することを強いられます。
自分の体操着が盗まれたことで泣いていた奈々子を尻目に
春日は佐和から自分の姿の異常性やその性癖性について
罵られ蔑まされてもしまうのです。
![惡の華](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/KD717760.jpg)
惡の華
最初こそ苦痛や脅迫概念を感じていた春日でしたが佐和との関わりにより
段々と自分の心が開放されてゆくことに気付きます。
更には佐和こそ自分の理解者であり自分を彼女に合わせるよう
その異常性はいつしか犯罪となりうる禁断の域さえ軽々と凌駕してしまうのです。
ところが春日にとって憧れの対象であった筈の奈々子が
彼へと好意を向けるようになるのです。
それは取りつくろいながら生きてきた自分を春日だけが
違う目で見てくれていたのだと感じていたからでした。
未熟で人生経験の少ない少年・春日が自身の恋心と
その奥に生まれた背徳との矛盾に翻弄されるさまは
読んでいる私たちにも緊張や背徳とが伝わるようです。
佐和との関係から春日を救おうと奈々子は中学生とは思えない
行動を起こしますがそれは是非ともコミックスにてご確認下さい。
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惡の華の感想!クソムシたちの正体
思春期を迎え自分でも御しがたい感情に振り回される少年少女の姿。
彼らの姿に私たちは自分を完全に重ねることは無理かもしれませんが
その感情の無効に眠っているドロドロとした人間の“本性”には
少しだけ思い当たる節があるやもしれません。
人は誰もが周りから「良い人」と思われたく
自分の中の激情や衝動を隠しながら生活をします。
ですがこの作品で春日は佐和という少女と出会うことで
まるで“パンドラの箱”を開くような形で自分の内面のおぞましさや
エグさと向き合いそのことに絶望ではなく歓喜を覚えるようにもなるのです。
![惡の華](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/KD717760.jpg)
惡の華
作中にて佐和は「クソムシ」や「変態」と春日や周りの人々へと
容赦の無い毒を吐き続けていましたがそれは佐和自身が
自分へと向けた罵りのようにも感じられました。
その台詞や設定の異常性ばかりが取り上げられがちですが
思春期独特の閉塞感や孤独感から生まれたであろう彼らの切羽詰った
ギリギリな感覚をこの『惡の華』から読み取って見てはいかがでしょうか。
作品で主題となっている「目玉が付いた花」が
そんな貴方の姿さえもジッと見ているのかもしれません。
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