佐々木倫子先生の作品のHeaven? 〜ご苦楽レストラン〜。
フランス料理店で勤める伊賀観。
接客業としてのスキルは最高でも彼には致命的な欠点が・・・
それは“笑うことが出来ない”こと。
接客業を諦めかけたそのとき
理想のレストランづくりに誘われて??
人と人との関わりの大切さに改めて気づかされる
ハートフルストーリー。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜のあらすじは?
フランス料理店のレストランで働く伊賀。
接客業に誇りを持っている彼だったのですが
唯一の・・・そして致命的な欠点を抱えていました。
それは”笑うことが出来ない”こと。
彼なりにやわらかい表情を作っているつもりでも
周りの人から見たら頬の筋肉が多少動いた程度。
そのために客とのトラブルは絶えなかったのです。
一方の伊賀は決して笑わないことを
心に誓っているわけではありません。
客に対してサービスを提供する中で
どうして面白くもないのに笑わなければいけないのかが
分からなかったのです。
そんなあるとき、いつものように
ガラの悪い客に絡まれてしまった伊賀。
彼らに媚びることもなく笑って対応をすることもなければ
謝ることもない伊賀自身も自分が接客業には
向いていないのではないかと悩み始めていました。
店を辞めることを考え始めていた伊賀に
声をかけてきた女性がいました。
それは伊賀がお客と揉めている姿を見ていた
女性客の黒須仮名子でした。
Heaven?
彼女は伊賀にこう声をかけます。
「一緒に理想のレストランを作らないか」
その言葉を聞き迷いながらも務めていたフレンチを辞め
彼女に指定された集合場所へと向かっていきます。
時刻は0時――・・・。
そして向かう先は墓地?
何か怪しい出来事に巻き込まれ始めたのではないかと
そう恐れはじめた伊賀だったのですが
そこには同じように彼女に召集されたスタッフが
続々と集められていました。
場所を間違えたのではないかと恐れる伊賀の目の前に
突如場違いなレストランが姿を現します。
そこはレストラン「ロワンデイシー」。
これこそが黒須が始めようとしていた
理想のレストランだったのです。
そしてそのレストランで
伊賀の新しい生活が始まることとなるのでした。
しかし、その新しい生活は伊賀が思い描いていた
接客業とは全く異なるものだったのです!
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Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜のネタバレとその後の展開は?
ロワンデイシーに到着したその夜に
伊賀をスカウトしたことを
すっかり忘れていたオーナーの黒須。
「スタッフに必要なのはオリジナリティ。
あなたは良いサービスマンになる」
しかし、この黒須の言葉に心をうごかされ
伊賀はこのレストランで働くことを決めました。
駅からも繁華街からも遠く離れた墓地の中に建つレストランで
こうして新しい人生がスタートします。
オーナーの黒須は強引で大食漢。
その他の従業員は元美容師見習いで天真爛漫な川合
境遇に恵まれてこなかったけれど
腕は一流の天才シェフの小澤
資格取得を趣味としているワインソムリエの山縣
そして牛丼屋で5年間店長を務めた堤の4人。
小澤以外はフレンチを経験したことがなく
川合に至っては飲食店は未経験。
素人ばかりが集まったレストランだったのですが
黒須にはこのメンバーで最高のレストランを作ることが出来ると
そう確信があったのです。
Heaven?
そもそも黒須はどうしてレストランを
オープンさせようと思ったのか?
それはほかでもない
ただ彼女の欲求を充足させるためだけのこと。
大食漢で職に対する執着が誰よりも強い黒須は
自分の気分のままに食事を楽しみたいという
欲求を叶えるためだけに
レストランをオープンさせてしまったのです。
そのためお店が繁盛するとかお客さんの満足度が高くなるなど
本来大切にされてきたことに関しては全くの無頓着。
そんな超変わり者の黒須だったのですが
自由な彼女の発言はどこか的を得ていることも多い。
それぞれ欠点を抱えながらも奔放な彼女に振り回される中で
いつしか従業員たちは団結を示し始めるのです。
頼りないオーナーを支えるためにまとまりを見せる彼らたち。
しかし黒須が大きなストレス源になっていることには変わりがなく
いつ来るかもわからない彼女への対応に追われる日々。
滅多にないことですが
黒須が確実に店に来ないと分かっている日は
自然と心浮き立ち普段なら気になるようなことも
穏やかに対応することができます。
オーナーの思い付きに振り回され
フレンチのお節なんで無理難題に挑戦しながらも
いつしか仕事の楽しさを感じ始めていた伊賀。
しかし、そんな生活は突然終わりを告げるのでした。
オーナーがこの土地を選び
そこでフレンチを開くことを決めて始めたこのレストラン。
しかし実際のところ選んでいたのはお店の方であり
彼はまたお店に選ばれた人物でもあったのです。
そうして突然に終わりを告げたレストランでしたが
伊賀の人生はそこで終わるわけではありません。
束の間の蜃気楼のような時間に実体はなくても
確かにそこには思い出があるのです。
そんなちょっとした時間が彼に大きな影響を与えていきます。
そしてその先に見えてきたのはHeaven??
天国だったのでしょうか?
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Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜の感想は?
破天荒なオーナーと個性的過ぎる
従業員たちのやり取りが濃密で
1つ1つの話のコマワリまで細かくて
途中で頭が痛くなるときもありましたが(笑)
面白く最後まで読ませてもらいました。
何より印象的だったのが最後のお店の終わりかたです。
Heaven?
まさに店が彼らを選んでいたんだなということが
伝わってくるような終わり方でした。
ドラマ化もされる本作
どのように実写化されるのか楽しみです。
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