湯川義弘先生の作品の地球脱出~カルネアデスの絆~。
高校生の宮澤抱助はある日見知らぬ男から声をかけられ
強引にUSBメモリを渡される。
後日、TVから政府の緊急放送が流れ
近い将来に超巨大太陽光フレアの影響で
地表に人類が生存できない可能性があるという。
抱助が男から渡されたものは政府が用意した
脱出用宇宙船に乗るためのチケットだった!
生死を分けるそのチケット“PU”を巡って
壮絶な争奪戦が幕を開ける!!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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地球脱出~カルネアデスの絆~のあらすじは?
高校生の宮澤抱助は病気療養中の姉と二人暮らし。
どしゃ降りの雨の日
抱助は見知らぬ男から声をかけられます。
その男は抱助に渡したいものがあると言い
抱助がしゃべろうとするのを遮って
USBメモリのような機械を取り出しました。
とにかく時間がないと急いでいるような男は
訳が分からない抱助の動きを封じて
強引に虹彩認証と指紋。
DNAをその機械に読み込ませます。
あまりの強引さに抱助は文句を言いますが男は逆ギレ。
政府の役人だという男は
抱助が17歳の高校2年生であること
両親はすでになく病気療養中の姉と国の補助金で
生活していることまで調べ上げていました。
そしてその機械――
男が“PU”と呼んでいるそれを抱助に持たせると
それが何か知りたければ家に帰って
TVの前に座ってろと言い残し去っていきました。
地球脱出~カルネアデスの絆~
家に帰ると今日は具合が良いらしい姉
小夜子が出迎えてくれました。
すると、いきなり街中にサイレンが鳴り響き
TVが勝手についたかと思うと
政府からの緊急放送がはじまったのです。
その放送は今後地球を
未曾有の災害が襲うというものでした。
それは太陽光フレアが原因で
通常であればそれが地球に及ぼす影響は
微々たるものなのですが
調査で今後その何万倍もの威力を持ったものが
地球に到達するというのです。
地球に今後住めなくなる可能性を考えた政府は
脱出するための宇宙船を開発し
それに乗れる国民を無作為に選び
すでにチケットは配布済みだと言います。
その放送を見て小夜子はそんなことが本当にあるんだと
あまり本気にしていない様子。
それよりもいつも通りの生活を続けようと
夕食を作り始めました。
政府が言った宇宙船に乗れるチケット――
抱助のもとには不審な男から渡された
“PU”という謎の機械があって・・・。
サイト内より【地球脱出】と検索。
地球脱出~カルネアデスの絆~のネタバレとその後の展開は?
未曾有の災害により近い将来
地球に人類が住めない可能性があることが
政府から発表されました。
災害が起こる前に人類を脱出させようと
政府は宇宙船を用意したと言いますが
それに乗れるのはほんの一握りの国民のみ。
高校生の宮澤抱助はある日、政府の人間だという
不審な男からUSBメモリのような形をした
“PU”という機械を渡されます。
実はそれは宇宙船に乗るためのチケットでした。
政府の放送から数日たち
PUの存在はうわさ程度ですが
ネットなどで国民に広まっていました。
そんな中、抱助に1人の女子が接触してきます。
自身もPUの持ち主だということを明かした
自称女子高生・流華は
抱助にPU同士が場所を確認できるので
追跡してきたことを明かします。
当然、他のPU所有者にも
居場所がばれる恐れがあるため
その機能をオフにすることを
教わった抱助ですが時すでに遅し・・・。
全身白ずくめの集団に襲われる羽目になってしまいます。
地球脱出~カルネアデスの絆~
どこかのカルト教団ぽい3人組に
PUを奪われそうになった抱助たちでしたが
流華が持つPUの能力で間一髪難を逃れます。
その頃、政府側では抱助にPUを渡した男
不破が危機に立たされていました。
誤って危険なプロトタイプのPUが
出回ってしまったとのことで
早く回収しなければクビだと
そう総理に告げられてしまいます。
抱助、流華、謎の組織、そして政府・・・
様々な人々の思惑が交錯し
PUの争奪戦が繰り広げられていきます。
流華は抱助の姉・小夜子が
病気であることも調べていて
その病気は太陽光フレアが原因であること
地球から脱出できれば
病気は改善すると抱助に言います。
そして自分と手を組んで
小夜子の分のPUも手に入れようと持ち掛け
2人のPUをシンクロさせていつでも位置情報や
暗号トークなどができるようにしました。
流華はPUの機能だけでなく
地球を襲うであろう太陽光フレアの
災害についても詳しく抱助に語ります。
一方、謎の組織――
「プリミエティブマインド」の中心人物
詩音が抱助の高校に転校してきます。
大胆にも抱助に接触してきた詩音は
小夜子の病気の原因となっている
太陽光を遮るローブやカーテンを持参し
自分たちに協力をしないかと持ち掛けてきます。
そうすれば抱助のPUに手出しをしないどころか
小夜子の分のPUも用意するというのです。
抱助はその提案を受け入れてしまいますが――・・・!?
そして明らかとなる流華の正体とその思惑
また政府からは不破の罠が抱助を襲う!!
果たして抱助はPUを守り抜き小夜子とともに
地球を脱出することができるのでしょうか?
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地球脱出~カルネアデスの絆~の感想は?
未曽有の災害が地球を襲い
そこを脱出するすべを与えられた
ごく一部の人間たちによる激しい争奪戦。
災害、といえば日本でもたびたび起こっている
地震や火山噴火に水害などを想像しますが
地球に人が住めなくなるほどの災害なんて
考えただけでもゾッとしますよね。
でもただ単にフィクションだけじゃない怖さが
この物語の中にはありました。
それだけでなく本作では
地球を脱出する宇宙船のチケット「PU」――
配布された本人しか助からないチケットの存在も
さらに混乱を招く要因となっています。
地球脱出~カルネアデスの絆~
今のところPUを持っている
人間の争いがメインで描かれていますが
主人公である抱助を取り巻く登場人物たちには
秘密や謎が多々あります。
流華や「プリミエティブマインド」の詩音
詩音の兄で組織のトップらしい人物も登場し
彼らの思惑や狙いが果たしてどこにあるのか
気になるところです。
タイトルにもある「カルネアデス」というのは
古代ギリシャの哲学者・カルネアデスの出した問題
「カルネアデスの板」がもとになっていると思われます。
船が難破し海に投げ出されたとき
同じ板につかまろうとする者を
助けるか、見捨てるか・・・。
1人しか助からない状況のとき
もし後から来た者を突き飛ばし
死なせてしまったとしたら殺人罪に問えるのか?
という問題です。
このことを知ってから読むと
また違った感じ方を受けると思います。
物語の設定が面白いのもありますが
絵が綺麗で内容も入ってきやすいので
あっという間に読めてしまいました。
SF好きな方、サスペンスやサバイバルものが好きな方には
おススメの作品です。
ぜひ手に取ってみてください。
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