垣野内成美先生の作品の吸血姫 夕維―香音抄―。
傷を負い名前も声も失くした少女・・・
桜に愛された彼女の名前は夕維と言いました。
何も思い出せない彼女を巡り争う黒い影と
彼女を助けた神父が対峙したとき全てが動き始めます。
人間の血を吸うヴァンパイア。
その中で“吸血姫”と呼ばれる少女の悲しい運命の物語。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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吸血姫 夕維―香音抄―のあらすじは?
深い傷を負った着物姿の少女が辿り着いたのは
人里離れた場所に建つ古びた教会でした。
まるで庭に咲く桜が少女を呼び寄せたように感じながら
教会で1人暮らす神父は少女を介抱することにします。
ところが驚くことにあんなに深かったはずの少女の傷は
数日のうちに消え去っていました。
おまけに名前も声も忘れてしまった様子の少女に
神父は優しく接します。
吸血姫 夕維―香音抄―
そんな中、村人が神父を訪ねて押し寄せて来ました。
なんでも池のほとりに血が抜かれた死体があったとのこと。
それまではペットや家畜の血が抜かれた事件が多発していたようですが
今度はとうとう人間が犠牲に・・・。
村人たちの間では吸血鬼の仕業だと騒ぎになっているようですが
警察が取り合ってくれないと神父に助けを求めてきたのです。
その村人が話す声を聞いた少女は不安にかられます。
“吸血”、“池”という単語に何故か少女は恐ろしさを覚えていました。
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吸血姫 夕維―香音抄―のネタバレとその後の展開は?
その夜、強い風に揺れる窓の音が響く中、窓の外に黒い影が・・・!
鍵をかけ閉まっているはずの窓が開き黒い影は中へと入ってきて
少女に向かって“夕維”と声をかけます。
そして聞いたことのない名前に恐怖で震える少女の脳裏に
さまざまな光景が広がります。
自分の姉であり母であるという着物の少女の姿。
彼女の声で語られる数々のことに少女は混乱し叫び声を上げ
その声に駆け付けた神父にすがり少女はただ泣くばかり。
吸血姫 夕維―香音抄―
そんな彼女の様子に不機嫌そうな青年が1人・・・。
教会の屋根に平然と立つ青年に宙に浮かぶ人影が笑いかけます。
なにやら少女のことを知っている風の2人は一悶着起こしますが
少女はそんなこととは知らぬままです。
翌日、出掛けていく神父を見送り少女は1人不安にかられます。
頭を撫でてくれた神父の手の大きさに
父親の記憶さえないことに気付かされたのです。
何も覚えていないことへの不安・・・
そして昨夜見た夢はただの夢だったのか。
彼女を“ゆい”と読んだ青年の神父と同じく大きな手を思い出し
忘れてしまったことに苛まれる少女・・・。
果たして彼女は何者で吸血事件の犯人とは誰なのでしょうか?
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吸血姫 夕維―香音抄―の感想は?
私が本作に出会ったのは単に表紙の絵にとタイトルに惹かれたからでした。
“吸血姫”と書いてヴァンパイアと読み
“運命”と書いて“さだめ”と読むみたいなのが
単純に好きだったんですね。
でも読んでみるとこの世界観の虜になりました。
舞台は日本で時代的にも現代に近い感じで違和感はありませんが
ただ夕維を初めとする主要キャラクターは着物姿をしています。
少しネタバレにはなりますがこの夕維の話に出てくる
1つ結びの着物の少女がいます。
彼女の名前は美夕。
夕維の姉であり母であると語る彼女がいなければ
夕維はいなかったかもしれません。
美夕の物語はまた別に存在し彼女もまた
悲しい運命を負い生まれてきた少女です。
そして彼女によって夢を与えられた女性
小百合が夕維を産んだ母親なのですが
彼女が契った相手が“神魔”と呼ばれる存在だったのが
夕維の誕生の発端でした。
吸血姫 夕維―香音抄―
実はこの夕維の誕生の物語は別のお話として描かれています。
本作は前作の続編という形ではあるのですが
そのまま読んでも問題はないと思います。
この吸血姫(ヴァンパイア)シリーズは美夕、夕維をはじめ
さまざまな主人公の作品があるのですが
私はこの夕維が一番気に入っています。
なにより可愛い。
そして黒髪に着物姿がよく似合っているのと
桜とのコラボレーションが素敵なのです。
他にも気に入っているキャラクターはたくさんいるのですが
美夕の話であったり他の作品のキャラクターなのでここでは控えます。
ただそれぞれのキャラクターが抱える寂しさや悲しみが
この吸血姫シリーズの魅力的です。
みなさんも永遠の時を孤独に生きる少女たちの物語を
一緒に見守ってみてください。
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