新堂冬樹先生と八潮路つとむ先生、そして西崎泰正先生の作品であるカリスマ。
優しくて美しかった平八郎の自慢の母。
あることがきっかけで、彼女は新興宗教の熱心な信者になってしまいます。
家族に訪れた不協和音そして残酷な事件。
幼い頃のトラウマを抱えた少年が志した道とは――?
宗教のおそろしさに震える作品です。
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カリスマのあらすじは?おそろしい事件の始まり
節分の日、小学校のあるクラスでは豆まきをしており、主人公である岡崎平八郎は、鬼に扮してひょうきんな仕草で
クラスメイトたちを笑わせていました。
そこへ、鬼のような形相をした女性が飛び込んできます。
平八郎の名を呼びながら彼の頬を激しく打ち、慌てて止めに入った担任に向かって、彼女は平八郎の母だと名乗ります。
平八郎の母は優しくて美しい母親として、参観会でも目立つ存在でしたが、今、我が子を責めるその姿は、美しさとはかけ離れていました。
「節分なんて背教的で不道徳なことを子供たちにやらせるなんて!
そんなだから日本は悪魔に支配されるのよッ」
母は担任を怒鳴りつけると、平八郎を引っ張って連れ帰り、布団たたきで折檻される平八郎。
カリスマ
母は悪魔から息子を守るためだと釈明し、母に抱きしめられながら、平八郎は静かに涙を流すのです。
母は宗教に盲信していて、生活のすべてを『メシア』に捧げていました。
家事はしないので部屋は散らかりっぱなしで、夕食も大豆と野菜のみ。
母いわく、肉食は人間を動物化させて犯罪者を生み出すもので、父の説得にも母は聞く耳を持ちませんでした。
学校でも平八郎の母のことが噂になっていました。
人気者だった明るい平八郎も次第に塞ぎ込んで、1人でいることも多くなります。
そしてクリスマスの日、事件が起こってしまいます――。
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カリスマのネタバレやその後の展開は?
クリスマスの夜も母はメシアの元に出かけていて、平八郎は1人で例の質素な食事をしていました。
そこへ父が、クリスマスのディナーを買って帰ってきました。
テーブルに並ぶのは、久しく食べていないおいしそうなお肉やおかずで、どれも平八郎の好物です。
父は母のことを精神病院に入院させようとしており、パンフレットも用意して、こうするほかに母の病気は治らないと・・・。
けれど平八郎は、精神病院に入院させることをよく思っておらず、入院させなくても母を正気に戻す方法はあるはずと――。
心を込めて描いた絵を見せれば、母は元の優しく美しい母に戻ってくれるはずと、平八郎は信じていたのです。
そして彼は、帰ってきた母に1枚の絵をプレゼントします。
それは、クリスマスを親子3人で過ごす楽しそうな絵で、平八郎の想いのすべてを注ぎ込んだ、祈りの絵でもありました。
絵を見た瞬間、母の顔が冷たく凍ります。
「こんな異教の絵を描くなんて
平八郎は悪魔に取りつかれたのだ」
母は抱きしめるかわりに、平八郎の首を絞め上げたのです。
異変に気付いた父によって平八郎は助かりますが、母の狂気は止まりません。
母は包丁を持ち出してくると父を刺殺し、そして自らも身体を裂いて自殺したのです。
残酷な事件から数年後――・・・。
宗教法人「神の郷」が物語に登場します。
救世主として君臨する、神郷宝仙を名乗る巨漢の教祖。
見るからにいやしく、うさんくさい風貌の男。
カリスマ
実はこの神郷宝仙こそ、あの平八郎だったのです。
幼い頃のトラウマから、彼は他人にも自分と同じ経験をさせなくては、気が済まなくなっていたのです。
信者を洗脳して金を巻き上げたり、女性信者には体を差し出させたり・・・。
目障りな信者は、魂を教祖のもとに帰して罪を浄化するのだという名目で、殺害することすらありました。
神の郷から家族を取り戻そうと、脱会をサポートする会も登場します。
ただ、信者を取り返すのは容易ではありませんでした。
神郷宝仙の洗脳は強力で、正気に戻せる確率はわずか20%だと言います。
ある日、神の郷が運営するセミナーに、1人の女性がやってきました。
城崎麗子は息子の合格祈願のために、このセミナーに参加したのです。
セミナーは名目こそ立派でしたが、実際は信者集めや資金調達の場でした。
麗子の存在を知った平八郎は、彼女をどうしても手に入れたいと思います。
それは、麗子が亡き母にそっくりだったからです。
自身の失った愛情の続きを、彼女から得られるかもしれないと平八郎は考えました。
洗脳されていく麗子を、彼女の夫と脱会カウンセラーたちが救い出そうとします。
断固として麗子を手に入れようとする平八郎。
そして物語は、まさかの展開を迎えます。
まさに大どんでん返しの先に、明らかになる真実とは――?
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カリスマの感想は?
試し読みをした段階から、このおそろしい作品の虜になってしまいました。
平八郎が教祖になるなんて、まさかの展開。
彼は自身に起こったことの復讐をするかのように、自己本位な人生を歩んでいきます。
優しい母を取り戻そうとしたあどけない彼は、どこに行ってしまったんだろう。
カリスマ
平八郎の悪行を、読みながら悲しくもなりました。
それにしても、洗脳って本当におそろしいですね・・・。
平八郎のようにいかにも卑しい醜い男の言うことを、絶対だと思ってしまうんですから。
正気ならありえない状況。
人心掌握に長けているって、こういうことなんでしょうか。
母に生き写しの麗子の登場によって、物語はどんどん加速していきます。
ラストは本当に、アッと驚く展開でした。
ぜひ読んで楽しんでもらいたいので、結末部分についてのネタバレは伏せておきました。
人の心理を巧みにつくこの作品、一読の価値ありです!
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