なかのゆみ先生の作品の貧困の家。
弟を亡くしそのことが原因でうつ病や失語症になった母。
中学になった美加はいじめに遭いピアノの発表会で
自分をいじめる同級生を見返そうとするのですが・・・。
愛情の欠損した家で育った犯罪に走る
少年と出会ってしまった美加の運命はいかに――?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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貧困の家のあらすじは?
家族4人でキャンプに出掛けました。
川は冷たくて気持ちが良いものの流れが速く
川に入るのはお父さんだけ。
息子の透にも流れが速いから入ってはダメと言い
透もお父さんの言ったことに返事をしました。
そんなときお母さんがお腹が空いたからと
バーベキューを作ろうと言いました。
お父さんも手伝うと言い残されたのは姉の美加と透だけ。
透は鮎とか釣れないのかと魚に興味津々。
姉の美加はというとかわいい石があると石を見つけています。
そんなとき透が魚を見つけ川に入ってしまい
流されてしまったのです・・・。
美加に助けを求めようとしても美加はお父さんやお母さんの方へ
向かって歩いて行ってしまっています。
お父さんお母さん助けてと思う透ですが
誰にも気付いてもらえなかったのです。
そしてお母さんが透がいないことに気が付いたときには
近くで釣りをしていた人に子どもが流されていると言われ・・・。
楽しい夏休みのキャンプのはずが透が亡くなり
その日以来お母さんは口を開かなくなってしまいました。
お母さんが診断されたのは失語症。
それからは雨の日も透が育てたひまわりを毎日毎日
飽きもせずに世話をしています。
そんなときお父さんの会社でリストラが行われ
お父さんも広島へ転勤することに。
しかしお母さんは透の想い出がいっぱい残っている
この家にいたいと・・・。
美加も転校したくないと言い家族みんなで広島へ行っても
新しい環境で生活できるほどお母さんは気力がないと思うと
お父さんは言い1人で単身赴任することにしました。
4人家族だったのに2人になってしまい淋しくなりますが
コミュニケーションをとるために毎朝7時に広島に電話をし
お父さんを起こすことにしました。
呼び出し音を4回鳴らして切る
そしてお父さんもかけ直して4回鳴らして切る・・・。
これなら電話代がかからないしお互いに家にいることが
確認できると提案したのです。
ですが美加はたまには自分が出るから話をしようと言い
お父さんもお母さんに声を聞かせたいと言い
離れていても繋がっていこうとしていました。
それからお父さんは広島へ行き透のひまわりも枯れてきて
それでもお母さんはひまわりのそばにいます。
そんなお母さんのために美加は毎日ピアノの練習をし
ピアノの発表会で上手に弾くことができれば
お母さんの笑顔が見れると思っていました。
ピアノだけじゃなく勉強も頑張りいい点を取っていましたが
お母さんの笑顔は戻ってこなく声も出ないのです。
そしてお母さんはひどくやつれ誰が見ても病人でした・・・。
買い物に出かければ生きてるのか死んでるのかわからないと
かわいそうだと言われてしまうほど・・・。
貧困の家
そんな中、美加は中学生になりました。
中学生になった美加の生活はひどく変わってしまったのです。
それはクラスの子に母子家庭なのかと
お母さんがバカなのかと言われます。
いつもボーっとして言葉も話せないし腐ったひまわりを
抱いて座っているところを見たとも言われ
何時間でもそうしていることから気味が悪いと・・・。
なんの理由も知らないクラスメイトは言いたい放題に言い
親子で売春でもして生活しているではとからかわれたりも・・・。
それからはおはようと言っても返事はなくシカトされ
先生が呼んでたと言われて行ってみると呼んでいなく
イタズラされたりわざと役員に推薦されたり
ノートや教科書に靴が隠されたりもするようになりました。
更にはお金を持ってこいと蹴られたり殴られたりし
どんどんいじめがひどくなったのです。
それでも傷ついている心をもっと傷つけると
お母さんには話せません・・・。
美加はお父さんに話があると助けてと電話で話し
ピアノの発表会には必ず行くからと約束しました。
うつ病で失語症で透の死から立ち直れないお母さん。
透が植えたひまわりの種を庭にまいて愛しそうに
大切にいつまでも土をなでています。
ですが美加がピアノを必死に練習しても
お母さんは見てくれません。
それでも発表会の時には筆談でいいから
上手になったと言ってもらいたい
同級生も何人か出るから父親もいるんだって
見せつけてやると頑張りました。
そして迎えたピアノの発表会。
久しぶりに両親の笑顔を見ることができ
同級生も家族で来ていると見せつけられました。
しかし同級生の1人が1万円を払い妹役をやってと言い
兄がファンだと花束を持って美加に会いに行き
兄に会ってと言うのです。
ひまわりの花束をくれた美加のファンだという
兄に会いに行くことにした美加。
深見蓮という男性はバイオリンもやっていると言い
家にはピアノもあるから一緒に弾かないかと誘います。
蓮の家は立派な家。
両親はヨーロッパに出かけているそうです。
美加が案内された部屋には変な壁があります。
穴が開いていて椅子を使って向こうの部屋を
覗いてみてと言われ覗いてみる美加。
しかし蓮はもっと首を穴に入れてと言い隣の部屋を見る美加は
いい部屋だと言いますがそのとき蓮はいきなり美加が使う椅子を
足元から奪ってしまったのです。
椅子がなくなったことで宙ぶらりんになってしまう美加。
痛い、やめてと泣き叫ぶ美加ですが――。
そして壁に開いている穴は何に使われるものなのか・・・。
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貧困の家のネタバレとその後の展開は?
椅子はくれないものの苦しいからと台をくれた蓮。
美加は首が取れないと助けを求めますが
蓮はもう外に出れないと答えます。
蓮はいじめられている弱い子が欲しかったと
お金を払ってバイトの子に妹のフリをさせたのです。
今まで猫とか犬とかいろいろ殺してみたけど実感がないと
人間ならどうだろうと言います。
そんな蓮の父はお金持ちではあるものの
連の母も含め離婚し今の義母は3人目の奥さんだと・・・。
しかも壁の穴で父親は妻たちをお仕置きしており
小さかった蓮はそれを見てショックを受けたと言います。
義母たちはそのせいか腹いせに幼い蓮を虐待し
何年も続いた虐待のため自分の存在を確かめたいと・・・。
親の暴力は危険な子どもを作る
ぐずで気弱で泣き虫だった自分に
過酷な躾をしてくれたとも・・・。
未成年の凶悪犯罪が増えていて自分もそうなりそうだと
人を殺してみたいとも言います。
そして美加の母親がひまわりを好きなことも知っていた蓮は
花に囲まれて幸せにころされるのもいいだろうと
ひまわりを飾ってあげると・・・。
時間をかけてゆっくり遊びながら殺そうとする蓮。
父親がよくやっていたからSMは知っていると
SMにも興味があるとやり始めました。
洋服をナイフで切り刻みながら自分は悪魔で人を殺したい
犯罪をやって捕まらなければ何人でも殺してしまいそうだと・・・。
貧困の家
そんなとき美加の家にはピアノの発表会にも参加していた
同級生がやってきました。
中学になってからは別のクラスになってよくわからないけど
美加がいじめにあっていると思うとお父さんに伝えるのです。
しかもひまわりの花束を持ってきた女の子は
いじめグループの友人で他校の子だと
知らせておいた方がいいかとと家に来てくれたのです。
その子をファミレスで見たという情報を聞き
ファミレスに向かうお父さん。
ファミレスではいじめられっ子を紹介しただけで
5万もくれたと美加の話をしていました。
そして場所を聞き出したお父さんが蓮の家に行ってみると――。
週刊誌には連のことはいじめグループのことなど
記事になりましたがお父さんにより殺されることなく
無事に助けられた美加。
美加をいじめていた同級生も家庭裁判所へ送られましたが
転校するかと言うお父さん。
しかし美加は大丈夫だと言います。
ですがお母さんはいじめに遭っていたことも
殺されてしまうかもしれなかったことも何も気づいてあげられず
悪い母親だったと更には透のことばかりでいつもそばにいてくれる
美加のことを見ていなかったと泣いて謝るのです。
そして透のひまわりの種がとれたらみんなで広島にこないかと
お父さんが言い引越しをすることにしました。
引っ越すまでにお母さんの失語症が治ればいいと美加は言いますが
次の日の朝、美加が出かけようとするとなんとお母さんの声が――。
美加頑張れとバンザイと言いその後もお母さんのバンザイは
美加の心を温かくさせてくれるのでした。
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貧困の家の感想は?
川でのシーンとなりなんとなく予想ができた展開・・・。
悲しい展開ではありましたがそれにより
お義母さんが言葉を失ってしまうことに・・・。
そこから美加の人生は変わってしまいました。
特に中学生になってからは友達に母子家庭だと言われ
更にはお母さんのことをバカにされる・・・。
事情を知らないから仕方がないにしても
お母さんのことをバカなのかというのはひどいです。
もし自分の母親のことを同じように言われたら
絶対にひどいと思うことでしょう。
暴言だけじゃなく暴力も振るわれているのに
お母さんは透を失い辛いからと
黙って耐えているのが偉いですね。
そしてやっとお父さんに伝えようとしたところで
自分のファンだと招待された家での出来事。
貧困の家
誰もが予想しなかった急展開でしょう。
洋服は切り刻まれて裸にされてしまい
SMプレイまでされてしまっているところへ
お父さんが助けにやってきました。
もし美加の友達が心配してやってこなければ
美加の身に何が起きているかもわからずに
最悪の事態になっていたかもしれません・・・。
もう少しでお母さんは大事な子どもを
2人も失っていたのかもしれませんね。
大事なわが子が事故とはいえ亡くなってしまったら
きっと同じようになってしまうかもしれませんが
最後は声も出るようになり笑顔にもなれ
家族一緒に暮らすことにもなり良かったと思います。
その他にも旦那が借金を苦に自殺して
男に言われるがまま子どもを山に捨てて
保険金をもらおうとした女性のお話や
アルツハイマーになってしまった女性のお話など
母親としては心にくる作品がいろいろありました。
ぜひ一度読んでみてはいかがですか?
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