村上もとか先生の作品のJIN―仁―。
現代医療の知識と技術を持つ脳外科医──南方仁が
時代に誘われ不穏の影が蠢く幕末の動乱の時代へとタイムスリップ。
貧困に疫病に苦しむ人を救えるか?
脳外科医が挑む幕末に医療の光を射し込ませる
医師の挑戦の物語──。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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JIN―仁―のあらすじは?
西暦2006年6月東京の深夜。
それが全ての始まりでした・・・。
東都大学附属病院に緊急患者が搬送された身元不明、意識不明。
複数の打棒痕に刀傷の痕など重軽傷に覆われ
どこの誰であるのかはまるで解ら無い正体不明の
謎の患者の頭部にはただ奇形腫瘍だけが形成されていました。
脳内を圧迫し男を生死の境へと彷徨わせていた腫瘍を摘出するために
夜間当直にあたっていた脳外科医である南方仁は緊急オペを開始します。
無事に脳内の腫瘍を摘出するもそれは胎児の形をした
赤ん坊と見間違えてしまうような奇異な腫瘍でした。
摘出後、男は目覚めないまま意識不明のままに
集中治療室へと運び込まれ全てが謎のまま夜を終えようと・・・。
翌日、仁はその腫瘍を摘出した晩より
彼は不思議な声にさいなまれる事になります。
「ヤメテ! 離サナイデ!」
語りかける声にさいなまれながら
患者は目覚めないまま次の夜を迎えたとき――。
JIN―仁―
仁の運命は現代から過去へと紡がれることとなるのです。
意識不明の患者が集中医療室を抜け出し
薬品棚を荒し逃亡を図ろうとしていました。
病院全スタッフで捜索の最中、仁は階段で男を発見します。
男は自分から摘出された奇形腫瘍の標本と幾つもの薬品
そして救急切開縫合セットを抱え
息を切らしながら今もなお逃げようとしています。
詰め寄る仁を押しのけ逃げようとする男から
救急切開縫合セットを奪い取るも
弾みで落下する標本を追いかけ共に落下する仁。
引き込まれるようにして空間の歪みに飲まれ落下しているのか
飛んでいるのか解らない錯覚の中
彼は見知らぬ雑木林へと転がり落ちてしまうのです。
病院に居た筈なのになぜ外にと疑問を抱く間もなく
彼は別の時代へと流れ着いたのです──。
幕末の文久二年へと・・・。
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JIN―仁―のネタバレとその後の展開は?
幕末へとタイムスリップしてしまった仁は
唐突に侍たちの斬り合いの現場に出くわしてしまいます。
ペンライトの灯りで撃退するもタイムスリップした現実を
受け入れられずに混乱してしまいますが
彼の目の前には刀傷を頭部に受けてしまった侍が写ります。
混乱の前に医師の使命感だけを頼りに傷ついた侍を助ける仁。
頭部に受けた傷で血腫を患ってしまった彼を助けるために
脳の開閉手術を開始しますが医療設備の無い幕末の時代。
JIN―仁―
彼はノミと金槌を使い血腫の除去を開始します。
傷ついた侍の母親と妹が見守る中で行われる手術の中
仁は無事に手術を終えますがそこが幕末の時代には変わりなく――。
流れ着いた時代にどう向き合ってくのかが
今後のテーマとなっていく展開に目が離せません。
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JIN―仁―の感想は?
この作品の作者である村上もとか先生は
本作を書くときに遊女や遊郭の情報を集めていました。
その際に貧しく身売りされてしまう女性の現実や
また性病などで死んでいく女性達をせめて漫画で
救う事が出来るならとその発想の中で制作されました。
それまでの医療漫画では大抵の作品は
現代を舞台にした作品が支流でした。
医療漫画の金字塔でありまた医療漫画の代表作ともいえる
「ブラックジャック」など医療を題材にする作品の多くは
「救済」がテーマとなります。
JIN―仁―
救われぬ命を救うために医者が奮闘し活躍する作品の中で
SF要素を入れタイムスリップし過去の日本の世界で
本来救われぬままに命を落とした人々を救うと。
もしかしたら歴史を変えてしまう危険性がはらみながらも
それを成そうと奮闘し医者としての責務を果たそうとする
仁のカッコ良さが見どころとなります。
また考証に基づいた幕末の世界観やまた幕末の生活環境など
細かに詳細が書き出された内容は秀逸ともいえます。
医療漫画の新しい形を作りまた発想を見せた本作。
幕末の世界に挑む医師の物語が最大の見せ場となっています。
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