尾崎衣良先生の作品の『恋の実力 愛の才能』。
全編で2人の男性が現れてそれぞれのいいところと
悪いところをご披露する短編集。
良さそうに見えるけど実は欠点だったりぶっきらぼうに見えて
実はいいところだったりを堪能出来る4作品。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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恋の実力 愛の才能のあらすじ!いろんな種類の「憧れる恋」と「自分の恋」
冒頭「片恋のスペシャリスト」では恋愛上級者と言われる高校生・糸崎綾が
隣の席の尾道一真に片想いをしています。
ついつい見とれて彼に触れたいと思う綾。
恋愛上級者と自覚しているわけではないけれど
うぶでもないと思っている彼女の片想いは・・・?
恋の実力 愛の才能
その他「おやすみ真夏の月」では20歳で初カレができたものの付き合って3ヶ月なのに
とてもクールな彼との関係に寂しさを感じる里緒・・・。
表題作「恋の実力 愛の才能」では17年彼氏なしな上に
初めて告白されたのが既婚者だった菜月。
「独占ハッピネス」では先輩に片想いしていたはずが
いつの間にかいつも支えてくれる同級生に気持ちが・・・。
しかし彼には以前告白された時ふってしまっている苑子。
彼女たちの「彼」の姿が描かれます。
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恋の実力 愛の才能のネタバレ!羨ましい気持ちで目が曇る瞬間を集めてます
「片恋スペシャリスト」の主役は糸崎綾。
中学の時に大学生と付き合っていてそれが初カレだったわけでもない。
ひょんなことからそれが分かって同級生からは
恋愛上級者として恋の相談に乗る日々です。
綾自信は恋愛上級者と言わないまでも誰と付き合っても
ひどく舞い上がることもないだろうと思っています。
そんな綾はここのところ日直が一緒の尾道一真が気になっています。
お菓子大好きの一真は事あるごとにポケットから お菓子を取り出すキャラ。
綾がじーっと一真を見つめていて周囲が「尾道狙われてるぞ」と言っても
「狙ってるのはこれだな!」とお菓子を取り出しちゃうようなタイプです。
そんな一真が日誌を書いてる姿を見てはさらさらな髪や
思いの外たくましい身体にドキドキする綾。
ある日とうとう「キスしていい?」と尋ねてしまいます。
一真は自分はヘタなキスしか出来ないから
綾からキスしてくれるならいいよと。
まさか綾が自分のことを好きだとは思っておらず
キスのあとも「さすがだなあ。クラクラした」と笑っていい
そのまま日誌を届けるために教室を出てしまいます。
残された綾はむなしさを感じます。
一真が以前付き合っていた彼女とした子供みたいなキスに
自分のキスはかなわないんだと知り恋愛上級者と言われても
それは身体の関係を知っているだけで心の繋がる恋は
初心者なんだと知ります。
日誌を届けて戻った一真は綾の気持ちを聞いて真っ赤になり
もう一度キスのやり直しをするのでした。
恋の実力 愛の才能
「おやすみ真夏の月」では付き合って3ヶ月なのに甘さゼロ。
自分の誕生日で夏祭りの日にはサークルの友達と
遊びに行ってしまうような彼に寂しさを募らせる里緒。
高校から5年間付き合っている友人カップルが羨ましくて仕方がありません。
しかしその友人カップル男の方には浮気グセがあると分かります。
里緒は無愛想で手を繋ぐのも嫌がる彼だけど痛いといえば
エッチも途中でやめてくれるし一人で十分めんどくさいと言って
他の女に目を向けることにない彼氏に本当の優しさを少し感じるのでした。
「恋の実力 愛の才能」では既婚者に告白されたことを
隣に住む幼なじみに相談するも彼は絶賛モテ期中。
お前とその男じゃレベルが違うからやめろと言われて
菜月は逆にムキになってしまいます。
しかしよくよく話を聞くとレベルが違うというのは菜月が上で
浮気しようっていうその男は最低で超低レベルと言う意味でした。
超モテ期というのもちょっとした誤解で長い付き合いの2人は
友人から恋人に関係を改める予感で幕を閉じます。
最後の「独占ハッピネス」ではずっと好きだった先輩と付き合う事になった苑子。
見てるだけだった先輩と近づけたのは
自分に告白してきた高槻の協力のおかげでした。
でも先輩は苑子に本気なわけでなく受験を口実に
電話禁止で会いに行くのも禁止。
クリスマスも会えなくてほんの少しでもと
先輩の家に行くと他の女の人と一緒の先輩にばったり。
別れることになっても苑子のダメージはそれほどでもありません。
もうとっくにずっとずっと自分を支えてくれている
高槻に気持ちが移っていたからです。
そんな都合のいい話言い出せるわけもなく
高槻にできたらしき彼女とのことを応援すると
高槻の彼女はエア彼女だと発覚。
高槻はずっと苑子を好きなまま苑子の恋を応援していたのでした。
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恋の実力 愛の才能の感想!比べるのは良くないけどいい
全編通して主人公の「羨ましい」「寂しい」という気持ちを通して
2人の男を比べていきます。
主人公が浮気をするとかではなくて友達の彼氏が優しそうで羨ましいとか
バイト先の上司と同級生とかと言う感じ。
憧れる恋と実際に自分の身にふりかかる恋のギャップに
戸惑う思春期だと思いますが女の子はまさにそういう感じです。
男子の方は高校生や大学生にしては少々大人びた感はあります。
特に「おやすみ真夏の月」では彼氏のシャイで友達優先で
甘く出来ないところはいぶし銀のおっさんのよう。
でもそこが魅力なんです。
恋の実力 愛の才能
短編にまとめあげているのであと少し男子側の心が
見えるエピソードがあったらいいのにという物足りなさは少々ありますが
女の子の寂しいという気持ちは十分に伝わってきます。
深刻に考えず「寂しいあるある」と思って気軽に読みたい一冊です!
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