入江喜和先生の作品のたそがれたかこ。
45歳、バツイチ独身。
母親と静かに2人で暮らしているたかこの生活は
これからも変わらないだろう。
そのことに不満はなくとも一抹の不安は残る。
そんな彼女の人生を少しだけ変える出来事が起こった。
その小さな変化がもたらす“ありふれた日常”が
丁寧に描かれた素敵な作品!!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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たそがれたかこのあらすじは?
片桐たかこ、45歳のバツイチで独身。
旦那とは離婚しており中学生になる一人娘の一花は
旦那と一緒に暮らしています。
ぼろぼろのアパートの大家でもあるたかこは
耳の遠い母親とアパートの一室で2人暮らし。
生計を立てるため社員食堂のパートで働いています。
暢気な母親は今日もマイペース。
45歳になるたかこのことを過剰に心配しているかと思えば
最近はまっている芸能人が出てくる番組を見ると
少女のように目を輝かせるのです。
それに引き換え自分は地味でおとなしく
職場の人ともうまくなじむことができていない。
これから先、自分は母親の面倒を見ながら
死んでいくのかと思うと夜な夜な涙が出てきてしまう。
誰かに話を聞いてほしいような気もするけれど
具体的に何か相談があるわけでもない。
そんなときは決まって安酒を片手に夜の街を散歩する。
たそがれたかこ
誰かに迷惑をかけているわけでではない
だけどこの漠然とした気持ちを
持て余してしまっているのです。
たかこがいつものようにセンチメンタルな気持ちに浸っていると
男の人に声を掛けられました。
変質者だと思って警戒をしていると
その人は最近近くにお店をオープンしたとのこと。
やたら気軽に声をかけてくるその男性に気後れしながらも
いつかお店を訪れる約束をします。
仕方なく自宅で飲んで酔いつぶれ
目が覚めると夜中の2時でした。
何気なくつけたラジオから流れてきたのは
非常にたどたどしいパーソナリティの番組。
「ナスティインコの谷在家」と名乗る
そのパーソナリティの一つ一つの言葉が
なぜか彼女の心に染みるのです。
夜中に出会ったお店のおじさん
そしてナスティインコの谷在家くん。
この2人との出会いがたかこの背中を
確実に押すきっかけとなったのでした。
ゆったりと流れる時間の中でたかこが選ぶ人生とは?
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たそがれたかこのネタバレとその後の展開は?
谷在家くんのラジオを聞いた後、たかこはなぜか
一度会っただけのおじさんのお店を探そうと思い立ちます。
絶対に会えるわけがないと思いながら町を徘徊していると
偶然にもそのおじさんに出会います。
そのおじさんは甥っ子と2人、大人がふらっと休憩するための
ゆったりとしたお店を経営していました。
おじさんに乗せられるような形で
たかこはそのお店の常連となっていく。
いつの間にか楽しみになっていた谷在家くんのラジオを聞き
彼がミュージシャンであることを知ります。
ラジオで流れるその歌声はとても心地よく
歌詞の一つ一つの言葉がたかこの心にまっすぐ届く。
ぎゅっとつかまれたたかこの心。
そう、彼女はラジオで声しか聴いたことがない谷在家くんに
この瞬間に恋に落ちたのです。
たかこはそれまで行ったことがない秋葉原まで足を延ばし
彼の出しているCDを思い切って購入。
そこに入っていた曲はどの曲も胸にしみわたり
それ以来彼女の日常は
少しだけ以前と違うものになったのです。
髪を切り、思い切って染めてみたり
少しだけかわいい洋服を購入してみたり。
たそがれたかこ
そんな中突然、娘の一花が泊まりにきます。
なんだかいつもと様子が違うように感じたたかこは
それとなく娘に尋ねてみるものの彼女は何も答えない。
心なしかやせ細っていく娘。
突然別れた夫から連絡があったかと思うと
金髪に髪を染めた一花が突然家に飛び込んできて
もう父親の家には戻りたくないというのです。
そして元夫から新しい奥さんとの間に
子どもができたことが告げられます。
その事実を知った一花は
食事も受け付けなくなってしまったのです。
たかこ自身も若いころ精神的なダメージを受け
食事を受け付けなくなった経験があります。
そのためたかこは一花を見守ることにしました。
しかし一花の症状はどんどん進み
拒食症といわれるレベルに到達してしまう。
学校でもうまくいかず悩んでいる娘の姿を見る中で
たかこは自分の大切な一人娘が少しずつ前に
進んでいくのを支えていくことに決めたのでした。
そんな彼女の背中を押してくれたのが谷在家くんの存在。
近くでライブがあることを知り思い切ってチケットを購入。
初めて彼のライブを目の当たりにし
そこから大きなエネルギーをもらったたかこ。
そしてそんな彼女を支え励ましてくれていたのが
おじさんのお店での一時だったのです。
ありきたりだった彼女の日常が
人とのかかわりの中で少しずつ変化していく――・・・。
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たそがれたかこの感想は?
45歳、独身でこれから先の人生は
もう代り映えがしない人生かもしれない。
これから先の人生を変えるためには
とても大きなエネルーが必要となります。
だけどもうそんな力もない。
たそがれたかこ
若いころは何かを変える力も何かを選択する力も残っていた
だけど45歳になった今、状況は大きく変わってしまっている。
そんなとてもリアルな45歳の生きざまを描いた本作には
優しくもゆったりした時間が流れています。
あらゆる人に読んでほしい
ありのままの人生が描かれた作品です。
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