日暮キノコ先生の作品のふつつか者の兄ですが。
一人っ子だったらよかった。
4年間もの引きこもりを続けている兄保を持つ高校生の志乃は
自分に兄がいることを周りの友人にはひた隠しにしていた。
兄のことをひた隠しにしながら
これからも生きていくはずだったのに・・・
ある時兄が突然引きこもりをやめることを宣言して?
そして兄のその選択が志乃に大きな影響を与えることになるなんて
この時はまだ誰も予想していなかった――!
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ふつつか者の兄ですがのあらすじは?
私の家は一人っ子・・・
本当にそうだったらどんなに良かったのだろうか。
高校2年生になる田所志乃は1年生の時に
同じクラスだった夏井に片思いをしています。
高校1年生から転校してきた彼女には
この1年で親友と呼べるサキという友人もできました。
高校1年生から始めたピザ屋でのアルバイトは
年齢に関係なくみんなと一緒に仲良く働くことができています。
恋に友情、学校にアルバイト。
充実した生活を送っていた彼女には
誰にも言うことができない秘密があったのです。
それは4年間自宅に引きこもっている兄がいること――・・・。
ふつつか者の兄ですが
当時小学生だった志乃は兄がどうして荒れているのか
家の中のものが壊れていくのか
そしてどうして家に引きこもっているのかが
分からないでいたのです。
次第にぎくしゃくしていく家族。
父親が仕事をやめ自営業で洋服屋を始めるタイミングで両親は別居。
その頃、荒れ放題だった兄が卒業した中学に通い始めた志乃は
兄の印象が強く残る地元で偏見の目にさらされていました。
父親が仕事のために転居を決め兄を連れていくことに。
新しい土地で新しい人生を始めたいと願った志乃は
家事全般を引き受けることを条件に
父と兄についていくことにしたのでした。
正直、完璧に家事をこなしながら
友達と付き合ったりバイトに行ったりするのは難しい。
頑張っているのに父親からは
できていないところを指摘されてしまいます。
ある日、家事が十分ではないことを父親から指摘され
口論になっていると本当に久しぶりに兄の保が
部屋の中から姿を現します。
その衝撃だけでもとても大きかったのにあろうことか兄は
部屋から出ると宣言し始めて――・・・?
積み重ねてきた新しい人生が音を立てて
崩れる危機に直面した志乃だったのですが
兄の出現は思わぬ方向に
彼女の人生を運んでいくことになったのです。
果たして志乃は、そして兄はどうなっていくのか――・・・?
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ふつつか者の兄ですがのネタバレとその後の展開は?
なぜか突然表に出始めた兄。
周りには一人っ子であると嘘をついていた志乃は
自分の日常生活が壊れてしまうのではないかと焦り
思わず兄にその素直な思いをぶつけてしまいます。
本当はそんなことを言いたくなかった志乃は後悔するのですが
兄は家事を手伝ってくれるようになり
ある日、志乃のためにお弁当を作って持たせてくれました。
そこには2人だけの思い出が詰まったウサギのリンゴ。
不覚にもその弁当を見て心が揺すぶられるのです。
そして帰りが遅い志乃を心配してバイト先に
姿を見せるようになった兄のことを誤解した夏井から
まさかの告白を受け2人は付き合うことに。
更に兄の姿を見られてしまった親友のサキに
ようやく兄のことを打ち明けることができたのです。
心の重荷が下りたように感じた志乃だったのですが
突然、兄が社会に出ることに意欲的になり始めたことに
動揺することになるのでした。
アルバイトを探し始めた兄のために
履歴書に貼れる写真を撮りに行ったり
兄のアルバイト面接の合否に一喜一憂する志乃。
そんな2人の人生は志乃が原付で事故を起こすことで
大きく変わっていくのでした・・・。
ふつつか者の兄ですが
志乃の入院先で保が出会ったのは
昔お世話になっていた先輩。
その先輩に影響されて保は自分がキックボクシングに
興味を持っていることを自覚します。
そして恐る恐る入会したジムで自分が本当に
求めていたものが何なのかを知ることになるのです。
アルバイトも順調にこなしそこで見つけた小さな恋。
いつの間にか引きこもりだった彼の姿はなくなり
毎日の生活が充実していくのです。
一方で志乃は病院に駆けつけてくれた
夏井にうまく接することができず
夏井のことをひそかに思い続けていたサキが
彼とキスをしていたことを聞かされてしまいます。
そしてダブルパンチのように母親が父親と
正式に離婚したことを聞かされ
無気力になり家に引きこもるように――・・・。
立場が逆転した2人だったのですが
このままではいけないと思った志乃が見つけたのは
意外にも母親と同じ道だったのです。
いつしかお互いを支えあうようになった志乃と保。
空白だった4年間。
お互いがお互いのことを知ろうとしなかった
時期があったからこそ生まれる兄妹の関係が
それぞれの本当にやりたい道へ進むための
後押しをするのです。
果たして2人が進んでいく道とは――?
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ふつつか者の兄ですがの感想は?
引きこもりの兄が突然部屋を出るという斬新なテーマ。
突然、兄が部屋を出たとしても
どうせうまくいかないだろうと思っていたのですが
ここはやはり引きこもりになる前の
彼の性格がかなり影響していたのか
本来の純粋で不器用な彼の性格が
彼の背中を強く後押します。
ふつつか者の兄ですが
作中の所々で出てくる兄の本音から
なんて彼が妹のことをそして家族のことを
考えているんだろうとほろりとさせられました。
そしてなかなか素直になれないけれど
そんな兄のやさしさに触れながら
少しずつ兄のことを受け入れていく志乃。
やはり兄妹には特別な絆があるんだろうなと感じ
思わず2人を応援してしまいます。
とても心温まるハートフルストーリーです。
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