柳広司先生の作品のDの魔王。
舞台は昭和初期の日本――。
日本が世界と対等に渡り合うために陸軍内部に創設された機関があった。
特殊諜報員養成所、通称「D機関」。
世界に通用するスパイを育てるこのD機関の
“魔王”と呼ばれる凄腕スパイ・結城。
彼はこのD機関を創設した人物でありそしてお互いの素性も知らない
訓練生たちを優秀なスパイへと育て上げていく・・・。
柳広司先生のの有名小説「ジョーカー・ゲーム」を霜月かよ子先生の作画で
コミカライズ化されたスパイ・ミステリーが登場!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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Dの魔王のあらすじは?
昭和13年、佐久間陸軍中尉は武藤大佐から陸軍参謀本部と
創設されたばかりの組織である情報勤務要員養成所――
通称“D機関”との連絡の任を命ぜられます。
D機関とは昨年陸軍内に創設されたいわゆるスパイ養成所で
民間人のみを入学させ秘密裏に諜報活動を行っているとのことでした。
軍人を差し置いて民間人を雇うこともそうですがスパイ活動を
下劣な人間のすることだと毛嫌いしている陸軍の軍人たちは
D機関の動向を探るべく佐久間を派遣するのでした。
D機関のトップは自らも軍人である結城中佐。
彼は“魔王”の異名をとりかつて国際政治を影から動かしていた凄腕の諜報員ですが
敵国への潜入時、味方の裏切りによりスパイ行為が発覚し敵国に拷問を受けた末に
左手を失い後遺症で杖をついていないと歩けないといった異色の経歴を持っていました。
Dの魔王
D機関は一見して軍人と分かる者、軍服・坊主刈りの者は出入り禁止だといいます。
任命からしばらくして少し伸びた短髪に背広姿で
D機関にやってきた佐久間は結城の部屋へ。
入っていきなり敬礼をし挨拶をする佐久間に
結城は「バカか」と言い放ちます。
背広姿で敬礼をする奴があるかと。
初めて会った結城は50代半ば無表情で思考の読めない男でした。
情報通り左手には杖、噂は本当なのか・・・。
結城の得体の知れない威圧感に言葉を失っているとさらに結城は畳みかけます。
ここではひと目で軍人と分かる態度をした場合
罰金を払う規則になっているから金を払えと言うのです。
しかも佐久間のことも参謀本部から
派遣されてきたスパイだと見抜いている様子。
着任早々、手痛い洗礼を受けた佐久間に結城は一人の男を紹介します。
D機関第一期・三好少尉。
小柄で美青年である彼は佐久間の案内を任されたのでした。
D機関の建物は通常ごくありふれた貿易会社を装っていました。
いわゆる擬装です。
三好に案内されながら佐久間はD機関の本質を知ることに。
ここはスパイ養成所で全ての情報は秘密であり知らせてはならない。
ここでは「本当の事」は意味をなさない。
軍人の「仲間」「信頼」という通念はここでは全く持って価値がない
むしろ命取りなのだということを。
根っからの軍人である佐久間には受け入れがたいことでしたが
さらにそこで「化け物」の姿を見ることになるのです。
D機関では結城中佐のもと各分野の
とんでもない権威を招いての講義が繰り広げられていました。
人殺し、爆薬・毒薬の取り扱い、語学、暗号術に金庫破り
飛行機の操縦、変装に社交ダンス、拷問演習に女性の扱い方まで・・・。
およそ軍人への教育とは思えない訓練が課せられていたのです。
しかもそれらの特異な訓練を難なくこなしている訓練生の姿。
戸惑いを隠せない佐久間のもとに
やがて最初の任務の知らせがやってくる――。
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Dの魔王のネタバレとその後の展開は?
第一話「ジョーカー・ゲーム」編では参謀本部より派遣された
佐久間を中心に三好をはじめとした訓練生たちの活躍を描いています。
参謀本部・武藤大佐の命でスパイ容疑がかかっている
アメリカ人・ジョン=ゴードンの自宅を捜索することになった佐久間たち。
実はその命令、武藤の罠だったのです。
武藤は既に一度捜索に失敗しておりその失敗をうやむやにする為に
D機関に再度捜索を命令し失敗の責任を押し付けるというものでした。
それをいち早く察知した佐久間の活躍で見事武藤の企ては失敗
しかもジョンの自宅から隠していた暗号表をいとも簡単に見つけた訓練生たち。
佐久間の手腕を見た結城は彼をD機関にスカウトするも
「自分はスパイには向いていない」と断るのでした。
Dの魔王
ここから結城を中心にしたD機関の諜報員たちによる活躍が描かれていきます。
横浜での爆弾テロ計画とそれに巻き込まれた英国総領事のグラハム
真犯人の調査と犯人に仕立て上げられたグラハムを救う「幽霊(ゴースト)」編。
ロンドンに潜入中のメンバー・井沢と
英国諜報機関マークス中佐の対決を描いた「ロビンソン」編。
D機関にスカウトされ卒業試験へ挑むことになった飛崎と
彼を待ち受ける難題と葛藤を描く「XX(ダブルクロス)」など
重厚かつ満足感の高い作品が目白押し。
戦時中の上官の命は絶対という中で訓練生が
どのような活躍を見せてくれるのか
スパイ・ミステリー・謎解きが好きな方にはたまらない作品です。
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Dの魔王の感想は?
2015年には実写映画化し同年8月にはアニメ化もされた人気作です。
戦時中という時代設定で少し難しい話が多いところもありますが
とても満足感の高い作品に仕上がっていると思います。
短編集なのでどこから読んでもOKな点と話の展開も
スピーディーなので飽きることなく読めてしまう点がすごくいい。
Dの魔王
D機関のトップである結城が常人離れしたキャラクターで
彼に従う諜報員たちの技術もすばらしい。
常に結城が核にいて各話の主人公たちに絡んでくる
ストーリーは今までになく面白い試みだと思います。
何度読み返しても面白いむしろ読み返したくなる作品です。
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