東元俊哉先生の作品のテセウスの船。
1989年6月24日、北海道のある村でその惨劇は起こった。
小学校で児童含む21人が毒殺され逮捕されたのは
あろうことかその村の警察官だった佐野文吾。
それから30年近く経った現在
その息子・田村心は父親が冤罪である可能性があることを知り
独自の調査に乗り出すが――!?
殺人犯の息子にされてしまった青年が
真実を辿るクライムサスペンス、開幕!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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テセウスの船のあらすじは?
大量殺人を行ったとされる人物を父親に持つ青年・田村心。
彼は今、優しくありのままの自分を受け入れてくれる妻と
お腹の子どもとともにひっそりと暮らしていました。
父・佐野文吾が殺人を犯したのは1989年。
小学校で児童と教職員が飲むジュースに
青酸カリが混入されており
そのうち21人が死亡したという事件。
その当時まだ心は産まれる直前で
物心ついたときから「殺人犯の息子」という立場に
苦しんできたのです。
母親は自分に人前で笑っていられる立場ではない
涙も見せてはいけないと言い
心ら家族は住所を転々としながら
周囲の目に怯える生活を強いられていました。
毎日パソコンを検索しては自分の居場所が
悟られていないことを確認しホッとする心。
そんな中、出産を間近に控えた妻・由紀が
事件について調べていることを知ります。
由紀によると北海道・音臼小学校で大量殺人事件が起こるまで
その村では不可解な事件や事故がいくつも起きているとのこと。
由紀は死刑を宣告されても未だ無罪を主張している
佐野文吾が本当は冤罪ではないかと考えているようでした。
テセウスの船
しかし自分を支え励ましてくれる由紀も
出産と同時に亡くなってしまいます。
赤ちゃんは無事だったものの
妻を失った悲しみに打ちひしがれる心。
葬式にて今ではすっかり老け込んでしまった
母親・和子に葬式では涙を見せないようにと言われ
由紀の父親にはお前と結婚したせいで
由紀は死んだと言われてしまうのです。
さらに産まれた赤ちゃんを取られてしまう
危機に直面した心は
生前に由紀が言っていた
佐野文吾の冤罪を調べてみようと思うのでした。
父親が冤罪なら産まれてきた娘を取られなくてすむ――
心は佐野側の弁護士と会う約束をし
北海道に行くついでに
事件のあった音臼村に寄ってみることにします。
今は廃墟となってしまった音臼村。
例の小学校も今は更地になってしまっていて
そこを歩いていると心は急に濃い霧に覆われてしまいます。
そしてようやく前が見えるようになった心が目撃したのは
当時そのままで建っている音臼小学校の姿だったのです。
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テセウスの船のネタバレとその後の展開は?
霧が晴れた心の目の前には取り壊されたはずの音臼小学校
しかも時季ではないはずなのに雪が降っているではありませんか。
しかもなぜかスマホの電源も入らなくなってしまい
あたりをさまよっていた心は
「佐野」と書かれた表札の家を見つけます。
そしてその家の前で雪に埋もれた女の子を見つけ
病院へ運ぶのです。
女の子の名前は佐野鈴。
ありえないことにその女の子は心の12歳離れた姉でした。
心は状況からここが1989年1月であの事件の前であること
そして自分がその時代に
タイムリープしてしまったと気づくのです。
心は由紀がまとめていた事件の資料にも
「佐野鈴」という女の子が屋根の除雪中に転落し
事故に遭うことが書かれていたことを確認します。
それから心はその村の住人たちと奇妙な交流をしていきます。
まだ警察官だった若き日の父・佐野文吾と
母・和子や子ども時代の兄と姉・・・。
自分が生まれる前の幸せに暮らしていた家族の姿を見て
自分がここで過去を変えれば
未来も変わっていくのではと考える心。
そして事件が起こる6月まで
由紀が調べていた数々の不審な事件や事故を
心も調査することになるのです。
テセウスの船
心は鈴を病院に送り届けたあと
この日、自宅倉庫でパラコート(除草剤)を誤飲して
死ぬ予定の院長の娘・千夏に出会います。
倉庫にパラコートを見つけた心は
それをこっそり持ち出し処分しますが
千夏はその日のうちに死亡してしまいます。
やっぱり過去は変えられないのかと残念に思う心。
一方で行くところがなく身分も明かせない心は
和子の好意で佐野家に身を寄せることになります。
心の知っている母親とは違いまだ明るく
ハキハキとものを言う彼女に圧倒されながらも
幼い兄と姉にも懐かれて日常を過ごしていきます。
しかしあるとき佐野が自分の持ち物の中から
免許証を取り出し見ていることを知ります。
そこには当然この時代にはあるはずのない
「交付 平成27年」の文字が・・・。
そして佐野は心が2017年からタイムリープしてきたことを信じ
それならば心の不可解な行動も説明がつくと納得するのです。
心はそんな父親の姿から彼がのちに
重大な罪を犯すとは到底思えなくなり
無実を晴らすために動き出します。
心はお世話になっている佐野家のため
またこれから起こる惨劇を防ぐために
音臼小学校の教師として働くことになります。
そこでも時に不可解な出来事に見舞われる心ですが
着実に事件の真相に近づいていくのです。
また時折物語の合間合間に挟まれる
犯人と思しき人物の録音テープ。
その人物はカセットテープに千夏を殺したことや
もっと大きなものを標的にしたいなど
生々しく犯行を綴っていきます。
それは佐野が犯人ではないことを示唆していて――・・・!?
謎が謎を呼ぶサスペンス。
心は果たして連続殺人を止め
未来を変えることができるのでしょうか?
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テセウスの船の感想は?
主人公が過去にタイムリープするという作品は
他にもたくさんあると思いますが
この作品はそれだけでなく
骨太で重厚な本格クライムサスペンスです。
ここまでを読んでいると佐野は犯人じゃないということが
前提で物語が進んでいるように感じます。
1989年に起こった連続殺人の真犯人は一体誰なのか
読んでいるとものすごく気になってきました。
2017年現代では不幸続きだった心。
犯罪者の家族というレッテルを張られ
隠れるようにして生きてきた彼に訪れた小さな幸せ・・・
妻である由紀との出会い。
しかし彼女も出産直後に亡くなってしまい
またも不幸のどん底に突き落とされてしまいます。
テセウスの船
今回のタイムリープはそんな彼に神様から与えられた
最初で最後のチャンスともいうべき出来事なのかも知れません。
それにしても気になるのは
ところどころで描写される犯人の録音テープ・・・。
非常に残酷な語り口で人間の命を何とも思っていない
犯人の声のみが描かれています。
今のところ大人なのか子どもなのか
男なのか女なのかさえもわかっていない真犯人ですが
そこまで心がたどり着けるのか
今後の展開にも注目していきたいですね。
真相はまだまだだと思いますがとにかく面白いので
謎解きサスペンスやミステリー好きな方には特におススメ。
ぜひともチェックして頂きたいと思います!
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