谷春慶先生の作品の筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。
祖父が急死したことで祖母が自分宛ではない
ラブレターを見つけてしまいます。
そのラブレターは祖父が書いたものではないことを証明するため
清一郎に筆跡鑑定を依頼したのですが・・・。
筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かないのあらすじは?
近藤美咲はワケあってどうしても東雲清一郎に
頼まれてほしいことがあります。
頼みたいことは筆跡鑑定。
断られてしまうのですが諦めることができず
もう一度頼むため追いかけます。
美咲がそこまでする理由・・・
それは久代という名のおばあちゃんのため。
事の発端は新潟から上京した美咲は
鎌倉の祖父母の家で下宿をお願いしたことからでした。
美咲の祖父母の間には互いを思いやる優しさに溢れています。
しかし祖父が急死しそのことで祖母は
あるものを見つけることになったのです。
祖父の遺品整理中に見つけた祖父の書きかけのラブレター・・・。
そのラブレターのあて先は祖母ではなく
別の女性に宛てるつもりで書いたラブレターだったのです。
祖母のため美咲はどうしてもそのラブレターの筆跡鑑定をして
祖父が書いたものではないことを証明したかったのです。
どうしてその鑑定を同級生でもある
清一郎に頼まなくてはならなくなったのかは改めて語るとして
今は断り続けられても食い下がるのが先決だったのです。
筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かないのネタバレとその後の展開は?
しつこく食い下がられてしまった清一郎は
条件付きで鑑定することを渋々引き受けます。
そうすることで美咲につきまとわれる
煩わしさから解放されると思ったから。
美咲は受け入れてくれたことで
清一郎の出す条件を考えることなく受け入れます。
ところが清一郎が鑑定して出した答えは
美咲が望むものではありませんでした。
祖父の筆跡と書きかけのラブレターの筆跡は
同一人物であると清一郎は鑑定したからです。
美咲にはまったく違う筆跡に見えるので
その答えに納得できません。
清一郎は書体が違うのだから
筆跡が違って見えても仕方がないと説明をします。
清一郎はそれでも筆跡者の癖を見分け
同一であると鑑定したのでした。
ほかにも同一であると決め手になった文字を美咲に示し
これで鑑定は終わりだと告げて去ろうとします。
美咲は筆跡者が同一であることは認めても
祖父が祖母以外にラブレターを書いたということが
どうしても受け入れられません。
そのラブレターが本気ではない
そう思うことで気持ちを整理しようとしますが
清一郎にはそのラブレターが
本気で書いたものであることがわかるようでした。
ラブレターを綴った文字は
本気で恋をした気持ちだと断言したのです。
さて――・・・。
なぜ美咲は同級生の東雲清一郎に筆跡鑑定を依頼したのか・・・。
それは筆跡心理学を研究している裏辻先生に
彼なら筆跡鑑定ができると教えてもらったからでした。
それまで声をかけたこともない清一郎
そんな相手に声をかけたのはそういう経緯があったからです。
美咲にとって清一郎は「よく知らない人」であり
そんな人の言葉を鵜呑みにするのもどうか・・・
という考えになっていきます。
そこで美咲は清一郎のことを知ろうと
大学の学生に話をききまわることにしました。
筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かないの感想は?
筆跡鑑定で物事を解決していく一風変わったミステリ作品。
原作は小説で3タイトル発売されており
これからも続くであろう人気作品です。
原作を知っている人にとっては
裏切らないコミカライズとなっています。
原作未読の方にはこのコミカライズをきっかけに
双方を読んでいただきたいです。
文字は個性がでますし嘘をつかない。
最近は文字を書く機会も減っている時代ですので
そんな時代だからこそ文字の温かみのようなものを
改めて知ることのできる作品です。
東雲清一郎はとくかく変わった青年ですが
酒好きで意外と世話好きなところもあり憎めません。
美咲はかなり行動派で困っている人を放っておけないタイプで
その2人が文字という身近なもので身近なミステリを解決していく。
読後はほっこりすることもあるので是非一読していただきたいです。