まるいぴよこ先生の作品の家なき人~貧困主婦~。
夫のDVから逃げるため家出をした主婦。
身分証明も連帯保証人もいないことから
家を借りられず住所不定なために働きたくても働けない。
そんなネットカフェで生活する日々は
あまりにも苦しいもので――・・・。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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家なき人~貧困主婦~のあらすじは?
あてもなく東京の街をうろついていた
32歳の女性・山下恵子。
8時間1,500円というネットカフェの看板を見つめ
ネットカフェに寝泊まりして日雇いで
働く人がいるということを思い出します。
そんなときぶつかった女性・川上香。
恵子が落とした賃貸雑誌と
ネットカフェの前にいたことから
香はもっと安いお店のことを教えてくれます。
そんな香の様子から恵子はもしかしてと話しかけ
香もネットカフェを利用していること更には
日雇いの派遣をしていることも知りました。
そのときの恵子は切羽詰っていて
日雇いの派遣はどうやってするのか
またネットカフェのことを教えてほしいと
香にお願いするのでした。
恵子は東北の田舎町の出身で父親のギャンブルと
借金が原因で小学生の時に両親が離婚し
母と暮すものの生活は苦しくバイトをして高校に通い
卒業後は地元のスーパーに就職しました。
その後、母親も借金を作り失踪したことで
飲食店とのかけもちをしながら
母親の借金も返していた恵子。
しかしそこのお店のお客さんと結婚。
大手企業の請負工場の社員で給料は低く
入籍だけの結婚で楽ではない感じでしたが
それでも平穏な生活で幸せでした。
そんな生活も夫が失業し再就職先が見つからず
失業手当も切れたことで変わっていきました。
家なき人~貧困主婦~
夫はギャンブルにお酒、更には借金までするようになり
恵子はパートを増やし借金を返済する日々・・・。
借金なんて辞めてとバイトでもいいから
働いてとお願いするのですが暴力を振るわれ
妊娠した赤ちゃんも流産・・・。
ついに別れて欲しいと離婚届を渡しますが
離婚にも応じてもらえず借金のために働くのも
殴られるのももうイヤと思った恵子は
パート代が入った日に家を出たのです。
現金15万と夫に内緒で買った携帯
健康保険証と印鑑、着替えを持って――。
東京に逃げてきた恵子はまず家を借りようとしますが
健康保険証では身元保証にはならず
仕事も保証人もないことから借りられません・・・。
マンスリーマンションならと思うのですが
やはり身分証明書と仕事がなければ
借りることができなかったのです。
更には入居には家賃のほかに損害保険代や
カギ交換代に入会金なども必要で
金銭的にも無理でした。
先に仕事をと思い求人雑誌で
問い合わせるのですが
すぐには見つからない感じ・・・。
しかもお金を入れていたカバンを置き引きされ
所持金は6,000円だけになってしまったのです。
アテもなく明るいひと目の多い駅前を
どうしたらいいのかとウロついていたとき
香と出会ったのでした。
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家なき人~貧困主婦~のネタバレとその後の展開は?
香は24時間営業のハンバーガー店で
100円のハンバーガーを1個買って
ネットカフェの時間パックのことや
飲み物はフリードリンクだから
そこで食べるといいなど
いろいろと教えてくれました。
もちろん日雇いの派遣会社のことも教えてくれ
コインランドリーやコインロッカーのことなど
ネットカフェで生活するのに便利なことを
いろいろと教えてくれたのです。
ネットカフェの個室は板で区切られただけの
1畳ほどのところで大きなリクライニングのイスと
パソコンが置かれただけの場所。
足を乗せる台もありイスを倒せば
どうにかねることができます。
しばらくは日雇いで働いてお金をためて
アパートを探そうと思いこうして恵子の
ネットカフェ生活が始まったのでした。
ネットカフェのトイレの手洗い場で顔を洗い
証明写真を撮り派遣会社で面接や
仕事の内容の説明を受けます。
登録が終わった後は仕事があればメールで連絡がきて
予約を入れ仕事の前日に確認をして
当日、集合場所にいき他のスタッフと派遣先へ移動。
8時間勤務で日給7,000円。
作業確認票を派遣会社の事務所で
ちぇっくをしてもらいお金をもらいますが
事務所は20時までなので間に合わなければ
翌日払いになるそうです。
交通費は出ないため派遣先や事務所に行くのも
自分持ちのためネットカフェ代などを除くと
残りは3~4,000円ほど。
誰が使ったかわからない狭いシャワーを使用したり
ときどき銭湯見つけて使う感じ。
日雇いの仕事は主に倉庫内の仕分け作業で
他にはイベントの片づけやティッシュ配りに
デモンストレーターとその都度変わるため
仕事に手まどい人間関係もなじめず
腰も首も身体のあちこちが痛く疲れが・・・。
しかもイスで眠る生活は疲れが取れないため
日々疲れが溜まっていきます。
家なき人~貧困主婦~
いつまで体がもつんだろうと思いながら
生きるために働く毎日・・・。
香とは会う機会も多く親しくなっていき
情報交換やグチをこぼしあったりと
心強い存在になっていました。
彼女の生い立ちもひどいもので
ひとりでこんな生活を続けていると
気持ちがダメになっていくから話せる人が
できて良かったと言っていました。
日雇いの仕事は12月は忙しく
1月や2月は少ないなど仕事の量にも波があり
更には街で成人式の人たちを見つけ
住むところのない2人は
社会生活からも取り残されていることを実感。
仕事がなくハローワークなどで
仕事を探したりしますが住所不定で
身元保証もないことから
パートさえ見つけることができません。
街で見かけたホームレスの様子などから
仕事がなくなれば野宿しなくてはならなくなり
ネットカフェ生活者も住むところを失った
ホームレスなんだと実感するのです。
更には今の仕事は失業保険も健康保険もなく
ケガや病気でもしたら仕事を失い
生きていけなくなる・・・。
こんな生活から抜け出したい
何か方法はないのかと恵子は思うのです――。
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家なき人~貧困主婦~の気になる結末は?
その日の夜は眠れずホームレスの支援団体など
何か相談できないものかとネットで調べました。
そしてこんな公的支援があったのかと
この生活から抜け出せるかもと思い
相談だけでもと――・・・。
しかし翌日、街で香がフラフラしていて
病院に連れて行こうとする恵子でしたが
香は保険証を持っていなく恵子の保険証で
受診をしようと提案しました。
ですがそれは違法になるし恵子の旦那に
居場所もばれてしまうと・・・。
とりあえずゆっくり休めるところにと
ビジネスホテルのツインに泊まりました。
そこでホームレス支援のことを話す恵子。
香はお役所なんてアテになるのかと
あまり乗り気ではない様子・・・。
それでも恵子は相談だけでもしたら
何か方法があるかもと1人相談に行くのでした。
すると市役所では恵子の話からそれはDVだと言い
DVは支援団体とも連携して受け入れ先を探し
入居中に住まいや仕事を見つけられるよう
支援をしてもらえると言われました。
ですが香の方は婦人保護施設になり
空きも少なく入所は難しいらしく・・・。
他にもいろいろな支援について聞きますが
都内に住民票がある人が対象だったり
連ライ保証人が必要だったり・・・。
生活保護も若くて働ける人は
難しいとも言われてしまうのでした。
ホテルに戻ると香の熱は下がっていましたが
恵子が言われた話を聞いた香は
日雇いを続けるしかないのかと・・・。
家なき人~貧困主婦~
ですが恵子はそんな香に
2人で暮らさないかと言うのです。
ネットカフェ生活をしながら10万ほど貯めていて
2人のお金を合わせたら安いアパートなら
借りられるんじゃないのかと提案。
保証人はどうするのかと香は聞きますが
保証人になってくれる支援団体もあるから
2人で暮らせないか市役所に相談を
してみようと思っていると話しました。
しかし翌日――・・・。
朝目が覚めると香の姿はなく
ホテル代だけ残して恵子のお金が
なくなっていたのでした。
一緒に暮らしたくなかったのなら
相談してくれれば良かったのに・・・
自分は信頼されてなかったのかと
怒りよりも悲しくなった恵子。
その後の恵子はDVの保護施設に入り
法律扶助を受け離婚も成立。
今は仕事も見つけアパートで
一人暮らしをしています。
ただ正規の仕事は見つけることができず
少しでも給料の高い夜間のパートで働き
どうにか暮している状態です。
あれから香とは連絡もないようで
ネットカフェ生活から抜け出せているといいと
思ったりもしている恵子。
そしてみんなが家を失うことなく
暮せることを望むのでした。
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家なき人~貧困主婦~の感想は?
ネットカフェ生活者に対し
居住資金の貸し付けなど支援事業を策定し
今では日雇い派遣も雇用保険に入れるように。
それでもやはり正規雇用のない現状では
安定した生活を維持するのは難しく
ホームレスの自立支援を受けた人も
仕事がなくなり路上に戻る人も少なくないです。
私は親を早くに亡くしたことから
17歳から一人暮らしをしていましたが
それでも親代わりになってくれた人がいたので
アパートなど保証人の心配はありませんでした。
また一時期、仕事も家も失ったことがあり
やはり本作のようにネットカフェ生活を
したこともあったのですが私の場合は
キャバクラの寮に・・・。
家なき人~貧困主婦~
香の場合は母親のこともあり夜の仕事で
働くことをしたくなかったようですが・・・。
私はその後、なんとか昼間の仕事を見つけ
保証人なしのアパートを借りることができましたが
市役所でも相談とかできるんだと
本作を読んで初めて知りました。
本作のように事情があって家を借りられない
仕事を見つけることもできない
そんな人もたくさんいるかと思います。
そんな人たちが1人でも多く
救われるといいなと思いました。
社会的弱者の心の叫びが描かれた本作を
読んでみてはいかかですか?
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