池谷理香子先生の作品のシックスハーフ。
目が覚めると突然、知らない人たちが部屋の中にいて
何も思い出せない菊川詩織は
事故のショックから記憶喪失になってしまいます。
一時的な記憶喪失のまま退院させられた詩織は
兄のあーちゃんと妹のまーちゃんの3人での
生活をすることになるのですが・・・。
どの景色を見ても誰と会話をしても
居心地の悪さを感じてしまう詩織。
しかし兄であるあーちゃんの愛に包まれて
いつしか芸能人として活躍していきます。
シックスハーフの靴を履いて孤独の恐怖を身にまといながらも
その身一つで前に進んでいく詩織の姿に勇気をもらえる作品です!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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シックスハーフのあらすじは?
後輩の開と付き合いだしたばかりの詩織は借りた原付バイクで
事故を起こしてしまい一時的な記憶喪失になってしまいます。
記憶が戻らないまま退院した詩織に待ち受けていたのは
見たこともない自分の家族と見たこともない自分の家でした。
過保護に接してくれる兄のあーちゃんと
話しかけても返答のない妹まーちゃん。
父子家庭だった詩織の父親は既に他界していて家族は兄弟3人だけ。
シックスハーフ
記憶喪失以前の自分の部屋や写真を見ても
違和感しかない詩織は息苦しくなってしまい
散歩をするのですがそこで偶然にも高校の友達に会い
自分が記憶喪失になってしまったことを告げます。
すると友達は自分のことを受け入れてくれて
自ら一歩を踏み出すために
休んでいた学校へ行くことにするのです。
しかしいざ訪れた学校では自分の記憶喪失の噂で持ちきりで
詩織にとって周りの生徒は宇宙人にしか感じられなくて・・・。
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シックスハーフのネタバレとその後の展開は?
なんとか長い長い廊下を歩いてたどり着いた教室では
詩織を待っていてくれた友達が迎えてくれました。
そうして学校生活の中で以前の自分を知る詩織なのですが
自分を知るたびに段々と不安が大きくなっていくのです。
そして女子トイレでほかの女の子たちの会話から
どうやら詩織が男にだらしないという噂の発信源が
親友だと思っていたチカだったことを知ってしまいます。
噂の真相を確かめようとチカにメールをするのですが
そこで詩織はチカに嫌われていたことを知り
更にはせっかく受け入れてくれた友達に根回しをされ
絶交をすることになってしまうのでした。
自暴自棄になった詩織は学校に行くことをやめました。
シックスハーフ
チカの流した噂のどれが真実なのかもわからず
不安のどん底に陥ってしまう詩織は自分のことを知らない場所で
1人で生活したいと言うようになるのですが
それを兄のあーちゃんが拒否します。
そしていっぱいいっぱいになっている詩織を
受け入れてくれるのでした。
あーちゃんのおかげで再び学校に行くことができた詩織ですが
友達は1人もいない状態・・・。
そんな状況の中で噂の真意を調べるために
詩織はチカに記憶が戻ったと伝え
噂がチカのデマだったことを知ることができたのです。
けれど結局、チカの酷い態度で詩織は悪者扱いになってしまい
1人での学校生活をすることになってしまい・・・。
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シックスハーフの前回までのあらすじは?
事故で自分を取り巻く全ての記憶を失ってしまった
女子高生・詩織。
周囲から聞く過去の私生活の派手さに
ショックを受けながらも
徐々に詩織は家族との愛を実感し
前に進んでいく力に変えていきます。
親代わりである大学生の兄・あーちゃんの優しさに包まれ
そして過去の自分を嫌って冷たい妹まーちゃんを許容しながら・・・。
でも詩織は次第にあーちゃんへの想いは家族愛ではなく
異性としての愛と自覚し始めます。
それでもあーちゃんを困らせたくない思いで心にしまい込み
兄と幼なじみの瑞希との恋を見守り続けます。
そして記憶喪失前は恋人だったらしい後輩・開とも
徐々に友人以上恋人未満の相手として心を通わせていきますが
あーちゃんへの想いを断ち切るために恋人として付き合い始めます。
兄であるあーちゃんも重大な秘密の中で苦しんでいました。
実は自分と詩織が血がつながった兄妹じゃないこと。
2人は再婚夫婦の連れ子同士で
再婚後に生まれたのがまーちゃん。
そして記憶を失う前の詩織はあーちゃんを愛していて
そのひたむきな想いにいつしか自分も
同じような気持ちになっていたこと。
そのことで幼なじみの瑞希とも別れてしまいます。
記憶を失い本当に愛する人も手に入らない
孤独と苦悩の中にいた詩織。
そんな中、読者モデルのオーデションがきっかけで
詩織はモデルやグラビア、ドラマの仕事などで
どんどん知名度を上げて
その楽しさにのめり込んでいきます。
ところがその躍進が蒸発した母親との再会と
自分の出生の秘密を知ったことをきっかけに
陰りが見始めます。
シックスハーフ
その頃にはあーちゃんは義理の母である
詩織とまーちゃんの母親に家を明け渡して
一人暮らしを始めていました。
そしてそれと逆行するように
どんどんと蘇ってくる過去の記憶・・・。
過去の自分がまーちゃんに辛く当たっていたのは
本当にあーちゃんと血がつながっていた
彼女が羨ましかったその一心でした。
記憶が戻ったことで徐々に過去の自分の面影に近づく詩織。
自分を着飾ることに心を配らせ人を小ばかにした態度・・・。
でも過去の自分を今の自分が振り返って気が付きます。
自分ばかり被害者なつもりでいて
父親を苦しめあーちゃんを困らせ
まーちゃんを傷つけたこと。
そして記憶を失った最後のとき
自分は自分の過ちに気づいていたこと。
思い出した記憶に知らないフリなんてできない。
償いとして将来医者になりたいという
まーちゃんの学費を貯めるため詩織は仕事に励みます。
開とは別れ自分のあーちゃんへの想いは
今まで同様封印し続けることを決めます。
一方、あーちゃんは記憶を失って以降
自分への執着をなくし
手元から旅立っていった
詩織への想いに焦燥していました。
家も財産も2人の妹の保護者としての権利も
すべて義母に譲ることを決めます。
ところが実は母親は情夫と
この家と財産を乗っ取るつもりでした。
そのことを知って家出したまーちゃんを探し出したのは
詩織とあーちゃん。
3人兄妹は結束を新たにし母親に引導を渡しますが・・・・?!
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シックスハーフの最終回のネタバレは?
「私はもう一度家庭が欲しいの!
夫と子どもと家を買って暮らしたいの!」
血のつながりのない息子の存在が始終邪魔だったと
あーちゃんに怒りの矛先を向けた母親は
3人にほんの少しの寂しさを残して家を出ていきました。
そして、あーちゃんが戻ってきて
今まで通りの3人の生活・・・
とはなかなかなりません。
意識し合うあーちゃんと詩織は
お互いいもしない恋人を仕立て上げて
お互いに悟られないようにします。
そして詩織の仕事も増々忙しくなり
東京で一人暮らしをすることを事務所に命令されます。
最初は嫌がった詩織も家族への負担を考えて
引っ越しを決意します。
最後の夜、あーちゃんと詩織は
2人で泣きながら抱きしめ合って寝て
詩織は家を出ていきます。
あーちゃんの想いを断ち切る覚悟を決めて・・・。
シックスハーフ
詩織を別れた後、あーちゃんは詩織の記憶が
すっかり戻っていることを知ります。
詩織が秘密にしたいならと一旦はあえて
気づかないふりをしますが
親友の大ちゃんにこう諭されるのです。
「詩織はそれが知りたくてずっと足掻いてきたんじゃねーの」
そして卒業式の後、逃げるように東京に戻る詩織に
自分の本音をさらけ出します。
「初めてしーちゃんに会ったときから
しーちゃんはずっと僕の世界の中心だった」
その言葉を聞き大粒の涙を流して喜ぶ詩織。
「ずっと昔から、世界で一番あーちゃんを好きなのはあたしだから・・・」
晴れて思いが通じ合った2人は
この関係を認めてもらうためまーちゃんに正直に話し
同時に詩織は過去に傷つけたことを真摯に謝罪します。
そのときまーちゃんから手渡されたのは
昔、詩織が記憶を取り戻せなかったときに
2人宛に書いた遺書でした。
それを手に2人がどうなろうと
自分にとってはお兄ちゃんとお姉ちゃん。
そう淡々というまーちゃんに許しをもらい
その夜、初めてキスをする2人でした。
それから2年半――・・・。
詩織はいよいよ女優として活躍の場を広げ
まーちゃんは北海道の大学に希望していました。
そしてあーちゃんは社会人として成果を上げ
詩織の住む東京の本社に転勤が決まりました。
どこに住んでも自分たちは家族
どこで何をしていても死ぬまで3兄妹。
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シックスハーフの感想は?
突然、幕開ける悲劇のストーリー。
記憶喪失になってしまう詩織の辛い生活を
あっという間に引き込まれてしまいました。
記憶を失った詩織はしゃれっ気もそれほどなく
普通の女子高生。
でも自分以外の知る記憶を失う前の詩織は
多少可愛いかもだけど
ケバくて嫌味で性格の悪いビッチ。
自分が性病もちであるかどうか
処女であるかどうか・・・
そんなことも分からずひたすら不安な姿に
読んでいて気の毒すぎます。
記憶喪失になるって
こんなにも大変なことなんでしょう・・・。
でも詩織のすごいところはそれを外に漏らさないところ!
苦しいときほどそれを心に秘めじっと耐えます。
まだ高校生の女の子の家庭や人間関係はとても不安定で
読み手のほうがハラハラとさせられました。
シックスハーフ
詩織は記憶喪失前とその後では他者から受ける印象が
だいぶ違うらしく恋人だったはずの開も
詩織の変化に追いつけずに諦めてしまうのですが
唯一の兄・あーちゃんだけは変わらずに詩織と接してくれます。
そのせいなのか詩織はだんだんとあーちゃんに
依存するようになってしまうのですが・・・。
記憶が徐々に戻ってきて
不安の中、必死に前を向いて生きる詩織。
そして最初はとんでもなく厄介な存在だった
開が詩織の手助けをするように。
詩織は自分の存在を少しずつ認めていき
償いをと心の切り替えをしていきます。
自然と過去の自分に打ち勝つ姿には勇気を与えられます。
ベースは複雑な家族関係の中で巻き起こる
ドロドロとした暗いお話。
ですがそれが読み手を憂鬱にさせないのは
きれいな作画と巧みなストーリ展開のせいでしょう。
ドロドロの展開のお話が好きな方はもちろん
ピュアな恋愛や家族愛のストーリーを好きな方にはお勧めです。
また最後には今までのドロドロを
すべて浄化するかのような結末が待っています。
みんな辛い思いや悲しい思いをしたけど
みんな幸せになってもらいたい・・・。
そんな読者たちの期待を裏切らない展開に
安心して読んでもらえるといいなと思います。
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