藤沢もやし先生の作品の17歳の塔。
積み重ねて繕ってそして少女たちは堕ちていく。
スクールカーストの頂点に君臨するクラスの人気者
高瀬理亜と彼女の取り巻きの小田嶋美優。
しかしある日を境に二人の関係は・・・。
少女たちは今日も自分たちの平穏を守りながら学校生活を過ごしています。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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17歳の塔のあらすじは?
私はこの女よりは上、この女よりは下。
それは少女たちの学校生活において死ぬほど
どうでもよくてしかし死ぬほど重要なことでした。
彼女たちはみんな教室という名の狭い世界で平穏に
自らの身を護るために今日も必死に生きています。
高瀬理亜はモデル志望の美人で高飛車な17歳の少女。
容姿端麗でほかの生徒よりも明らかに目立っている彼女は
中高一貫校の女子高の中でかなり高い地位を築いています。
この教室という名の社会の中でそこにそびえ立つ
「塔」の中で一番上にいるのはあたし・・・。
底辺の人間たちが足掻くのをてっぺんで傍観しながら
自分は思いのままに振る舞うことが許されるのだと
この時の彼女は信じて疑いませんでした。
17歳の塔
そんな彼女の取り巻きの一人に最近加わったのが
クラスの中でも垢ぬけないタイプの少女である小田嶋美優。
明るい性格ながらもドジで冴えない風貌の小田嶋は
二年生に進級して以来理亜を慕い
犬のように後をついてくるようになっていました。
確かに小田嶋はさえない少女ですが自分への好意を隠しもせず
慕う姿は理亜にとっては不快なものではありません。
6月、理亜はモデルのオーディションに相変わらず
参加していますが結果に恵まれない日々が続きます。
そんな自分とは対照的に徐々にクラス内で
人気者となっていっているのは小田嶋でした。
相変わらず理亜のことは慕っている様子の彼女でしたが
理亜からの誘いを断るなど徐々に態度にも変化が生じ始めます。
「小田嶋と一緒にいてもつまんないわ」
そんな彼女にいらだった理亜はある日彼女の前で
こう言い放ってしまい・・・。
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17歳の塔のネタバレとその後の展開は?
小田嶋と喧嘩のようになって以来
彼女と距離を置くようになった理亜のグループ。
クラスで孤立したような状態になった彼女の姿を理亜は
自分のおかげで脚光を浴びたのに調子に乗るからだと嘲笑います。
一人で自分の「低さ」を思い知ればいい・・・
そう思っていた理亜でしたが
小田嶋が学校に来なくなったことから
そろそろ彼女を許してやるかと思い始めます。
あいつには自分がいてやらないと。
相変わらず「高み」から彼女を見下す理亜でしたが
その日大きな事件が起こります。
なんと小田嶋がイケメンの彼氏を伴って学校へ登校してきたのです。
生徒会の手伝いの際に知り合った年上の
イケメン大学生と付き合っているという小田嶋。
中高一貫の女子高のためあまりそういった話しに
縁がないクラスメイト達は彼女のことを
一気に尊敬のまなざしで見つめるようになります。
その様子を遠巻きに見ていた理亜でしたが小田嶋に
ちょっと二人で話さないかと声をかけ彼女を連れ出します。
17歳の塔
彼氏なんてまだ早いどうせ騙されているだけ
前みたいにあたしの後ろにいればいい。
「友達」だから忠告しているのだと告げる理亜に
小田嶋は笑ながら一言こう問いかけます。
「なに言ってんの?」
私といてもつまんないんでしょと続ける彼女は
学校の中で高みに上り詰め満足している
理亜のことを嘲るような態度をとります。
その言葉に怒りが爆発してしまった理亜。
二人はそのまま流血沙汰の大げんかとなりますが
小田嶋は一切理亜に物理的に手は出さなかったことから
その喧嘩は一方的に理亜が暴力を振るったという話として
校内中に広まってしまいます。
かくしてカーストのてっぺんから転がり落ちることとなった理亜。
ちやほやされていた生活から一転し
クラスでは孤立し悪口を叩かれる日々となります。
「ばいばーい」
そんな理亜を見下ろしながら小田嶋はほほ笑むのでした。
かつては理亜がいた高い高い「塔」の上から――。
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17歳の塔の感想は?
女子高を舞台に繰り広げられる女子同士特有の
どろどろとした日常が描かれている本作。
オムニバス形式の作品であり同じ学校を舞台に
一話ごとにメインとなる登場人物が変わる感じです。
ストーリーとしてはかなりドロドロとしていますが
過剰ないじめが描写されているわけではなく非常にリアル。
共学でも女子高でもこの年頃には女性が一度は
体験したことであろうエピソードが詰まっています。
内容が過激でない分じわじわとその怖さや
えげつなさが胸の内を侵食していく感じです。
もちろん漫画なので多少大げさにかかれてはいますが
ああ、そうそうこういうことある・・・
と感じる描写がいくつもありました。
個人的には3話の話が嫌にリアルで
じっとり嫌な汗をかく感じでした。
17歳の塔
「こんな田舎の女子高の中で一番ってだけ」
あとは地味女子小田嶋が理亜に言い放ったこのセリフは
なかなか考えさせられるものがありました。
高く高く積み上げられている塔のてっぺん
しかしその塔は決して立派なものではなく
学校の机で形成されている
とんでもなく脆い塔でしかありません。
誰かが一つ机を抜けばガラガラと崩れてしまう不安定な塔。
そんな場所ですがそこで平穏に生きていくしかない
生きていたい年頃の女子高生の姿が痛々しくも生々しいです。
一話ごとの話は短めですが綺麗にまとまっているため
サクッと読むことができます。
あまりこういった話は長く続けられると鬱々としてしまうので
こういった形の漫画で読むのがちょうどいいですよね。
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