田中相先生の作品の千年万年りんごの子。
リンゴ農家の存続を願う農家の子・朝日のもとに
家を出ることを考えていた雪之丞が婿入りします。
最初は家同士の結婚出会った二人が
生活を共にするうちに惹かれあっていきます。
高熱を出した朝日のために雪の中に実をつけていた
一つのリンゴの木でしたがしかしそのリンゴの木は特別な木でした。
朝日と雪之丞の選んだ運命とは――?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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千年万年りんごのあらすじは?
雪之丞は捨て子であり自分を育ててくれた両親には
とても感謝していましたがいつまでも家で面倒を見てもらう訳には
いかないと思いながら過ごしていました。
そんな彼に舞い込んできたのは一つの縁談話。
それは跡継ぎを渇望するリンゴ農家の子・朝日との縁談でした。
「入り婿に来てください」と朝日に頭を下げられて
雪之丞は農家に婿入りすることを決心します。
最初は農家ならではの親密な人間関係や外から来た人に対する
警戒心を受けていましたが雪之丞は徐々に農家に溶け込んでゆきます。
リンゴ農家の仕事を手伝いながらその大変さが
身に染みてゆくのですがそんな仕事を生き生きと笑顔こなす
妻・朝日に雪之丞は段々と心惹かれていくようになりました。
そして朝日も雪之丞がまだ気がついていない
彼自身の魅力に少しずつ惹かれるようになります。
あるとき朝日が高熱を出して寝込んでしまいました。
体調が悪い朝日の仕事を代わりに引き受け降りしきる雪の中を
車で走っていたときに彼が目にしたのは季節外れのリンゴでした。
そのリンゴは雪の中たわわに実がなっており
朝日の回復を願う雪之丞は実を持って帰り朝日に食べさせます。
しかしそのリンゴは特別なリンゴ。
![千年万年りんごの子](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/KD829160.jpg)
千年万年りんごの子
朝日にリンゴを食べさせたことを伝えた婿入り先の家族は動揺し
まるで仕方がないかのように受け入れるような態度を取ります。
その意味が何なのかなかなか教えてもらえません。
そして言うのです「朝日は神の嫁になった」と。
それはとても残酷な話でした。
この村には昔から12年に一度、山の神である「おぼすな様」に
嫁を差し出すことで村を守ってもらう習慣があったのです。
それはつまり人身御供。
朝日は山の神の嫁に選ばれてしまいます。
愛する朝日が自分のために山の神の嫁になってしまうという
事実を知らされた雪之丞。
それまで誰にも逆らうことなく生きてきた
雪之丞が取った行動とは――?
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千年万年りんごのネタバレとその後の展開は?
雪之丞のリンゴによって自分が山の神の嫁に選ばれてしまった朝日は
雪之丞を責めることなく淡々と事実を受け止めています。
そして髪や爪が急激に伸び背が小さくなるなど色々な体の変化が始まり
朝日は山の神の嫁になるような準備が始まったのです。
山の祭りがある3月まではあと7ヶ月しかない。
朝日に心惹かれていた雪之丞は何とかそれを食い止めようと思います。
それは雪之丞が初めて心から湧き上った「自分がやりたいこと」でした。
それまでは義理の両親に言われるがままに生活をしてきた雪之丞は
誰にも逆らったり自分の意見を通すことはありませんでした。
しかし朝日だけは守りたい例え何を犠牲にしても・・・。
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千年万年りんごの子
村に伝わる様々な文献を紐解きながら
何とか朝日を守ることが出来ないのかと模索します。
しかし何をどうしても人の命が必要になる。
考えても考えても答えが出ず朝日を自分の実家に連れて帰り
山から引き離そうとしましたがすると村の子どもたちが次々と行方不明に。
朝日は村に戻ることを選択しますが朝日を守るために
雪之丞は神木と自分自身に火を放ちます。
自分が神に逆らっても鬼になっても朝日と一緒にいたい
そこで2人が交わした言葉とはそして2人が出した答えとは――?
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千年万年りんごの感想は?
圧倒的な画力に引き込まれるこの漫画は
最初は恋愛感情のない朝日と雪之丞の結婚生活から始まりました。
色々なことをあきらめているような雪之丞が
自然の中でのびのびと生き真っ直ぐに前を見ながら
人生を歩んでいる朝日に徐々に心惹かれていく様子が
とても微笑ましく思いました。
しかし朝日が山の神の嫁として取られてしまうかもしれないと
なってからの彼の行動にはかなりの衝撃で予想を裏切られました。
そしてそんな雪之丞を妻として温かく見守り常に彼の味方となる朝日。
![千年万年りんごの子](https://haishin.ebookjapan.jp/contents/thumb/m/KD829160.jpg)
千年万年りんごの子
大地のようなその器の大きさ懐の深さ。
相手を思う素朴な一言がこんなにも重みをもち相手を受け入れる姿が
こんなにも心を動かされるような名作はほとんどありません。
心を温かくしてくれる、本当にお勧めの一冊です。
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