先生の作品のゼイチョー! ~納税課第三収納係~。
百目鬼華子は幸野市役所納税課に勤める市役所職員。
税金を滞納している市民の元を訪れ税金を回収している華子ですが
それぞれの家庭にはそれぞれのストーリーがある。
“公務員を舐めるな”を合言葉に
今日も華子が税金を回収すべく奮闘する――!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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ゼイチョー! ~納税課第三収納係~のあらすじは?
母子家庭で育った華子は自分自身が幼い頃に
住民税を払うことが出来なかった母親の元に
税金の取り立てが来たことが
鮮烈な記憶となって残っています。
華子の脳裏にあるのは混乱して泣いている母親
そして非情にも取り立ててくる市役所の職員たち。
そんな経験をした彼女ですが
彼女が選んだ職業は納税課の職員でした。
そこで未納になっている税金を回収するのが華子の仕事。
上司であるチャラ男系の饗庭蒼一郎とペアを組み
今日も税金の取り立てのために未納者の自宅を訪問。
税金の支払いが滞ってしまっている人は全員が全員
悪意のある悪者と言うわけではありません。
中には悪意のある滞納者もいますが支払いたくても
事情があって支払うことができないものもいるのです。
ゼイチョー! ~納税課第三収納係~
病気の母親を支えている同級生のフリーター
愛する妻と過ごした家を守るため
固定資産税を優先的に支払っている会社の社長・・・。
幼い子どもを残して亡くなった妻の代わりに子育てに奮闘し
催促状に目を通す暇も持つことができなかったシングルファザー。
各々が各々の事情を持ち毎日を生きるだけで精一杯の人生。
税の制度を上手く利用すればもっと楽に
支払いをすることができることを知らずに
催促状に追い込まれていく彼ら・・・。
そんな市民と向き合い幼いころの自分自身のような被害者を
これ以上出さないことを目標にした華子。
今日も華子は公務員という肩書を味方につけ
人々の生活を、そして心を守るために奮闘します!
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ゼイチョー! ~納税課第三収納係~のネタバレとその後の展開は?
幼少期に辛い思いをしてきた華子。
そのときの記憶は時々フラッシュバックを起こし
頭を机に打ち付けて邪念を払いながらも
今日も華子は人のために行動を起こします。
飄々とした上司とペアを組み時にはその
のらりくらりとした上司に冷静な行動を促されながらも
市民一人一人の生活を守るために奔走していく。
制度を知らないことで自分を追い詰め
時には自殺を選んでしまう人を救う中で
人々の生活だけではなく心まで守りたい。
そんな思いを胸に抱きながら彼らのために今の制度の中で
いったい何ができるのか・・・
最善の選択肢とはなんなのかを考え続け行動に移していきます。
税の制度は本来、人を追いつめるための制度ではなく
人の生活を守るための仕組み。
そうして人々の生活や心を守る過程で
彼女は幼いころに無知ゆえに
制度に追い詰められてしまった母親と
そして自分自身の心の傷をもう一度振り返り
間接的に癒していくのでした。
ゼイチョー! ~納税課第三収納係~
そんな彼女の元に現れたのは華子を呼び捨てにする謎の副市長。
なんとその副市長は華子の実の兄でした。
新しい制度を制定し税の回収を効率化しようとする彼の方法は
一方で一人一人の心までは気遣いことができない制度。
果たして華子はそのやり方にどのように立ち向かっていくのか・・・。
そうして働く中で彼女が出会ったのは
幼いころの彼女とまったく境遇が等しいある家庭でした。
公務員としての責務を全うすることが求められた中
初めて華子は私情に流され回収に失敗してしまうことに!
果たして華子は過去と折り合いをつけることができるのか――!
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ゼイチョー! ~納税課第三収納係~の感想は?
冷静かつ熱血公務員が税の回収に奮闘する本作。
難しい話になるかと思いきやところどころに
税金の仕組みについて丁寧に解説が入っており
そうだったのか、知らなかったと
勉強しながら読み進めていくことができました。
自分の過去のトラウマに真正面から向き合い
あのとき自分たちに何が起こっていたのか
どうしたらあんな辛い思いをしなくて良かったのか
母親を泣かせることなく立ち回ることができたのかを
明らかにしていく華子。
ゼイチョー! ~納税課第三収納係~
無知であることが自分たちを不幸にしてしまったことを
痛感している彼女は同じように知識がないために
辛い思いをしている人たちに
今の生活でできることを提供していく。
本作を読みこれが“専門家”のあるべき姿の
1つなのではないかということを改めて感じました。
専門家は専門知識をかざして威張る人たちではなく
専門知識を駆使して何も知らない人に分かる安く説明をし
一人一人の人生に寄り添っていくことが大切であることを
改めて考えさせられた作品に出会えたように思います。
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