深見じゅん先生の作品の悪女(わる)。
マリリンモンローのファンだった
父親からもらった名前は麻理鈴。
落ちこぼれOLと言われる彼女が就職した先は
大手流通会社近江物産。
会社で出会った名前も分からない優しい男性に
一目ぼれした麻理鈴は彼の事を知るためだけに
人事課長になることを固く決意し
社内で孤軍奮闘していく――!
果たして麻理鈴は無事に
彼に会うことが出来るのだろうか?
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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悪女(わる)のあらすじは?
知人のコネで入社した麻理鈴が
会社で見つけたのは王子様でした。
大手流通会社で窓際といわれる部署に配属されてしまい
仕事のやる気を見いだすことが出来ずにいた麻理鈴は
落としたカバンの中身を拾ってくれた優しい男性に一目ぼれ。
名前も分からない彼に近づくためには
人事課長になるしかない。
悪女
そう思った麻理鈴は落ちこぼれと言われ
部署をたらいまわしにされながらも
いつか王子様にもう一度で会うことを夢見て
孤軍奮闘していくのです。
彼に関する手がかりは「T・O」という
イニシャルであることと
行きつけの店があるらしいことの2つだけ。
たった2つの手掛かりを基に
落ちこぼれOLは会社というダンジョンを克服し
見事王子様を見つけることが出来るのか?!
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悪女(わる)のネタバレとその後の展開は?
王子様に近づくためには出世しなければいけません。
窓際の部署から秘書課に移動になった麻理鈴は
周りの女性たちの有能さに打ちのめされながらも
持ち前の明るさを生かし前を見ながら働いていく。
そこで働く女性たちはみんな有能ですが
その裏では壮絶な勢力争いが繰り広げられており
麻理鈴もその波に飲み込まれていきます。
自分がやってもいないミスの責任を問われ
追い込まれる麻理鈴ですが捨てる神あれば拾う神あり。
以前から何かとサポートをしてくれていた
先輩に助けてもらいながらも
何とか自分の仕事を進めていくのです。
T・Oさんに会いたいという一心でお局OLや
後輩から様々ないじめを受けても
めげることなく立ち向かい移動を重ねながらも
少しずつ出世コースを登り始めています。
意地悪な課長からの無理難題をこなしながら
様々な困難を切り抜けて成長していく麻理鈴。
会社内の事情や人間関係に巻き込まれ
時には以前の恩師を敵に回しながらも
落ちこぼれOLは持ち前の明るさで
前を向いて進んでいくのでした。
そんな彼女のT・Oさんとの関係にも進展が――。
悪女
大きな仕事を片付けたら彼に会いに行くことを
決意するのですがはたまた上司の陰謀によって
阻まれてしまうのです。
エリート社員のT・Oさんに一目会うため
アメリカでの研修に挑戦することを決めるのですが
結局のところ研修への道は閉ざされてしまい・・・。
T・Oさんに会いたいという気持ちだけで
頑張ってきた彼女でしたが
左遷に近い形でのたらいまわしも多く
「座敷牢」とあだ名される資材管理室に移動させられ
出世の道が閉ざされてしまう困難にも直面。
しかしそこでも持ち前の明るさと機転を利かせ
とうとう花形部署である海外事業部への
異動を手にすることができたのです。
T・Oさんに近づくための大きな一歩だったのですが
その異動がさらなる波瀾を引き起こすことになって?
勇者麻理鈴は名前も知らない王子様T・Oに会うために
この壮大なダンジョン近江物産を
見事攻略することができるのか――?
そしてゲームとは異なる現実の世界で
果たして王子様のハートを
見事射止めることはできるのだろうか?
麻理鈴の果てしない冒険の行方から目が離せない!
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悪女(わる)の感想は?
落ちこぼれOLの成長と奮闘をコミカルに描き
映像化もされている本作は
よくよく読んでみるとかなりシビアな内容が
ふんだんに盛り込まれているように思いました。
大手流通会社で男性社会と言われる組織の中
のし上がっていく女性社員。
しかも落ちこぼれの烙印が
スタート時点で押されている彼女は
まさに弱弱しい主人公が勇者となり
ダンジョンを克服する勇者の様。
シビアだけれども多くの女性が直面していたであろう。
そして現在でも直面している現実がその重さを感じさせない
軽快なステップで描かれており爽やかな読後感を伴いながらも
とても大切なテーマを扱っているように思いました。
悪女
一方で読み物としても十分に読みごたえがある作品でもあり
作者の力量の高さがうかがえます。
たらいまわしという言葉がぴったりの異動が
彼女を孤独にする中でやや不純な動機ではあるものの
「T・Oさんに会いたい」という
目標を持って前進する姿からは
勇気や元気をもらうことが出来る作品です。
タイトルからは想像がつかない中身に
ある意味裏切られながら頑張る彼女を
つい応援しながら読んでいました。
女性の世界が見事に描き出された一作です。
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悪女(わる)の2巻のネタバレ!
峰岸さんの指導と本人の無鉄砲さが
奇跡的に噛み合って
秘書課へ異動する事になった麻理鈴でしたが
順風満帆とはいきません。
スタッフの人数には限りがあり
麻理鈴が配属されたことで
もともと秘書課にいた先輩が
別の部署へと飛ばされてしまいました。
とても優秀だったらしい
その人の代わりに来た麻理鈴は
能力もキャリアも素養も足りない落ちこぼれ。
異例の人事異動に
納得のいかない秘書課のメンバーから
心ない洗礼を受ける日々が始まります。
個人の能力はもちろん服装や言葉遣い
立ち振る舞いまでを要求される秘書課にあって
麻理鈴に与えられた作業は
他のメンバーからの雑用でした。
両手で抱えきれないほどの荷物を持たされ
汗だくで会社を駆け回る毎日で残業は当たり前。
秘書課の面々からも
まともな待遇をされないどころか
悪口や陰口にいびりのオンパレード。
女性のみの職場なので容赦がありません。
そんな環境にも麻理鈴は持ち前の
体力と根性で何とか食らい付きます。
力になってくれる峰岸さんのため
そして憧れの男性社員T・Oさんに会うため
簡単に負けるわけにはいかないのです。
逆境にめげることなく
歯を食いしばって走り続けていました。
するとそんな麻理鈴に
救いの手を差し伸べてくれる人物が。
秘書課のチーフ・夏目さんです。
彼女は残業終わりの麻理鈴を食事に誘い
秘書課の面々の麻理鈴に対する仕打ちと
それを上司としてきちんと
対処できなかった自分の不甲斐なさを
麻理鈴に謝罪しました。
これからは厳しい目で監督し
気持ちよく働ける環境を作ってゆくとも。
優しい言葉に思わず涙ぐむ麻理鈴。
しかし夏目さんには何やら思惑があるようで・・・。
悪女
夏目さんは麻理鈴が信頼している
先輩である峰岸さんを恨んでいます。
そんな噂を耳にしていた麻理鈴は
真偽のほどを本人に尋ねました。
ぎこちなくなる麻理鈴に
夏目さんは笑顔で答えます。
遡ること17年前――・・・。
夏目さんには5年間交際を続けていた
恋人がいましたが
その人を当時会社のマドンナだったらしい
峰岸さんに取られてしまったと言うのです。
しかしそれももう遠い過去の出来事。
噂だけは残ってしまったのですが
いつまでも引きずるほど幼くはありません。
凛とした態度を崩さず語る彼女に
麻理鈴は尊敬の眼を向けます。
自分だったら鬼のように憎んでしまう
夏目さんは立派で素敵な人だと――。
ですが話はここでは終わりません。
食事を終えた麻理鈴と別れ
1人タクシーに乗り込んだ
夏目さんは思うのでした。
「あなたはまだ知らないでしょうけど
女の恩讐って体の奥に染みついて、染みついて、染みついて・・・
そう簡単にはとれないものよ」
彼女は未だ峰岸さんへの憎しみを
捨てきれずにいたのです!
自分から幸せを奪った峰岸さんと
その彼女が目にかけている麻理鈴。
2人とも叩き潰してやると誓う夏目さんが
他の秘書課の面々とは比べ物にならないほどの
苦難を麻理鈴へと仕掛けます!