セルフ・ネグレクト～ゴミ屋敷、ホームレス、ひきこもりのネタバレと感想！女性たちの不幸の結末とは？

榎本由美先生の作品のセルフ・ネグレクト
～ゴミ屋敷、ホームレス、ひきこもり。

 

ゴミ屋敷、ホームレス、引きこもり・・・
社会問題ともこれらの問題。

 

そんなリアルな世界の生き辛さから逃亡した
3人の女性の不幸な結末を紹介した短編集です。

 

人間ってこんなに簡単に人生から転落できるのか・・・
こんな人間が身内にいたらどうなってしまうの・・・！

 

社会問題が身近な人もそうでない人も
冷や汗をかきながら読める作品です。

 

 

ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。

 

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セルフ・ネグレクト～ゴミ屋敷、ホームレス、ひきこもりのあらすじは？

 

ゴミ屋敷に住む女性の部屋から異臭が出たお話。

 

苦情を受けて部屋を確認したところ
そこには目を見張るような光景が待ち受けていました。

 

大量のゴミに埋もれた一部壊死しかけていた
中年女性の「生きた」肉体・・・。

 

その周りには大量のハエやゴキブリが
たかっていたというのです・・・。

 

女性の名前は街山葉子・43歳。

 

半年前に派遣会社の契約を切られて以降
貧窮してライフラインを全て止められ
このような状況になってしまっていました。

 

地方の普通の家の三人姉弟の長女だった彼女が
なぜこんなことになってしまったのか・・・。

 

下の子の世話に追われて放置気味に育った彼女は
少女漫画を始めとする美しい男性に強く惹かれる少女でした。

 

自己判断能力に乏しい傾向があり
身も心もオタクの身でありながら
学校のイケメンバンドマンに告白。

 

次第に周囲にも疎まれる存在となり
就職した後もビジュアル系劇団にハマり
家族の反対を押し切って上京・・・。

 

派遣をしながら生活の全てを
劇団の追っかけに充てるようになってしまいます。

 

そんな生活を続けて10年ほど・・・。

 

東日本大震災をきっかけに
葉子にとって驚愕の事実が次々と発覚します。

 

推しメンの劇団員が突然の引退し
ファン仲間の1人がその推しメンとできちゃった結婚！

 

その上、他のファン仲間は追っかけと並行して
婚活やキャリアアップを着実にこなす中
葉子は派遣切りにあって無職に・・・。

 

次第に引きこもり生活となり
お金が底をついて食うものも困る生活が続く中
思い出すのは上京した際母親が言った
絶対後悔するという言葉・・・。

 

こんな自分、実家の人間には絶対見せられない・・・。

 

それから部屋にあふれたゴミと汚物
それに呼ばれた害虫に囲まれて
身動きの取れなくなった葉子。

 

そして数ヶ月後、異臭騒ぎとなったのです。

 

救急車に運ばれ何とか命を取り留めた葉子ですが
子どもの頃もっと違う道を選んでいたら
幸せな生活が送れていたかもと思うのです。

 

次のお話は幸せな結婚生活から一転
ホームレスとなってしまった主婦のお話。

 

パラサイトシングルだった幸枝
婚活パーティーで旦那様をゲット！

 

双方の親の援助でマイホームを購入して
専業主婦になり幸せいっぱいのはずが
親に依存していた幸枝にとって日々の生活は
なかなか思い通りにいきませんでした。

 

夫との関係、嫁姑問題、掃除洗濯、お金のやりくり
そして実親の定年＆転居・・・
問題が山積みの中、幸枝は浪費で
ストレス発散がやめられなくなり
とうとう消費者金融に手を出してしまうのです・・・。

 

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セルフ・ネグレクト～ゴミ屋敷、ホームレス、ひきこもりのネタバレとその後の展開は？

 

闇金に借金したあげく
支払いをヘルスで働いて返すよう迫られた葉子。

 

直前で逃亡しますが自宅も知られているため家に帰れず
最終的には末公園で寝泊りの生活を余儀なきされます。

 

そして行き着いたのは公衆トイレで
他のホームレス相手に小銭を稼ぐ生活・・・。

 

過酷な生活が祟って病院に担ぎ込まれ
結局後始末は両親にしてもらい事態は収拾しました。

 

離婚を余儀なくされ
両親とともに田舎で生活する日々ですが
男たちに汚された体や地に落ちた自分の評判に
押しつぶされる心境の幸枝でした。

 

次のお話は引きこもりを30年続けた女の
落ちに落ちた人生のお話。

 

田南美緒・48歳。

 

1７歳の大学受験を前に引きこもり始め
共依存の母親に世話をさせ続けます。

 

下の2人の妹弟は進学を期に家を出て
結婚出産と着々と人生の階段を上る中
美緒は通信教育の教材を母親に準備させては
実際はゲームやアニメの世界に没頭し続けていました。

 

その後、引きこもり18年目にして
父親が脳梗塞により突然の死去。

 

そして30年目にしてとうとう母親が死去・・・。

 

引きこもりの間に体は肥大化して生活習慣病持ち
世間知らずで臆病なくせに家族には尊大な態度・・・
そんな自活能力も望めない怪物に育ってしまった美緒。

 

母の葬儀でも人の波にパニックになり奇声を上げ
母亡きあとも自分の食事の用意すらもできない美緒に
美緒の妹と弟は苦渋の決断をします。

 

実家を売却し美緒用に単身アパートを契約して
強制的に引っ越し。

 

財産分与も均等にして渡し一方的に連絡を絶ったのです。

 

「私たち金輪際お姉ちゃんの面倒見れません！
一人で生きていってください！」

 

1人になりおかあさんと子どものように泣く美緒に
今後どうなってしまうのか・・・。

 

それは誰にも分りません。

 

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セルフ・ネグレクト～ゴミ屋敷、ホームレス、ひきこもりの感想は？

 

人生の転落っていとも簡単に
できちゃうんだなぁって改めて思います。

 

それはまるで綱渡りのように
緊張の糸を少しでも緩めるとあっという間に
奈落の底に落ちて行ってしまうかのような・・・。

 

そしてそれは多分、親との関係も
大きく関係してくるようですね。

 

ゴミ屋敷の葉子にしろ、ホームレスの幸枝にしろ
引きこもりの美緒にしろ
親が必要な時期に子離れしなかったり
小さい頃に信頼関係がきちんと作られていなかったり・・・。

 

親の立場にしろ子どもの立場にしろ
自分の状況大丈夫だっけ？と
そう考えさせられる作品でもあります。

 

そうでなくても単純に読んでぞわ～っとします！

 

ゴキブリにまみれて動けなくなって
手足が壊死しながらも生きているとか
ホームレスの体臭にもみくちゃにされながら
避妊もされずに集団レイプされるとか・・・。

 

ゴミ屋敷、ホームレス、引きこもり・・・
社会的問題であるこれらが精神面においても
根深い原因があると気づかせられます。

 

そういった問題に興味がある方
また単純に怖いモノ見たさのかたも冷や汗をかきながら
楽しんで読むのには大満足な作品です。

 

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