おかざき真里先生の作品の&。
昼はメディカルクラークをする青木薫が夜の仕事を決意。
今までやっていた出張ネイルですが夜だけ営業の
ネイルサロンを開業してみることにしました。
恋愛や仕事についていろいろ考えてしまう年頃。
行動することで見えたものとは・・・。
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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&(アンド)のあらすじ!26歳独身、ダブルワークをはじめる
思い立って夜だけ営業のネイルサロンを開こうと物件探しを始めた薫ですが
なかなか思い通りの物件に出会えません。
そんな矢先再会した大学の後輩シロちゃんが
理想の場所で起業していることが判明。
2Fしか使っていないという物件の1Fを借りてサロンを開くことになり
シロちゃんは薫に想いをよせているので話はスムーズに進みます。
一方、院内でも有名な毒舌で人嫌いの矢飼先生がなんとなく気になる薫。
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ある雨の日いつも左手をポケットに入れてる先生の左手の傷を見て
仕事以外では他人に触れるのが苦手な薫ですがそのひどい傷を見たとき
自然と矢飼先生の手に触れていました。
その傷は防御創だと言って自嘲した矢飼先生の話は
かつて自分の腕で命をつなぎ留めた救急患者が植物状態になり
その家族が途方にくれて刺しに来たというものでした。
薫には想像もつかない苦しい話。
けれど矢飼先生はそれよりももっと苦しくて辛い重荷を背負っていました。
果たして薫は全て受け止められるのか・・・。
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&(アンド)のネタバレ!矢飼先生の重い過去は、未来への呪縛
雨の日、医局の赤坂先生が矢飼先生を探しており
薫は居場所を知ってるから声かけてくると書庫へ。
そこにはうなされた矢飼先生がおりとっさに掴まれて
掴んで来た手の大きな傷跡を見て薫はこの傷か何か訪ねます。
矢飼は自嘲しながら救急患者を助けて
すごく大きなことを成し遂げた充足感を味わったこと。
その患者は植物状態になったことや家族が緩やかにバラバラになって
やがて患者の奥さんが包丁を片手に自分を刺してきたこと。
人生に行き詰まっての犯行だったらしいが
あの時助からなければと思ってしまう
自責の念もあっただろうということを伝えます。
その後、自分にも同じことが起きたことも薫に伝えました。
ある雨の日、恋人が他の男と一緒の時事故に合い
一命をとりとめてしまったこと・・・。
いっそ助からない方がと思ったのはほんの一瞬だけれども
それでも致命的に自分の心に傷を負い
こんな雨の日は調子が悪いと矢飼先生は言います。
そして攻撃的に薫にキスをしてきてキスの意味が薫にはわかりません。
自分が抱いているモヤモヤした気持ちが
何かもわからなくて妙にイライラする薫。
そしてその不安定さがそのまま夜のネイルサロンの
準備にも影響してしまいます。
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後日、同じ場所で矢飼先生に「悪かった」と謝罪され
あのキスはなんだったのかと尋ねる薫に「性欲」と答え
「セクハラだから、訴えてもいいよ」と・・・。
薫はその言葉になぜだから苦しくなりやがてそれが
恋だとやがて気がついた薫は矢飼先生に
性欲でもいいからと言って一緒にホテルに行きます。
そしていざ!というときに薫がハジメテだと知った矢飼先生は
「ハジメテの相手が俺ではいけない」と言って最後までしないで帰って行き・・・。
それでも薫の恋心には拍車がかかって止まりません。
密かに矢飼先生の心にも拍車はかかっていますがでも先生は
植物状態の彼女の面倒を見ているので
それが枷となって薫に近づかないように自制していました。
けれど薫のネイルのお店の前を通って
薫とシロちゃんが仲良くしていると面白くない。
そういうことが積み重なるうちにやがて二人は付き合うように。
ところがある日、薫のネイルのお店に一人の女性が。
他愛もない話のはずなのにその内容に傷つく薫。
実はその女性は矢飼先生の恋人の妹で彼女が事故に会って
植物状態になった後、矢飼先生はその妹に逃げるように
慰められて身体の関係も持っていました。
妹は悪意を持って薫のところに嫉妬をぶつけに来ていたのです。
矢飼先生は薫と付き合いだしてからはその妹とは
関係していませんでしたが矢飼先生の過去は薫と矢飼先生の間に
黒いシミを落としてやがてそれは埋められない溝になります。
そして薫は矢飼先生に触れられなくなり
二人は別々の道を行くことになるのでした・・・。
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&(アンド)の感想!文章ではなくて絵で語らせる漫画
文章より絵で語る漫画だと思います。
26歳にしてほとんど初恋のようなものを経験する薫の心情や
心に深い負い目を持っている矢飼先生の心情が表情から読み取れます。
恋をしたばかりの頃、一緒に作業した書類にキュンとしたり
そういう心の襞に丁寧にスポットを当てているように思います。
結末は人生について考えさせられるもので決して漫画だからと
お気楽ではありませんがそれでも未来へ繋がる一筋の光のようなものも
感じられて決して後味の悪いものではないと思いました。
また脇役もとてもよくて脇の人々の気持ちの動きも
とても丁寧に描かれていると思いました。
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人の心はかくも複雑で美しく醜く執拗でそのくせどうしようもなく
愛おしいものだとそう思うような作品だったと思います。
読み直してもまたその時々で印象が違うのもすばらしいです。
読み手の状態で印象に残る部分が違うので
同じ結末なのに違う印象を得られます。
時間を置いて何回も読みたい作品だと思います。
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