中丸洋介先生の作品の殺さざる者、生くべからず。
18年前に起きた出来事により精神科医になった桜井天彦。
そして親友だった東ユキオはテロリストになっており
そんな2人が精神鑑定により再会。
しかしユキオは天彦の想像の遥か上をいく怪物で
この再会が絶望へのカウントダウンだった――。
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殺さざる者、生くべからずのあらすじは?
2021年11月――。
僕は全てを奪われた・・・
あの日、僕の人生そのものを――・・・。
時は戻り2021年7月10日の東京。
日本を震撼させる爆発が国会議事堂にあがり
議員は無事だったものの死者は63名
負傷者は92名の被害が出ました。
実行犯の国会衛視の丸山和男は動機不明のまま死亡し
そしてそれは連続自爆テロ事件の始まりでした。
2021年8月1日――。
御茶ノ水医科大学病院では精神科医の桜井天彦が
今日も患者の診察をしています。
来月には職場復帰できることになった患者は
2年もの間、天彦が見捨てないでくれたおかげだと言い
どうやら天彦に恋心を抱いている様子。
それは天彦自身もそして看護婦も気づいています。
そのため看護婦は絶対に天彦に恋していると言い
まさか手を出すのかと聞こうとしますが
自分は一時の勘定だけで重大な決断はしないと
そして彼女もいるからと言います。
天彦は優秀でイケメンで将来有望と言われる精神科医。
この日は教授から呼び出しがあり向かうと
天彦の論文が学会に認められれば天彦が所属する研究室にも
研究費の増額を検討すると言うのです。
そして来年、役職に就いてもらおうと考えているとも・・・。
みんなが自分を高く評価していてこれで本格的に
精神科医としての未来も明るくなってきた天彦。
天彦は子ども時代から18年もの間
ここまでずっとがむしゃらでした。
殺さざる者、生くべからず
そんな中、またまた自爆テロのニュースが・・・。
今度は出版社で手口から今回も前回も前々回と同じ
テログループの犯行の様子。
ですが実行犯は国会衛視だったりビル内の従業員など
特別な訓練を受けていない素人ばかりで
よくわからない事件なのです。
そんなニュースを見ていると天彦の先輩である
司法精神医学研究室長准教授の矢島ケンイチ。
矢島は大量の資料を持っていてそれは精神鑑定の書類。
うちの研究室にいる限り天彦もいずれ鑑定チームに入ると
殺人犯と会うことになると言います。
矢島は連続テロのコメントを求められているらしいのですが
犯行声明もなく目的不明で診てもいない犯人についてなんて
さっぱりだと・・・。
そう、連続テロは何もかもが不明で
あるのはマスコミが付けた
「ポマーズ」という呼び名だけ・・・。
このとき天彦は不謹慎ではあるけど研究対象としてなら
ちょっぴり興味がわく・・・
一体どんなヤツらなのかと思うのでした。
そして天彦はその連続テロの主犯格と会うことになるのです。
思えば連続テロの主犯格に会いに行った時点で
全てが遅すぎたのかもしれない・・・。
天彦はまだ気づいていなかったのです。
18年前に出会ったその少年が自分の想像の遥か上をいく
怪物であったことに――・・・。
そしてこの再会が絶望へのカウントダウンとなることに――・・・。
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殺さざる者、生くべからずのネタバレとその後の展開は?
天彦が精神科医を選んだ理由は兄の死が原因。
18年前、天彦と兄は夏休みの間
母方の田舎の鞍馬村で過ごしていました。
村の子どもたちと将棋をやったりするものの
天彦に勝つ者はいません。
これでは村のメンツがと声を掛けたのが東ユキオで
天彦とユキオは将棋のライバルで
いつもいい勝負を繰り広げていました。
そんな楽しかったある日、天彦の兄が
突然行方不明になったのです。
大雨の中探すも見つからずユキオに言われて
山小屋に行ってみることに。
どうやら朝、猟銃を持って出かけるところを見たようで
ケガでもして山小屋にいるのかもと言うのです。
昔から狩猟とかに興味があったという兄ですが
それでもなんで猟銃なんかをと思う天彦。
それでも山小屋の入り口で兄のブーツの足跡を見つけ
良かったと思い山小屋の中に入ってみると・・・。
そこには猟銃で自殺した兄の姿が――・・・。
兄が自殺するほどの精神状態だったことに気付かなかったという
そのことが天彦を精神科医に歩ませた・・・。
そんな天彦の家には兄が自殺したときに使った
猟銃が今も保管されていて猟銃を見ていると
自爆テロ事件の主犯格が
逮捕されたというニュースが流れます。
そしてその容疑者は18年前の夏に一緒に過ごした
あのユキオだと言うのです。
殺さざる者、生くべからず
ユキオが逮捕されたというニュースから2日。
全ての報道機関はユキオを大きく取り上げ続け
日本中の興味は世紀のテロリスト・東ユキオへと注がれ
今やユキオはとてつもない有名人。
18年前、あの頃からずば抜けて頭が良く大人びた子どもで
自分よりも将棋が強かったユキオがなぜこんなことをと
そう思いながらも違和感を感じる天彦。
ユキオが起こした事件以来何かがひっかかり
できることならもう一度会いたいと・・・。
そんな中、ユキオの精神鑑定を天彦の研究室が
やることになったのでした。
矢島の助手として引き受けた天彦はユキオを調べるにつれ
色々なことがわかってくるのです。
それはユキオの両親がユキオが10歳のときに
自殺をしていたこと――・・・。
更には主犯のユキオ以外に実行犯候補として目される人間が
14名ほど浮かんでいたのですが・・・
その候補者たち14人全員がユキオ逮捕の直前に
ことごとく自殺をしていたのです。
そう、両親や仲間などユキオの周辺にいる者のほとんどが
自殺という最期をむかえているということ――・・・。
あまりにも不自然で全てはユキオが仕組んだことなのか・・・
だとすればあの不自然な兄の自殺も・・・。
そして天彦はユキオに会うことにしたのです。
ユキオは天彦のことを覚えていて
自分には精神鑑定は必要がないと言います。
自分は善悪のすべてを理解した上でテロを指示したと
そしてその罰は受け入れるつもりだと。
そしてまた天彦と将棋を指してみたいということ
これ以上何も話す気はないことを告げたのです。
ですが天彦はユキオの罰を受け入れるつもりだと
そう言ったときの一瞬の表情がひっかかり
自分1人でユキオに会いに行くことにしました。
ユキオと将棋をしながら会話をする天彦。
そして天彦は罰を受け入れると言ったあの言葉は
嘘だろうとユキオに告げたのです。
更にユキオが兄を殺したのかもと――・・・。
するとユキオは全てを支配するのは脳で
自分はそれを少しだけ操りそれぞれの命に
より価値のある役割を与えたと答えます。
更に天彦の兄は自分の与えた役割から逃げるために
死んだのだと言うのでした。
そしてこれまでの事件はまだ始まりにすぎなく
すべてはこれからだと・・・。
将棋は大手を迎えユキオの勝利。
天彦が兄の自殺を自分のせいだと思うなら
自分を殺せばいいと
再会を望んだのは天彦だと言うユキオ。
そして天彦が持ってきた心理テストの書類をまとめた
クリップを使って手錠を外し天彦に襲い掛かってきたのです。
脇をペンで刺されたあげく首をも刺された天彦。
意識が遠のく天彦にユキオはこう言うのです。
「これですべての条件がそろった
君はもうすぐこの世界から消える・・・」
そして続けてこうも言うのでした。
「友よ君のすべては僕がもらう」
そう告げられユキオは駆けつけた警官に捕まり
天彦は救急車で搬送されます。
薄れゆく意識の中自分は死ぬのかと
死んで兄に謝りながら――・・・。
意識レベルも血圧も下がり危険な状態の天彦。
果たして天彦は助かるのか・・・
そしてユキオが告げた言葉の意味とは――?
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殺さざる者、生くべからずの感想は?
表紙のイラストやタイトルそして作品説明を読んで
すごく気になってしまった本作。
冒頭のシーンに登場したのはユキオで
どういうことなのかと思いながら読み進めた本作。
1巻の最後まで読んでなるほどとやっと理解できました。
イケメンで優秀で将来も約束されたような天彦と
テロ事件の主犯格として有名になったユキオ。
真逆の立場の2人が精神鑑定のために再会し
ある出来事からすべてを失った天彦と
そして言葉通り天彦のすべてを手に入れたユキオ。
1巻では天彦のすべてをユキオが手に入れ
絶望が静かに幕を開けた感じです。
ユキオが天彦を刺しそのペンで自分の手を刺して
更には再度天彦を刺したユキオ。
何をしているのかと思ったりしたのですが
おそらく血を混ぜ合わせ互いの体に
溶け合わせた感じなのでしょう。
そしてその後、ありえない出来事が起こります。
殺さざる者、生くべからず
おそらく現実にこんなことがあったら
誰も信じてもらえないでしょうね。
それにしてもこれからユキオが何をしたいのか
すごく気になるところです。
これまでの事件はまだ始まりにすぎなく
すべてはこれから・・・。
何もかもを失った天彦がどうなってしまうのか
ユキオが何をしたいのかこれからという感じです。
試し読み部分だけではこれから何が起きるのか
面白いのかどうかもわからない本作。
はっきりいって試し読み後からが
面白くなっていく感じです。
ぜひ続きを読んでみてください。
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