大和和紀先生の作品のイシュタルの娘~小野於通伝~。
明星、古くからその名前で親しまれてきた
夜空で一際目立つ輝きを見せる金星。
様々な愛称を持つその星だが古代メソポタミアでは
美の女神イシュタルとして親しまれてきた。
戦国時代に様々な武将が活躍する中
まるで金星のように輝きを放ちつづけた
不思議な力を持つ娘がいた。
動乱の戦国時代を駆け抜けた娘、小野於通の物語!
ネタバレもありますので先に無料で試し読みをしたい方はこちら。
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イシュタルの娘~小野於通伝~のあらすじは?
夢のまた夢と思われていた天下統一が現実味を帯びつつある
そのきっかけを作ったのは織田信長という1人の戦国武将。
大胆不敵な戦略と行動力を武器にして
飛ぶ鳥を落とす勢いで織田信長は日本を攻略していました。
小野於通が産まれたのはそんな動乱の時代。
斎藤道三亡き後、織田信長に仕えていた
小野正秀の娘として美濃の地に生を受けます。
小野家の人間の中には時折
不思議な力をもつものが産まれていました。
天眼と呼ばれるその力は姿なきものを捉える力。
幼い頃に初めて織田信長の姿を見た於通は
彼の背後には黒々ととぐろを巻く
大きな黒龍の姿を見ることとなるのです。
そしてこの出会いが於通の人生を
大きく変え行く出会いとなったのでした。
イシュタルの娘~小野於通伝~
信長の政治に従い安土の地に移住した於通は
そこで光り輝くオーラをもつ秀吉に出会います。
このように於通には特別な力をもつ
人間のオーラが形として見えるのでした。
あるとき於通は偶然、信長の目に留まり
彼の館に呼ばれるような間柄となります。
気性の荒い信長だったのですが於通に対しての信長は
強く、美しく、そして優しい人でした。
しかしあるとき彼の背後にそびえていた
黒龍の姿が見えなくなるのです。
胸騒ぎを覚えた於通の耳に届いたのは
思いもよらない信長の末路だったのでした。
自身の力に怯える於通であったのですが
その力はまた彼女に強さも与えていきます。
金星のように輝く彼女の、波乱の人生とは!!
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イシュタルの娘~小野於通伝~のネタバレとその後の展開は?
あるとき老人の隣に狐の姿を見つけた於通。
その老人は九条の大殿であり思わず狐の姿に反応した於通に
彼が告げたのは思いもよらない話でした。
それは、小野の一族が古来から不思議な力をもつ人物を輩出しており
その力は遡ればアマテラス神を天の岩戸から誘い出した
アメノウズメ神に起源を持つ力であるということ。
そして彼女は乱世の幕開けを告げる巫女でもあったのです。
大きな力を内に秘めた於通は誰にも仕えることなく
1人の力で生きていくことを望むのです。
イシュタルの娘~小野於通伝~
彼女の力の秘密を知る九条の大殿は
そんな於通の願いを叶えるために
教養という武器を彼女に授けることとしました。
身のこなし、言葉遣い、日常生活の所作。
古典文学や和歌にも精通し女流書家として頭角を表します。
そんな彼女を見守る存在の1人が幼馴染の信輔。
彼に対して淡い恋心を抱いていた於通だったのですが
望まない結婚を強要されました。
しかし、己の心に嘘はつけない・・・。
離縁した於通は自らの意思で自らの人生を切り開いていく!
歴史を動かした多くの人に愛された
不思議な力をもつ少女の運命が、今動き始める!
人々との出会いを糧に成長を続ける彼女は
本当に乱世の夜明けを告げる明星となるのか。
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イシュタルの娘~小野於通伝~の感想は?
決して歴史の表舞台に顔を出す事はなかった小野於通。
彼女が直接何かを行なったわけではなくとも
そのまっすぐな瞳で見聞きし聡明な頭脳で考え
自ら選び抜いた道を歩むことで
確実に歴史は変わっていきました。
彼女の魅力はやはり人柄でしょう。
イシュタルの娘~小野於通伝~
天賦の才能に助けられながらも人との触れ合いを大切にし
心を成長させていく於通。
様々な経験は彼女を思慮深さへと繋がっていくようでした。
そして曇りなき瞳で見据えた選択肢を時には大胆に選び
行動を起こしていく強さには
多くの人が感銘を受けたことと思われます。
そして戦国の世のような動乱の時代の明星となるには
武力ではなく彼女が持つ力が、人柄が
本当に必要だったのだと改めて感じました。
とても読み応えのある作品です。
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